「病気は早期発見が重要」とよくいわれます。しかし、実際には、初期段階では自覚症状がほぼない病気もあり、検査を行わないと早期発見が難しいケースも多々あります。そこで重要な役割を担っているのが「健康診断」。客観的な数値で体の状態をとらえる健康診断は、異常を早めに検知できる機会です。
本記事では、定期健康診断で実施する検査項目と、それらの目的などを解説します。
- この数値ってどんな意味?健診結果の見方を解説
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健康診断は、多くの方がかかりやすく、放置すると命に関わる病気の兆候がないかを確かめています。しかし、健康診断を受けるだけで満足している、あるいは結果を見ても自分の体がどんな状態か、どのようなことに気をつけたらよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。https://helico.life/monthly/230708healthcheck-results/
本記事では、健康診断で行う主な検査項目と目的、それぞれの数値の見方、日々の生活で気をつけるべき点などについて解説します。
このほか、自治体などで補助が受けられる「対策型がん検診」があります。対策型がん検診は、受診できる年齢や間隔が法律で定められており、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんを対象として検査(検便やバリウム検査など)が実施されます。
対策型がん検診については「年代別・健康診断「オプション」の選び方 ~女性編~」でも紹介しているので、ぜひご覧ください。
- 年代別・健康診断「オプション」の選び方 ~女性編~
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健康診断・人間ドックを受診する際、オプション(追加)検査をつけるかどうか、考えたことのある方は多いのではないでしょうか。オプションにはさまざまな種類があるため、自分はどの検査を受けるのがよいのか、選択に迷うこともあると思います。特に女性は「婦人科領域」と呼ばれるような女性特有の病気があります。この記事では女性が検討したいオプション検査(気をつけたい病気)に注目して解説します。https://helico.life/monthly/230708healthcheck-option-forwomen/
なお人間ドックなどに含まれるがん検査は「任意型がん検診」とよばれ、「対策型がん検診」のように年齢などによる縛りはありませんが、費用は高額となります。
健康診断を「受けるだけ」では意味がない!
健康診断は、いわば模擬試験や定期試験のようなもの。こうした試験は受けるだけでは不十分で、きちんと返ってきた答案を見直し、できなかった問題を解き直すのが重要であるのと同様に、健康診断も検査結果を踏まえてきちんと生活改善や治療を行っていくことが、もっとも重要です。改善のためにどのようなことに気をつければよいかわからないという方は、健康診断を受けた医療機関等で質問をしてみるのもよいでしょう。
これまで何気なく健康診断を受けてきた方もいるのではないでしょうか。定期的に受ける健康診断、その検査結果をきちんと理解することは、自分の体の状態を知ることにつながります。結果を踏まえて、よい部分は維持をできるように、数値に異常がみられた場合にはきちんと生活の改善や治療を行い、「意味のある」健康診断にしていきましょう。
- 教えてくれたのは・・・
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- 和田 高士先生
医学博士。1981年、東京慈恵会医科大学卒業、85年同大学大学院修了。同大学第4内科講師、同大学附属病院総合診療室診療医長、東京慈恵会医科大学健康医学センター長、日本人間ドック学会副理事長、日本生活習慣病予防協会副理事長などを経て、2023年より現職。東京慈恵会医科大学 客員教授。日本健康・医療情報研究所所長。