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ニッチェ江上も秋バテ予備軍?寝不足&肩こりの改善策とは

いつも元気でパワフルな印象がある、お笑いコンビ・ニッチェの江上敬子さん。2020年に長男を出産されてからは、充実した日々をブログやSNSで発信しています。しかし、仕事、家事、育児と忙しい毎日を送るなかで、ついつい自分の健康管理は後回しになってしまうとのこと。

今回は、特集「秋バテ」の原因のひとつでもある「自律神経の乱れ」をはじめとした心身の悩みについて、お話をうかがいました。さらに、専門医へのオンライン相談も実施。そこで語られた、眠れない・肩こり・足のむくみなどのお悩みに対する改善策とは?

江上敬子さん(ニッチェ)

1984年、島根県生まれ。日本映画学校(現 日本映画大学)卒業。2005年、日本映画学校在学中に近藤くみこと知り合い、お笑いコンビ「ニッチェ」を結成。2017年、2018年には『女芸人NO.1決定戦THE W』で2年連続決勝進出を果たす。レギュラー番組はTBS「王様のブランチ」など。2020年9月に第1子を出産。著書に『ニッチェ 江上敬子のダンナやせごはん 胃ぶくろをつかむ、嫁ラクレシピ!』、『ニッチェ江上敬子 ダンナやせごはん かさ増し! レンチン! 缶タン!編』(ともにKADOKAWA)。
オフィシャルブログ:おいしいはなし
Twitter:@keiko__enoue


INDEX
深夜にスマホをいじって眠れない。ニッチェ江上さんの心身の悩みとは
いざ、医師にオンライン相談。「自律神経チェックリスト」で、江上さんの悩みの原因が判明?
手のしびれは、肩こりのサイン? 解消するには、体をほぐす「癖づけ」がカギに
不調があったら、一人で悩まない。周りの人と健康について話し合う大切さ

深夜にスマホをいじって眠れない。ニッチェ江上さんの心身の悩みとは

―体がだるい・疲れが抜けない・眠れない……など、さまざまな症状がある「秋バテ」が今回のテーマなのですが、どんなイメージをお持ちですか?

江上:正直、「秋バテ」って言葉を初めて聞きました。ただ、いわれてみると「夏バテ」はメジャーなので気をつけますけど、「秋バテ」ってあまり意識しないからこそ、私も含め多くの人がなりやすいのかもしれませんね。「夏バテしないように」と気を張っていた疲れが、秋にくることって結構ありそう。

ニッチェの江上敬子さん

―江上さんご自身は、夏から秋にかけて不調を感じることはありますか?

江上:私、就寝前に足がパンパンにむくむんですよ。それこそ、夏から秋がいちばんひどいですね。夫にプレゼントでもらった電動マッサージ機をあてると、痛いと感じるくらい。多分、エアコンによる冷えが血流の悪さにつながっているのかな? あと、最近は子どもをずっと抱っこしているので、おそらくそれも要因のひとつだと思います。

―お子さんをずっと抱っこするのは、結構大変ですよね。

江上:本当にそのとおりで、めっちゃ肩がこります。もう毎日バキバキですよ。極端にいうと、肩が痛すぎて子どもにご飯を食べさせることすら、きつい日もありますね。そういうときは、なるべく肩に負荷がかからないよう、テーブルにできるだけ体重を乗せた状態で食べさせますけど(笑)。

究極に肩がこっていても、子どもにご飯を与えなければならないときの姿勢

―すごい体勢ですね……。仕事や育児で一日を慌ただしく過ごすなか、とくに体の不調や疲れを感じやすいのはどんな瞬間ですか?

江上:やっぱり小さい子どもがいて、なおかつ仕事もしていると日中は毎日慌ただしいので、就寝前に一息ついたタイミングで全身の疲れに気づくことが多いですね。だからこそ、ゆっくり寝たいんですけど、子どもに添い寝していると「寝返りしたときに潰しちゃわないかな……」と怖くなって、寝るに寝られなくて(笑)。それに加えて睡眠中も眠りが浅いから、朝起きたときにぐっすり寝た気がしないのも最近の悩みです。

―眠りが浅くて体がだるくなることも、「秋バテ」の症状のひとつといわれています。江上さんは芸能活動と子育ての両立でお忙しいと思いますが、やはり睡眠時間も短いですか?

