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感染症になりやすい?鼻の乾燥「ドライノーズ」とは

呼吸をしたり、においをかいだり。体に入ってくる空気の温度や湿度を調節するほか、異物が体に入るのを防ぐなどの役割を持つ鼻。毎日無意識のうちに使い続けている、重要な器官のひとつです。そんな鼻の乾燥「ドライノーズ」は、鼻の中の粘液が減ることで生じる症状で、QOL(生活の質)の低下を招きます。また、体内に異物が侵入しやすくなるため、風邪などの感染症にかかるリスクが高くなることも。この記事では、そんなドライノーズの症状や、なりやすい人の特徴、対策方法などを詳しく解説します。

INDEX
鼻の中がピリピリ……「ドライノーズ」とは?
あなたの鼻、こんな症状はありませんか?
鼻炎持ちは気をつけて!ドライノーズになりやすい人の特徴
ドライノーズの症状を和らげる方法
病院でできる治療とは

鼻の中がピリピリ……「ドライノーズ」とは?

風のにおいから季節の変わり目を感じたり、普段とは異なるにおいから異常を察知したり。においによってもたらされる情報は数多くあります。そんな大切な情報をキャッチする役割を担っている鼻の中には“うるおい不足”が起こることがあります。

ドライノーズとは、鼻の中の粘膜が乾燥した状態のこと。粘膜で覆われた鼻の中では、1日に1~1.5リットルほどの粘液が作られていて、適度に湿った状態が保たれています。しかし、粘液が何らかの原因で不足してしまうと、粘膜に炎症が生じ、ヒリヒリ感や痛みなど、さまざまな症状が引き起こされることに。

鼻の粘膜の表面には、「線毛(せんもう)」という細かい毛が隙間なく生えています。線毛は、鼻の中に入り込んだホコリやウイルス、細菌などの異物をキャッチして外へ追い出すもの。鼻の中がうるおっていると線毛は活発に機能しますが、乾燥すると働きが鈍くなってしまうため、鼻の中が乾燥すると、アレルギーや感染症になりやすくなるのです

あなたの鼻、こんな症状はありませんか?

□ 鼻の中がむずむずする
□ 鼻を頻繁にかみたくなる
□ ヒリヒリとした痛みがある
□ 鼻血が出やすい

このような症状がある人は、ドライノーズの可能性があります。ただ、長期化すると症状に慣れてしまい、あまり気にせず過ごしているケースもあります。一年中鼻炎が続いているような人の場合、鼻の中がちょっとむずむずする程度では、不調として認識できなくなっている可能性も。また、「単なる乾燥なら放っておいても大丈夫」と軽く考えてしまう人もいるかもしれません。

ドライノーズになると粘膜の炎症が生じたり、アレルギーや感染症にかかりやすくなったりするほか、進行すると、食事をおいしく感じられなくなる可能性もあります。自分の鼻の状態を見直してみて、何かしらのトラブルがあると感じたら、ぜひ適切なケアを始めてください。

鼻炎持ちは気をつけて! ドライノーズになりやすい人の特徴

鼻の中の粘液分泌量が低下することによって引き起こされるドライノーズ。体質や年齢で粘液の分泌量に差はありますが、原因は環境要因や病気などさまざまです。なかでも、次のような人はドライノーズになりやすいので注意が必要です。

□ 鼻炎や花粉症などで頻繁に鼻をかむ
□ 乾燥している場所にいることが多い
□ 口呼吸をしている
□ 喫煙をしている

また、ドライノーズの発症には自律神経の乱れも大きく関わっています。粘液を作り出す分泌腺の働きは、交感神経が優位に働くと抑えられてしまうため、ストレスや緊張感が高まって交感神経が活発になると、粘液が減ってしまうのです。ストレスの多い生活を送っている人は、意識的にリラックスできる時間を作ってみるなど、できるだけ生活を見直してみましょう。

そのほかにもドライノーズは、全身の分泌腺が破壊されていく自己免疫疾患・シェーグレン症候群や鼻腔がんなど、深刻な病気が原因となっていることもあります。病気が原因のドライノーズは、重度な症状が出やすいのが特徴。毎日のように鼻血が出る、鼻が痛くて呼吸しにくいなど、日常生活に支障があるような症状は病気のサインかもしれませんので、早めに病院に行くことを検討してください。

ドライノーズの症状を和らげる方法

ドライノーズを改善するには、ふだんの生活を見直して、原因を取り除くことが大切です。症状を和らげるためには次のような方法がおすすめです。

鼻の中を触らない

ドライノーズになると鼻の中に違和感が生じるため、指や綿棒などで刺激したくなるかもしれません。鼻の粘膜は非常にデリケートなので、粘膜が傷つくと乾燥が悪化してしまうこともあります。気になっても、触らないようにしましょう。

保湿を心がける

鼻のうるおいが不足していると感じたら、マスクの着用や加湿器の使用などで保湿を心がけてください。一時的ではありますが、症状が和らぎます。保湿スプレーなどドライノーズ向けのケア用品も市販されているので試してみるのもよいでしょう。ワセリンをそっと鼻の入り口に塗るのも、保湿効果が高いのでおすすめです。

鼻毛を処理しすぎない

鼻毛は異物の侵入を防ぐ大切なもの。過度なケアはおすすめできませんし、抜くのはNGです。ドライノーズが悪化する原因にもなりますので、鼻の入り口から外に出ている部分をカットする程度にとどめておきましょう。

禁煙を目指す

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血行悪化を招きます。粘膜の血流が悪くなると、粘液の分泌も減り、乾燥がひどくなる可能性が。また鼻の粘膜は、タバコの煙に含まれる有害物質によって、ダメージを受けてしまうことがあります。タバコを吸っている人は禁煙を目指すのがベスト。タバコを吸わない人も、受動喫煙には極力注意を払いましょう。

十分な水分を摂る

粘膜のうるおいには、十分な水分が必要。うるおい不足にならないよう、こまめな水分補給を心がけるとよいでしょう。水、麦茶、ルイボスティーなどを飲むのがおすすめ。カフェインが含まれるコーヒー、紅茶、お茶などは利尿作用があるので、飲みすぎに注意してください。

バランスの良い食事を摂る

鼻の粘膜のコンディションを整えるには、バランスの良い食事も大切な要素です。粘膜の材料となるタンパク質、粘膜を丈夫にしてくれるビタミンA、血行改善効果があるビタミンE、免疫力を高めるビタミンCなど、多くの栄養素をまんべんなく摂ることを心がけましょう。

病院でできる治療とは

セルフケアをしてもドライノーズが良くならないときは、病院で治療を受けることもできます。ドライノーズは深刻な病気が原因になっていることもあるため、まずは原因を特定するための診察が必要です。病気が原因と判明した場合はそれに対する治療、生活習慣が原因の場合は生活指導が優先的に行われます。原因がはっきりしないときや生活改善をしても症状が良くならないときは、保湿スプレーやワセリンなどによる薬物療法が選択されることもあります。

ドライノーズの症状がある人は「単なる乾燥」と軽く考えず、つらい症状を和らげる治療法もありますので、早めに医師に相談してみましょう。


教えてくれたのは・・・
入谷 栄一先生

いりたに内科クリニック院長。東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師。総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医、がん治療認定医。地域密着型でエビデンスに基づいた治療を続ける一方、わかりやすい説明が好評でさまざまなメディアでも活躍。ハーブやアロマにも造詣が深く、NPO法人日本メディカルハーブ協会顧問も務める。著書に『キレイをつくるハーブ習慣』、『病気が消える習慣』(経済界)ほか多数。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部+ノオト イラスト:小林ラン
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