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人には聞けない、性交渉お悩み相談室 ~男性編~

挿入後すぐに射精してしまう、性的な刺激を受けても勃起しない、マスターベーションではできるのにパートナーとのセックスで射精できない……。男性の皆さん、こんな悩みを一人で抱えていませんか?

「人には聞けない、性交渉お悩み相談室」男性編の今回は、男性性機能の悩みのなかでも代表的なものである、早漏、ED(勃起不全)、腟内射精障害(重度の遅漏)について解説。じつは男性性機能の悩みは、正しく知ることで改善できる場合が多くあります。あきらめずに、まずはこの記事で紹介する対処法を試してみてください。

INDEX
早漏って、どんな症状?
ED(勃起不全)って、どんな症状?
腟内射精障害(重度の遅漏)って、どんな症状?
食事や運動で性機能障害を改善できる!?
射精障害や勃起障害は何科で相談すればいい?

① 早漏って、どんな症状?

本人や相手が期待する時間よりも早く射精してしまう状態を「早漏」といいます。国際性機能学会の定義には、「挿入から射精までの時間が短い(1分以内)」とありますが、挿入時間が1分以上あったとしても、射精までのタイミングをコントロールできなかったり、パートナーとうまくいかなくなってストレスを感じたりしているような場合も、早漏であるといえます。

また、18~59歳の男性の21%が早漏であるという報告もあるほど、悩んでいる人がとても多いのが現状です(米国泌尿器科学会早漏治療ガイドライン)。生まれながらの体質(先天性)と、年齢を重ねてなる場合(後天性)の2パターンがあり、10代から悩む人もいれば、40~50代になってから悩む人も。

早漏の問題は、本人やパートナーにとってストレスになる可能性があったり、新たなパートナーを求める際にも心理的な障害になったりしやすいこと、そして、治療法があることを知らずに悩んでいる人がまだまだ多いことです。


早漏は治療できる

早漏は治療できる病気です。ここでは4つの対処法をご紹介します。

1.厚めのコンドームを使う

一番手軽な対処法が、厚いコンドームを使うこと。ゴムの厚みが、ペニスに伝わる刺激をやわらげてくれるので、試してみる価値はあります。

2.早漏リハビリ「ストップ アンド スタート法」

マスターベーションをする際、射精をしそうになったときに手を止めて、落ち着いてから再び手を動かす。これを3回繰り返してから射精する、という方法です。市販の早漏リハビリ用のトレーニンググッズもありますが、いずれにしてもその場限りの治療法です。

3.薬物療法

早漏の人は、脳内神経伝達物質であるセロトニンが不足しているために、性的興奮が高まってから射精までの時間が短くなりやすいと考えられています。この脳の興奮を薬で抑え、射精までの時間を長くする方法です。医療機関で受診して、適切な処方を受ければ、副作用も少なく早漏を治すことができます。

4.麻酔効果のある軟膏

亀頭部の皮膚が敏感すぎて、すぐに射精をしてしまう人に対しては、麻酔薬が入っている軟膏が効果的です。皮膚を麻痺させることにより、射精までの時間を延長させることができます。

② ED(勃起不全)って、どんな症状?

ED(勃起不全)は、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。国内のED人口は推定約1,000万人ともいわれていますが、治療を受ける人はまだ少ないのが現状。よくある症状としては、十分な硬さにならない、挿入できても中折れしてしまうなどです。また、「性行為に不安があって満足度が低い」といった悩みもEDに含まれます。

EDの原因は、「心因性ED」と、基礎疾患など体に原因がある「器質性ED」の2タイプに分けられます。

  • 心因性ED……緊張、ストレス、失敗経験など、心理的な問題や精神的な問題が原因
  • 器質性ED……高血圧、糖尿病、男性ホルモン低下、老化、うつ病、前立腺手術後など

第一選択はED治療薬

心因性・器質性どちらが原因にせよ、EDの自覚症状がある場合の対処法は、医師がガイドラインに従って治療を行うのが一般的。その場合最初に投与される薬は、「PDE5阻害薬」と呼ばれる薬で、日本ではバイアグラをはじめ3種類の治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)が認可されています。即効性や持続性、硬さ、副作用が少ない薬など、それぞれに長所があるので、医師に相談してみましょう。

ED治療薬を内服すると「四六時中、勃起してしまうのではないか?」と思う方もいるかもしれませんが、ED治療薬は性欲増進剤ではなく、内服しても性的刺激を受けないと勃起しないのでご安心を。性欲が高まるということもありません。

③ 腟内射精障害(重度の遅漏)って、どんな症状?