江上:私に限らず、仕事と子育てを両立している方は、睡眠時間の確保って結構難しいんじゃないですかね。私の場合、子どもをだいたい夜9時に寝かしつけるので、そのまま一緒に横になるんですけど、夜泣きに対応することを考えて、しばらくは子どもの近くでゴロゴロしながらスマホをいじっています。

私が睡眠体制にちゃんと入るのは夜中の1時。朝ごはんや仕事の準備があるから、起きるのはだいたい朝5時半から6時くらいですね。

ただ、最近はオンラインの麻雀ゲームにハマっていて、就寝前の夜中1時からもやっちゃうんですよ。良くないと思いつつ。負けて終わるのは悔しいので、ずっとやめられない日もあります(笑)。

―ただでさえ、疲れていて睡眠時間が短いのに……。それだと次の日に疲れが残ったり、だるくなったりしないですか?

江上:しますね。わかっていても、誘惑に負けてスマホをつい、いじっちゃいます。麻雀ゲームをせずに寝る努力もしますけど、そうなると「寝なきゃ」って焦って、逆に寝られないんですよ(笑)。

だから、ここ数年は朝起きて「あー、よく寝た!」と思うことが本当にない。起きたらもう体がだるくなっていることが大半です。というか、いつの間にか「秋バテ」とは関係ない悩みになってますよね? すみません(笑)。

いざ、医師にオンライン相談。「自律神経チェックリスト」で、江上さんの悩みの原因が判明?

―いえいえ。江上さんが悩みとして挙げられた「眠れない」「肩こり」「足のむくみ」などは、秋バテの原因となりやすい「自律神経の乱れ」の症状です。今回は、自律神経に詳しい医師の久手堅先生をオンラインでお呼びし、江上さんのそれらのお悩みを踏まえて、対策のアドバイスをしてもらおうと思います。久手堅先生、よろしくお願いします。

久手堅先生:こんにちは。本日はよろしくお願いします。

江上:先生! よろしくお願いします!

久手堅 司先生(せたがや内科・神経内科クリニック院長)。「自律神経失調症外来」などの特殊外来を複数立ち上げ、なかでも温度差による心身の不調にフォーカスした「寒暖差疲労外来」は注目を集めている

久手堅先生:いろいろとお悩みをうかがう前に、このHELiCOで作成した「自律神経チェックリスト」がありますので、ぜひ記入してみてください。自律神経が乱れやすい人をタイプ別で診断するためのシートです。

江上:わかりました。ちょっとドキドキしますが、チェックしますね。

江上さんが記入した「自律神経チェックリスト」
―まず、久手堅先生に質問です。「自律神経チェックリスト」のA・B・Cはそれぞれどんなタイプに分けられるのでしょうか?

久手堅先生:Aは、ストレスを感じやすくて自律神経が乱れるタイプ。人に頼まれたら断れない、完璧にしたがる性格の方が多いです。Bは、生活習慣が乱れがちなタイプ。起床や就寝時間が不規則、あるいは姿勢の悪さからくる呼吸の浅さなどが、自律神経に悪影響している方です。

そしてCは、もともとの体質が影響しやすいタイプ。とくに、ホルモン周期の関係で自律神経が乱れやすい女性は、Cの項目を選択される方が多いですね(※そのほか詳しい解説や対策法などは、HELiCOの別記事『「完璧主義」は自律神経が乱れがち?生活習慣や性格でセルフチェック』で紹介しています)。

江上:私はAの項目が比較的多かったから、ストレスで自律神経が乱れるタイプってことですね。

久手堅先生:そうですね。Aの項目が多い方は、お仕事に対して責任感があったり、人が良かったりするので、多少体調が悪くても頑張ってしまう。自分でも気づかないうちに無理してしまい、自律神経の乱れにつながることもあるかもしれません。また、良くいえば非常に細やかな方、悪くいえば神経質な方が多いです。寝る前にいろいろ考え事をしてしまいがちなので、眠りも浅くなる傾向があります。

江上:あ、まさに眠りの浅さがいちばんの悩みなんです!

