健康診断・人間ドックを受診する際、オプション(追加)検査をつけるかどうか、考えたことのある方は多いのではないでしょうか。オプションにはさまざまな種類があるため、自分はどの検査を受けるのがよいのか、選択に迷うこともあると思います。特に女性は「婦人科領域」と呼ばれるような女性特有の病気があります。この記事では女性が検討したいオプション検査(気をつけたい病気)に注目して解説します。
- 年代別・健康診断「オプション」の選び方 ~男女共通編~
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毎年受診する定期健康診断や人間ドックの際、迷うことも多いのが、オプション(追加)検査。「定期健康診断でいろいろ調べるのだから、オプション検査は不要では?」と思う方、あるいは「念のためつけたいけれど、何を選んだらいいのか分からない……」という方など、さまざまだと思います。https://helico.life/monthly/230708healthcheck-option-common/
この記事では、成人以降の男女において、どのような観点でオプション検査を検討すればよいのか、年代や生活習慣を踏まえながら解説していきます。
- 健康診断のあの検査、いったい何を調べているの?
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「病気は早期発見が重要」とよくいわれます。しかし、実際には、初期段階では自覚症状がほぼない病気もあり、検査を行わないと早期発見が難しいケースも多々あります。そこで重要な役割を担っているのが「健康診断」。客観的な数値で体の状態をとらえる健康診断は、異常を早めに検知できる機会です。https://helico.life/monthly/230708healthcheck-kiso/
本記事では、定期健康診断で実施する検査項目と、それらの目的などを解説します。
- HPVワクチン&検診で「子宮頸がん」の予防を!
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20~40歳代女性の間で近年増えている、「子宮頸がん」。多くのがんは加齢とともに発症率が上がっていきますが、このがんは「若いうちから注意したいがん」の1つです。https://helico.life/series/healthcare-cervicalcancer/
海外では予防ワクチン(HPVワクチン)の導入が進み、罹患率が低下している国もあります。しかし、日本ではワクチン接種が進んでおらず、年間で約1万人が新たに子宮頸がんを発症し、約2,900人が亡くなっています。病気の進行度によっては、子宮全摘出という決断を迫られる場合もあります。どうしたら自分の身を守れるのか。子宮頸がんという病気や予防のためのHPVワクチン、子宮頸がん検診について理解を深めてみませんか。
- すべての女性が気をつけたい「骨粗しょう症」
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「骨粗しょう症」という病名は聞いたことがあるけれど、高齢者の病気だろうし自分にはまだ関係ない。そう思っている人は多いのではないでしょうか。重篤な病気ではないととらえている人もいるかもしれませんが、骨粗しょう症による骨折が引き金となって寝たきりになったり、骨折を繰り返したりすることもあり、健康への影響はかなりのもの。また、骨量や骨密度は女性ホルモンの影響を大きく受けるため、とくに40代以降の女性は気をつけたい病気です。https://helico.life/monthly/230304bonemuscle-osteoporosis/
骨粗しょう症予防は、症状が出る前からの対策がなによりも重要です。正しい知識を身につけて、生涯自分の足で歩ける丈夫な体づくりを目指しましょう。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)検査
人が立ったり歩いたりするために必要な身体能力(移動機能)が低下した状態を、ロコモティブシンドローム(ロコモ)といいます。筋力や骨密度の低下によって引き起こされるロコモは、健康寿命にも影響があります。
検査を受けることで自身の筋力やバランス能力などを把握し、必要に応じて筋力をつけるための簡単な運動などを実施することが重要です。
ロコモについて、さらに詳しく知りたい方は「大人も子どもも要注意!ロコモティブシンドロームとは」をご覧ください。
- 大人も子どもも要注意!ロコモティブシンドロームとは
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みなさんは「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」という言葉を聞いたことがありますか? なんだかかわいらしい響きに聞こえますが、ロコモとは、筋力低下や骨の病気などに伴い、立ったり歩いたりする能力が低下している状態を指します。自分はまだ若いから大丈夫! と思った方も要注意。近年は新型コロナウイルス感染症の影響や生活様式の変化により、「子どもロコモ」など、高齢者以外の世代でもロコモが懸念されています。ロコモが進行すると将来、介護が必要になるリスクが高まってしまうので、若い世代から予防を意識することが大切です。https://helico.life/monthly/230304bonemuscle-locomo/
本記事では、子どもから大人まで誰もがなり得るロコモについて、基礎的な情報を解説します。
オプションを決める・検査を受けるうえで気をつけたいこと
選択に迷った場合はかかりつけ医や検査を受ける医療機関で相談しよう
すでに、ある病気の診断をされていたり、治療を受けていたりする場合は、不要と思われる検査や逆に受けておいたほうがよい検査が出てくることもあります。検査のオプション選択に迷う場合には、まずはかかりつけ医に相談してみるのがよいでしょう。
特にかかりつけ医がない場合には、健診を受ける医療機関に相談し、検査に対する疑問や不安などを解消することも大切です。検査によってはまだ判定基準が標準化されていないケースもあります。また、以前の健診で異常値が出たものの、健康には影響がないと思われる項目について、それまでとは違う医療機関で健診を受けたことで、要精査と判断されるケースがあるように、余計な検査が増えたりすることもあります。そのため、できるだけ毎年同じ医療機関で健診を受け、定点的にデータを確認することも重要なポイントといえます。
すでに症状がある場合は健診ではなく医療機関の受診を!
健診はあくまで、健康であるかどうかを広くまんべんなく確認し、病気のスクリーニングやリスクを測るものです。そのため、すでに何らかの症状がある場合には、その症状からより限定的・専門的に疾患を特定できる適切な診療科を受診するようにしましょう。
検査を受けて終わりにしないで
「何か病気が見つかるのが怖い」という理由で、健診、あるいはオプションでさらに深く体の状態を調べることをためらう方もいると思います。しかし、健診を活用することで、できるだけ病気を早期発見することにより予後を改善したり、あるいは発症リスクを減らすための対策をとれる可能性も出てきます。
健診は受けることがゴールではありません。結果を受けて、生活改善や治療などにつなげるところまでを健診の意義としてとらえ、勇気を持って体の状態をチェックしてみましょう。
どのような観点で健康診断のオプションを選べばよいか、参考になりましたか? せっかく実施するのであれば、自分自身の生活スタイルや病気のリスクに合わせてきちんと健診の場を活用できるよう、ゆっくり健診オプションについて考える時間をつくってみるのはいかがでしょうか。
- 教えてくれたのは・・・
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- 松本 知沙先生
- 東京医科大学病院 健診予防医学センター
2011年 Harvard 公衆衛生大学院 疫学修士。2011~2013年 Harvard 大学医学部、Brigham and Women’s Hospital Fellow。専門領域は内科、循環器内科、予防医学、循環器疫学。人間ドック健診専門医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本高血圧学会認定専門医・指導医、米国心臓病協会フェロー、American Heart Association Fellow (FAHA)。病気の早期発見や予防を目標に、受診者ひとりひとりに寄り添った人間ドックの案内を目指す。