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「ちつ」にも冷えがある!放っておくとどうなる?

多くの人が悩む「冷え」。一口に冷えといっても全身が低体温の場合は少なく、手先、足先など体の一部、下半身、上半身のどちらかだけなど、自律神経失調のはじまりとして部分的に冷えている状態が大半を占めます。「部分冷え」の症状が現れる部位はさまざまですが、女性特有の悩みで人に相談しづらいのが、ちつ・外陰部の冷え。最近では「フェムゾーン」と呼ばれる部分ですが、なぜ冷えてしまうのでしょうか? その原因と対策を紹介します。

INDEX
フェムゾーンとは?冷えたら、体にどんな影響がある?
フェムゾーンの冷え度をチェック
フェムゾーンを冷やさない。温かくうるおった状態を保つ方法
フェムゾーンの冷えには休養も必要

フェムゾーンとは?冷えたら、体にどんな影響がある?

フェムゾーンとは、ちつ・外陰部を指す言葉で、これまではデリケートゾーンと呼ばれていました。しかし、近年お手入れの重要性が広く周知されはじめ、語られることが少なかったデリケートなゾーンではなく、積極的にセルフケアを行う「フェム(女性)ゾーン」として認識や名称が変化してきています。

フェムゾーンをケアする上で、確認しておきたいのはいまの状態です。本来、フェムゾーンは温かくうるおっている状態が理想といえます。しかし、加齢やストレス、出産などによってほかの体の部分と同じように衰えて、冷えや乾燥がはじまります。しかも、手や足と違い、冷えていること自体が自覚しにくいため見過ごされがち。

フェムゾーンが長い時間、冷たく乾燥したままだと、女性ホルモンや自律神経のバランスが乱れやすくなり、生理にまつわる不調や血流が悪くなるなどのさまざまな悪影響が出ることも。

なかでも注意しておきたいのは、骨盤底へのダメージです。骨盤底とはその名のとおり、骨盤の底にあるプレートで、筋肉群や靭帯・筋膜・皮下組織から構成されており、構成する筋肉群のことを骨盤底筋群と呼びます。骨盤底は、膀胱や子宮などの内臓を支える機能とともに排泄機能を担っています。

その骨盤底にトラブルが生じると尿もれや頻尿が起こり、ひどいときには子宮などの臓器が突出してしまう「骨盤臓器脱」(こつばんぞうきだつ)が起こることも。だから、骨盤底につながるフェムゾーンの冷えや乾燥は要注意。まずは自分のフェムゾーンが冷えや乾燥していないか、たしかめてみましょう。

フェムゾーンの冷え度をチェック

自覚症状が出にくいフェムゾーンの冷えや乾燥は、ちつに人差し指をゆっくりと第二関節程度まで入れてみたうえで、なかが冷えていないか、痛くないか、締まるかなど直接たしかめることがもっとも有効です。合わせておへそのすぐ下の部分も、さわって冷たく感じるときは何らかの不調が隠れている場合も。意識してチェックしましょう。

また、日頃の生活習慣もフェムゾーンの冷えや乾燥に影響します。フェムゾーンの冷えにつながりやすい生活を送っていないか確認できるチェック項目を用意しました。以下から当てはまる項目をチェックしてみてください。

□ パソコンやスマホ、テレビを長時間見ている
□ 夏はクーラーを強めにかけるのが好き
□ 季節を問わず冷たい飲み物をたくさん飲む
□ アルコールやカフェインを多く摂る
□ 甘いものを毎日食べる
□ イライラやストレスを感じることが多い
□ 生活が不規則である
□ 体を動かす習慣がない
□ 気がつくと猫背になっている
□ セックスレス(セルフも含め)である
□ 無理なダイエットをしている

チェックの数が多くなるにつれて、すでに冷えや乾燥が起こっている可能性が高いので要注意。改善できそうな生活習慣があれば、見直していきましょう。

正しいセルフケアを行えば、起こりやすい症状の7~8割は予防・改善が見込めます。すでにトラブルが起こっている場合はもちろんですが、いまは問題ないと感じている人も、将来に備えて早めにケアをしておくことが大切です。

フェムゾーンを冷やさない。温かくうるおった状態を保つ方法

フェムゾーンが冷えないよう、温かくうるおった状態を保つために実践したいケアは5つ!