なぜ眠りが浅くなる? その原因と深い睡眠に入るコツ

久手堅先生:浅い睡眠のときって、ぼんやりした夢を見ることがよくありますよね。夢は、実際の出来事をもとに脳が記憶を再生しているので、嫌なことや心配事に関連する夢だと、日中のストレスを睡眠中にまた感じることになります。そうなると、ちゃんと寝た気がしないし、心身もだるくなる。本来、睡眠で疲れをリセットするはずが、むしろ、浅い睡眠がだるさのきっかけをつくっているんです。

江上:うわ、たしかに思い当たる節がめっちゃあります。深い眠りにつくには、どうすれば良いんですか?

久手堅先生:寝始めに「深い睡眠」に入れるかが肝心です。初めの深い眠りから90~120分の間隔で浅くなる周期を何度か繰り返し、朝方にかけて徐々に起きるモードになっていきます。目安としては、最初の睡眠から約2時間をしっかり眠ることができていれば、体調は回復していくはず。就寝前に電気を消して、寝っ転がりながらスマホをいじる方が最近いますが、その行為は深い睡眠に入りにくくする原因のひとつなので絶対に良くないです。

江上:先生! それ、私のことです(笑)。スマホゲームでオンライン麻雀しながらゴロゴロしています。とくに、深夜だと対戦相手もたくさん見つかるから、みんなも夜更かししているんだなと安心して、つい……。

久手堅先生:眠りが浅い要因のひとつかもしれませんね。「自律神経」というのは、やっぱり本来の規則正しい生活が好きなんですよ。しっかり朝の日の光を浴びてから日中に活動して、夜は早めに体を休めて眠る。そのサイクルが心身にとってはベストです。

江上さんの場合、お子さんもいらっしゃるので、朝は早いですし日中のお仕事も活発だと思うので、就寝前にスマホの使用を控えてちゃんと寝たら、疲れが取れると思いますよ。

江上:でもね、先生。コロナ禍でどこにも遊びに行けないし、誰とも会ってないし、もはや麻雀ゲーム以外に楽しみがないんですよ。子どもを早めに寝かしつけるために、夜9時になったらテレビも電気も全部消しています。そうなると、本当に麻雀ゲームぐらいしか楽しみがありません。

久手堅先生:そう言われてしまうと、やめてくださいとは言えませんね……(笑)。では、「布団は寝る場所」と決めるのはどうでしょうか。夜9時に子どもを寝かしつけたら、そのまま布団でゴロゴロせずに、夜泣きが聞こえる隣の部屋で深夜0時までスマホゲームをする。時間になったらその部屋にスマホを置いて布団で寝る。

そうしたルーティンを繰り返し、「布団は寝る場所」と体が覚えたら、最初から深い眠りが可能になるかもしれません。起床が朝6時だったとしても6時間は睡眠できるので、いまよりは疲れも取れるはずです。

江上:なるほど! スマホゲームをやるなら、テーブルに座ってやろうということですね。体の疲れを取るために子どもと横になっていたんですけど、スマホをいじりながらだと良くないのか。勉強になります!