マスターベーションでは射精できるのに、性行為の際に腟内で射精できない性機能障害のことを指します。厚生労働省の調査では、男性不妊症の原因の7%超が膣内射精障害であるというデータも。なかには結婚し、子どもをつくろうとした段階になって初めて症状に気づく男性もいるそうです。

こうした性機能障害は、体の問題だけでなく、コンプレックスによって自信を喪失し、セックスができないという心の悩みにも発展していきがちです。

腟外射精障害の原因の半数以上は、「思春期からの不適切なマスターベーション」にあります。では、どのようなものがその原因となるのでしょうか。

膣内射精障害の原因となる「不適切なマスターベーション」って?

以下のような方法でマスターベーションを続けた結果、パートナーとセックスするときに射精できなくなると考えられます。

  • 強グリップ:ペニスを強く握ったり、手を過度に早く動かしたりするなどの刺激が強すぎるマスターベーションによって、実際の性行為で刺激を感じられなくなってしまう。
  • 足ピン:足に力を入れて伸ばしていないと射精できないなど、特定の体勢でないと射精できなくなってしまう。
  • 床オナ:床にペニスを押しつける、太ももにペニスを挟み込むなど、手を使わない刺激でしか射精できない。

「不適切なマスターベーション」で得る刺激は、腟の中の刺激とは種類がまったく違うもの。そのため、セックスのときに快感を得られなかったり、物足りなさを感じたりしてしまい、結果的に膣内射精障害になり得るのです。

これ以外にも、アダルト動画を見続けながらでないと射精できないといった性癖の問題や、パートナーとの関係性、心因性の問題なども考えられます。心因性の原因には「パートナーにセックスが下手と言われた」「性行為にネガティブなイメージがある」などさまざまな理由があるため、本人だけでなくパートナーの理解や協力が不可欠です。

腟内射精障害の対処法は?

腟内射精障害の場合、長年のマスターベーションの習慣が原因になっていることが多いため、薬で治療可能な早漏やEDと比べると、治療は簡単ではありません。ただし、対処法はあるので、次の方法を試してみましょう。

1.射精リハビリテーション

適度な刺激で射精できるように、マスターベーションを修正していきます。具体的には、「リラックスした姿勢で、できるだけ手に力を加えずに、手を上下に動かす方法で射精できるように」トレーニングするというもの。市販の射精リハビリテーション用のトレーニンググッズを使うのも一案です。

2.「射精すること」にこだわらない

二人の関係性を大切にしたいカップルや、子どもが欲しいという目的で性行為を行う場合には、「射精をゴールにしないこと」もひとつの解決法です。

男性側に射精障害があると、パートナー側も「なんで射精してくれないのだろう。自分に原因があるのかも……」と悩み、自分を責めてしまうことも。最悪の場合、二人の関係が悪化してしまう要因にもなりかねません。

セックスでは、触れ合ったり、抱きしめ合ったりするなど、まずは親密なコミュニケーションを楽しむよう心がけましょう。そのうえで、「二人にとってのゴール」をパートナーと話し合ってみてください。射精をゴールにするのか、妊娠をゴールにするのか……射精にこだわることで互いにつらい思いをするなら、射精をせずにそのゴールを達成できる方法も視野に入れてみると、心も体も楽になれるかもしれません。

3.病院でカウンセリングを受ける

男性の性機能を専門にしているクリニックで、パートナーと一緒に医師のカウンセリングを受けてみるのもおすすめです。互いの想いや状況を理解し合い、どうしたら幸せな関係でいられるかということや、治療法も含めた解決法を見つけるためのサポートをしてくれます。

食事や運動で性機能障害を改善できる!?

勃起障害に、加齢や生活習慣が影響することは確かです。健康的な食生活や適度な運動、十分な睡眠、禁煙、過度な飲酒をしない、精神的なストレスを溜めないといった、一般的に健康に良いとされる生活習慣を心がけることは、性機能にも良い影響を与えます。しかし、きちんと治したい場合には、やはり専門家のアドバイスや治療を受けた方が、早く対処できる可能性が高いです。

射精障害や勃起障害は何科で相談すればいい?

泌尿器科や男性外来、メンズクリニックなどを受診しましょう。症状に応じて、ED外来、不妊治療外来など専門外来のある医療機関でも良いでしょう。性機能の悩みで治療を受けることは、恥ずかしいことではありません。一人で思い悩んで過ごすよりも、かかりつけ医や専門外来に相談してみてください。


教えてくれたのは・・・
小堀 義友先生
プライベートケアクリニック東京 東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピスト、泌尿器腹腔鏡技術認定医

2001年、金沢大学医学部卒業。2009年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。2014年よりイリノイ大学シカゴ校留学。2021年より現職。専門は男性性機能障害、男性不妊症、性感染症。『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ、2015年)など著書多数。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:森優

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