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カサカサに慣れてない?「ドライスキン」の原因とケア

ドライスキンは、皮脂腺が少ない腕、脚、頬などに起こりやすいとされています。放っておくと肌が敏感になったり、アレルギー反応を引き起こしたりすることも。必要なケアをしなければ、肌だけではなく全身にいろいろな影響を及ぼす可能性もあります。ドライスキンは「ただの肌トラブル」と、自己流で対処している人も少なくないはず。この記事では、ドライスキンの状態や原因、ケア方法について解説します。

油分も水分も大切「ドライスキン」とはどんな状態?

ドライスキンとは、乾燥した状態の肌のこと。肌は皮脂膜という油分に覆われていて、水分の蒸発をブロックしています。健康な肌には水分と油分の両方が欠かせず、ドライスキンは、水分だけでなく、油分が不足することが原因で引き起こされることもあります

さらに、ドライスキンになると、肌の表層にある角層の構造が乱れていきます。角層は、肌内部の水分の蒸発を防ぎ、さまざまな刺激が肌の深層まで入り込まないようにするバリア機能があります。そのため、角層の構造が乱れると、水分が蒸発しやすくなりドライスキンは進行。少しの刺激でもヒリヒリしたり、痛みを感じたりする敏感肌の状態になってしまいます。

また、ハウスダストや花粉なども入り込みやすくなるので、アレルギー反応のリスクが高まるとの報告も。ドライスキンを放置すると、肌のコンディションが悪くなるだけではなく、全身に影響を及ぼす場合もありますので、「ただの乾燥」と軽く考えずに早めにケアをしていくことが大切です。

衣類の摩擦も要注意! ドライスキンになりやすい場所は?

肌の水分量や油分量は個人差が大きく、また季節によっても大きく影響を受けるため、「この水分量だとドライスキン」といった明確な定義はありません。自分で肌がカサカサしているな、粉っぽくなっているな、と感じれば、ドライスキンであると考えましょう。

ドライスキンかどうかを判断するには?

肌のコンディションがわかりにくい人は、腕、脚、頬などの左右片方だけに乳液をつけて、つけていない方と比べてみるのがおすすめ。乳液をつけた方だけがモチモチしっとりしてきて、もう片方がカサカサして粉っぽく見えてしまう場合は、ドライスキンの可能性が高いです。

どこがドライスキンになりやすい?

どの部位もドライスキンになる可能性がありますが、やはり注意したいのは皮脂腺が少ないところ。皮脂腺が少ない腕、脚などはドライスキンになりやすい部位です。顔ならば頬や目の周りが、TゾーンやUゾーンに比べてドライスキンになりやすいとされています。また、衣類の摩擦が多い腰なども、実は気にしておきたい部位。摩擦によって必要な油分が落とされてしまうと、肌の水分が蒸発しやすくなるのです。肌に密着しやすいタイトな衣類は、ドライスキンの原因になる場合があるので注意しましょう。

生活環境も重要! ドライスキンになりやすい人

ドライスキンの原因は、「体質」と「環境」に大きく分かれます。次のことに当てはまる人はドライスキンになりやすいので、本格的な乾燥シーズンに入る前から、早めの対策を心がけましょう。

アレルギー体質

アレルギー反応を起こしやすい体質の人は、もともとドライスキンの傾向があります。角層のセラミドや天然保湿因子などが体質的に少なく、バリア機能が弱くなっているため、ハウスダストやダニ、花粉などが皮膚の中に入り込みやすく、アレルギー反応を起こしてしまうのです。アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギー疾患を持っている人、過去になったことがある人は注意しましょう

乾燥しやすい環境

肌は「外の世界に接している臓器」でもあるので、環境によってコンディションが左右されやすいとされています。日頃から、エアコンが効いていて空気が乾燥する部屋に一日中いたり、汗をかきにくい生活をしていたりすると、肌の水分が失われてドライスキンになりやすくなります