手のしびれは、肩こりのサイン? 解消するには、体をほぐす「癖づけ」がカギに

―江上さんは夏から秋にかけて、足がむくんで痛くなるのも悩みとおっしゃっていましたね。

江上:そうなんです。寝る前や朝起きたときに足がむくんでいることが多くて。

久手堅先生:夏から秋にかけていうと、水分のとりすぎやエアコンの長時間使用がむくみの原因になることもあります。エアコンによってずっと涼しい部屋で過ごしていると、体温を調節する発汗の自律神経の働きが鈍くなり、水分代謝が低下してむくみやすくなる。よって、水をたくさん飲むと余計にむくんでしまうんです。

また、座っている状態でも足のほうに血流がいくので、ただでさえ足はむくみやすい。ですから、一日の疲れをとる意味でも、寝る前に足全体を軽くマッサージするのがおすすめです。

江上:夏から秋は、水もガブ飲みですし、エアコンもガンガンです。先生のお話をうかがうと、むくんで当然ですね……(笑)。

江上:あと、腕から手にかけてしびれがあったりするのも気になります。首を回すと肩が突っ張るような痛みもありますし。手のしびれは、なにか原因がありそうですか?

久手堅先生:感覚神経が首から手にかけて同期しているので、直接的に手が原因ではなく、首や肩に問題があるケースが考えられます。人によっては、頚椎が圧迫されて手がしびれることもあるんですが、その場合はしびれがずっと続くので、整形外科に行くことをおすすめします。そうではなく、たまに手がしびれるという方の大半は、肩こりが原因ですね。

江上:いま、まさに人生で史上最大に肩がこってます。毎朝起きると、本当に痛くてがっかりするんですよ。今日もこの状態で過ごすのかって。

久手堅先生:自分で肩や腕をマッサージすると良いですよ。たとえば、お風呂に入ったときに肩、腕、脇の下などを洗うじゃないですか。そのときに、首・肩・脇・腕・手を軽くほぐしながら洗うと効果的です。

もちろん、お風呂で体を洗うとき以外でも良いのですが、おすすめなのは「体をほぐす癖」をつけてしまうことです。頑張ってやろうとするとなかなか大変なので、つい癖で体をほぐしてしまうくらい無意識的にできるのが理想。最初は意識的かもしれませんが、継続して慣れてくると癖になってくる。そうなれば、おのずと体が不調な日も減っていくと思いますよ。

江上:なるほど! 習慣づけて癖にしてしまえば良いのか。あくまで無理せず、自分の体をねぎらうことが大事なんですね。とっても参考になりました。先生! 今日はありがとうございました!

久手堅先生:こちらこそ、ありがとうございました。

不調があったら、一人で悩まない。周りの人と健康について話し合う大切さ

―先生にいろいろなアドバイスをもらっていましたが、なにがいちばん印象に残りましたか?

江上:やっぱり睡眠の改善についてですね。いままでは、どんな状態でも、横になる時間が長ければ疲れがとれると思っていたんですけど、間違いだったと学びました。横になってもどうせスマホをいじるなら、寝っ転がらずに起きていじる。今後は極力、寝室にスマホは持っていかず、「布団は寝る場所」と心と体に認識させて睡眠の質を上げたいです。

―足のむくみや肩こりの面でも、改善策をうかがえましたね。実践しようと思ったものはありますか?

江上:お風呂で体を洗いながら軽くほぐすくらいなら、毎日できそうだなと思いました。マッサージって、しっかり誰かにやってもらわなきゃ効果がないと勝手に思い込んでいたので、目から鱗でしたね。自分で簡単に取り入れられそうな体に良いことをちょっとずつ増やして、癖をつけていこうと思いました。

―最後に、江上さんのように仕事・家事・育児と、忙しい毎日を送られている方に向けて、今日学んだことで伝えたいことがあれば教えてください。

江上:やっぱり一人で悩まず、医師に相談したり、健康について誰かと話し合ったりするのは大事だと思います。一人で抱えていると「多分、これが原因なんだな」と自分で勝手に解釈しちゃうけど、本当は別の原因があるかもしれない。実際、さっき先生に体の悩みを聞いてもらって、私の予想と全然違うこともあったので。

今日、私は新たな健康情報を知ったわけですが、それを周りの仲間にシェアすることも大切ですよね。私も歳を重ねるごとに相方や同世代の芸人仲間と、普段から健康の話をする機会が増えてきたので、早速教えてあげようと思います!

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 写真:佐藤 翔 スタイリング:程嶋 由美 ヘアメイク:砺波 喜子
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