1.洗う

ちつのなかには自浄作用があるので、フェムゾーンを洗うときにボディソープは必要ありません。外陰部は爪を立てないよう、1日1回指のはらを使って、ひだは根元の部分も含めてやさしくていねいに洗いましょう。ときどきは、鏡を使ってフェムゾーンを見てみるときれいに洗えます。

2.保湿

フェムゾーンは、病気がない場合は丈夫な部分ですが、自分の体型に合わないサイズや体質に合わない素材の下着を使っている場合では、刺激によって炎症が起こりやすくなったり、乾燥しやすくなります。対策として、入浴後すぐにローションやオイルを大陰唇、小陰唇、肛門の周りにやさしく塗り込みましょう。フェムゾーンをケアする専用のオイルも販売されていますが、アトピー性皮膚炎などの皮膚の疾患をもつ人以外は、体に使っている保湿剤でも問題ありません。

3.マッサージ

保湿をする際にフェムゾーン周りのマッサージをすると効果的です。外陰部はやさしくなでながらオイルを塗る、ちつのなかは、指を入れてちつの壁をゆっくり押すといった方法で行います。フェムゾーン周辺の血流がよくなり、冷えを解消できます。

4.骨盤底筋トレーニング

呼吸に合わせて、フェムゾーンをゆるめたり締めたりする動きを交互に行い、意識して骨盤底筋を動かすことで、出産後や更年期などによって起こりやすい尿もれ予防につながります。息を吐くときにフェムゾーンを引き上げ、吸うときにゆるめることを意識しましょう。

お家でのスキマ時間で締めたり、ゆるめたりを繰り返してみましょう

5.骨盤ヨガ

冷え改善には開脚前屈のポーズが効果的です。腹式呼吸をしながら行いましょう。

①足を左右に開いて座り、坐骨を床につけ骨盤を立たせる。背筋を伸ばしたら上体を前に倒す。 ②背筋を伸ばしたまま、足の付け根から前屈する。手は自然に前に伸ばして姿勢をキープ、そのままゆっくりと5回呼吸を行う。※無理に足を開かなくても大丈夫ですが、つま先とひざは上に向けた状態をキープしましょう

フェムゾーンは女性の健康を左右する存在です。フェムゾーンが健康な状態であれば体全体の血流にもよい影響をもたらして、ほかの部位の冷えも解消される可能性があります。

さらに、骨盤底筋をしっかりきたえると骨盤のゆがみが解消されるため、筋トレやヨガの効果が得やすくなるメリットもあります。フェムゾーンの冷えを解消する生活習慣と適度な運動で、健康な体を手に入れましょう。

フェムゾーンは「第2の顔」とも呼ばれています。毎日フェイスケアをするように、フェムゾーンもケアしましょう。そうすることで、エイジングケアも期待できます。

フェムゾーンの冷えには休養も必要

体の冷えは自律神経が乱れている最初のサイン。フェムゾーンの冷えや違和感も、不調を訴えている体の声です。頭では「自分は元気」だと思っていても、体が無理と訴えているのだと理解しましょう。冷えを感じたら、温める工夫はもちろん、体全体を休めることも大切です。

仕事や家事、家族のことにいそがしくても、1日の1割だけでもいいので自分のために時間を使い、疲れていたら休養し、元気が出たら好きなことをするようにしましょう。自分のことは後回しにしがちな人も多いかもしれませんが、体と心の声に耳を傾けて、きちんと労わってあげましょう。

また、家族や知人には相談しづらいフェムゾーンの冷えですが、お困りの場合は婦人科や女性泌尿科、女性外来の医師に相談してみるのも◎。女性特有の症状に対応してくれる鍼灸院もあり、医療機関や漢方の専門薬局などでは、症状に合わせた漢方薬を処方してもらえます。

保湿、休養、運動などの対策をしても改善できないときは、医療機関に相談しながらフェムゾーンの冷えを解消していきましょう。

教えてくれたのは・・・
関口 由紀先生
女性医療クリニック
LUNAグループ 理事長

女性泌尿器科専門医。横浜市立大学医学部泌尿器科客員教授。1989年山形大学医学部卒業。2003年より横浜市立大学医学部泌尿器科で女性泌尿器外来を担当。2005年に「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」を開設。現在、女性医療クリニックLUNAグループの総帥として、主に閉経前の女性を対象とする女性医療クリニックLUNA横浜元町と、主に閉経後の女性を対象とする女性医療クリニックLUNAネクストステージを主宰。2011年10月に放送されたNHK『あさイチ』のセックスレス特集で紹介した「ちつトレ」が大きな反響を呼ぶ。その後も、各メディアで紹介してきた「ちつトレ」の第一人者である。最新刊は「セックスにさよならは言わないで」(径書房)。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:オオカワアヤ

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