間違ったスキンケア

必要な油分まで洗い流してしまうような洗顔や、頻繁な手洗いなどはドライスキンを引き起こします。また、洗顔や入浴によって肌の水分は失われるため、保湿をしないままでいるとドライスキンはどんどん進行。悪化すると痛みやかゆみなどを感じるようになることもあります。

刺激はNG! ドライスキンを和らげるおすすめ習慣

ドライスキンの多くは、日常の習慣を改善することで症状を和らげることができます。すぐに取り組めるおすすめの習慣をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

顔や体はゴシゴシ洗わない! 高温シャワーもNG

顔や体は、よく泡立てた洗顔料やボディソープで優しく包み込むように洗いましょう。ナイロンタオルなどでゴシゴシ擦るのは、肌に傷がついてバリア機能が低下し、必要な油分も流されることにつながるので、ドライスキンになりやすくなります。また、水圧の強いシャワーを直接浴び続けるのも油分を失う原因に。温度は42℃以下にし、かけ湯にした方が肌への負担は少なくなります

保湿を徹底したスキンケア

ドライスキンを予防・改善するには、不足した水分を補うための保湿ケアが大切です。保湿成分がしっかり含まれた化粧水、乳液、クリームなどを使用しましょう。夏はさっぱりと水分が多い化粧水でケア、空気が乾燥しやすい冬はしっとりしたクリームで仕上げる、など季節によってスキンケアを見直すのも大切です。化粧水、乳液など複数のアイテムを同時に使うときは、まず水分が多い化粧水から使い、肌の奥までしっかりと水分を浸透させ、油分の多い乳液などで蓋をしてあげましょう

化粧水などを肌に浸透させるときは、手の平全体で優しく包み込んで、手でパックするようになじませるのがポイントです。擦ったり叩いたりしても水分は肌の奥まで浸透せず、肌に負担をかけるだけなので注意してください。

バランスの良い食事を

肌をつくる材料となるタンパク質やビタミンなどの栄養素をまんべんなく摂りましょう。偏った食事は、肌の新陳代謝が滞り、角層が乱れてドライスキンを引き起こす原因に。栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
また、寒い季節はお鍋がおすすめ。湯気で肌がうるおうだけでなく、野菜、肉、魚など多くの食材を一度に摂ることができます。

生活リズムを整える

生活リズムを整え、たっぷりと睡眠時間を確保しましょう。肌のうるおい成分は、いわゆる「ゴールデンタイム」といわれる22時から2時頃に盛んに分泌される成長ホルモンによって作られています。肌をベストコンディションに保つために十分な睡眠時間を確保してください。

ドライスキンが悪化すると肌に炎症が生じて、病院での治療が必要になることも。そうなる前に、適切なケアをしてドライスキンを予防・改善することが大切です。また、セルフケアだけでは改善しないドライスキンは、自己免疫疾患などの病気が原因で引き起こされている可能性もありますので、早めに皮膚科を受診しましょう。

教えてくれたのは・・・
野村 有子先生
野村皮膚科医院 院長

皮膚科専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科教室に入局。その後、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科に勤務し、アトピー性皮膚炎をはじめとするさまざまな皮膚の病気の診断、治療を行う。
1998年に野村皮膚科医院を開業。2003年現在地に移転し、医院にアレルギー対応モデルルームやアレルギー対応カフェを併設。あらゆる皮膚疾患について丁寧に説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細やかな指導を行っており、パッチテストや血液検査、皮膚組織検査などで病気の原因検索にも力を入れている。
日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科学会・日本研究皮膚科学会・日本香粧品学会・日本皮膚アレルギー学会・日本アレルギー学会・ 日本抗加齢医学会・日本在宅医療連合学会・日本風工学会・神奈川県皮膚科医会・横浜市皮膚科医会に所属。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部+ノオト イラスト:中根ゆたか
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