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夏から秋にかけて起こりやすい「寒暖差疲労」とは?

気温差の大きい夏から秋にかけて特に起こりやすいのが「寒暖差疲労」。誰にでも起こりうるものである一方、普段の生活のなかで少し気をつけるだけで予防あるいは軽減することもできます。さまざまな工夫を行いながら、寒暖差疲労にならない生活習慣を目指しましょう。

INDEX
気温差(寒暖差)がきっかけで秋バテに…
「寒暖差疲労」とは?
寒暖差疲労にならない工夫を!

気温差(寒暖差)がきっかけで秋バテに…

夏の終わりから秋にかけて、なんとなく体がだるくて疲れが抜けなかったり、食欲がなくなったりといった不調を感じたことはありませんか? その不調は、体が気温差に対応しきれずに起こる「秋バテ」の症状かもしれません。

気温差の種類は、主に3つに分けることができます。まずは「(同じ日の)朝と晩の気温の差」、次に「前日との気温の差」、そして3つ目が「室内外の気温の差」です。季節の変わり目のなかでも、特に夏から秋にかけてはこれら3つの差が大きくなることが多いのです。

「寒暖差疲労」とは?

そもそも、「寒暖差疲労」とはいったい何なのでしょうか。人間の体には、体内を一定の状態に保とうとする機能があります。しかし、それは簡単ではなく、体は多くのエネルギーを消費します。寒暖差疲労は、「気温差(寒暖差)が5~7℃以上となるような環境にいる時間が長くなることでエネルギー消費が激しくなり、疲労が蓄積してしまった状態」を指します。夏は室内外(冷房の効いている室内と屋外の暑さ)の温度差が大きく、秋は朝晩や前日との気温の差が大きいため、特に注意が必要となります。

寒暖差疲労にならない工夫を!

寒暖差疲労を防ぐために必要なのは、ズバリ「気温の差を調整できるような工夫を取り入れる」こと。日々の生活のなかで上手に工夫をしながら、寒暖差疲労対策をしましょう。

工夫その1:暑くても長袖を常備

夏場はお店や乗り物などの室内が冷房で冷えきっていることが多いので要注意。直接エアコンの風に当たると体の熱がどんどん奪われていくので、長袖の上着などを一枚持っていると安心です。自分が温度調節をしやすく、着ていて心地の良いアイテムを常備しましょう。

温めないといけないからと厚手の上着をはおるのは、のぼせてしまう原因となるのでNG。いまはコロナ禍で日常的にマスクを着用しており、すでに体内に熱がこもりやすい状態になっているため、とくに注意が必要です。

素材は時期にもよりますが、日差しが強いときはUV効果のあるものを。あとはシャツでもカーディガンでもストールでも、自分のライフスタイルに取り入れやすいアイテムでOKです。

工夫その2:室温コントロールを意識する

暑い時期はエアコンを使用しないわけにはいきませんが、その使い方には気をつけたほうがいいでしょう。最近の家電はとても進化しており、人感センサーやAIによって直接人に風を当てないようにする機能や、壁や天井にそって風を出す機能、温度を上げたり下げたりしなくても勝手に調整してくれる「自動運転」など、使える機能はフル活用したいところ。

また、現在は感染対策で窓などを開放することも多いので、エアコンの温度を下げたり風量を強めに設定したりすることも。そんなときは、足元に冷気がたまりすぎないように、扇風機やエアコンの「送風」機能を上手に使いましょう。

意外と知られていませんが、「送風」は扇風機と同等の機能で、電気代が抑えられるなどメリットも多い。また、最新エアコンではなくとも、エアコンの風向きを人のいないところに向けるなど、工夫できることはいろいろあります。

工夫その3:できるだけ湯船に浸かる

冷えを感じると、体にとって重要な部分(体幹や頭など)の熱を守るために四肢末端が冷えてきます。それを調整しようと寒暖差疲労が起こりますので、夏場でもぜひ湯船に浸かることをおすすめします。40度くらいのお湯に首まで浸かることで(10分くらい)深部体温が上がるだけでなく、体温が下がりはじめる90~120分後くらいが眠るのによいタイミングといわれています。体を温めるほか、睡眠の質を上げるためにも効果的です。

最近は、温熱効果や炭酸ガスによる血行促進効果、保湿効果、清涼成分等により冷感や爽快感を付与するクールタイプまで、さまざまな機能性入浴剤があります。また、好きな香りで癒やされれば、お風呂がリラックスタイムに! 10分程度は首まで浸かりましょう。

このほか、体を温める食材を積極的に摂るなど、いわゆる「温活」といわれる工夫や生活習慣を、自分のライフスタイルに合わせて取り入れてみるといいでしょう。ただし、ポイントは「やりすぎない」こと。気に入ったモノ・コトが1つあれば、体も気持ちも楽になります。100点を目指してがんばりすぎると、精神的な負担によって自律神経が乱れてしまう原因となり、本末転倒ですのでご注意を。

本記事でご紹介したほかにも、季節を問わず自律神経が乱れやすくなる要因があります。自分は自律神経が乱れやすいタイプかどうか気になる方は、以下の記事もチェックしてください。
→あわせて読む『「完璧主義」は自律神経が乱れがち?生活習慣や性格でセルフチェック』

教えてくれたのは・・・
久手堅 司先生
せたがや内科・神経内科クリニック院長

総合内科/神経内科/頭痛/脳卒中専門医。1996年北九州大学法学部卒業、2003年東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター大森病院等を経て、2013年せたがや内科・神経内科クリニック開業。「自律神経失調症外来」「気象病・天気病外来」「肩こり・首こり外来」など複数の特殊外来を立ち上げ、多くの患者のニーズに応えている。著書に『最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方』(クロスメディア・パブリッシング)、監修本に『面白いほどわかる自律神経の新常識』(宝島社)など。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:くぼあやこ

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