みなさんは、病院や薬局へ行くとき、おくすり手帳を携帯する習慣はありますか? おくすり手帳を持っていても、普段病院を受診する機会が少なく、どこかにしまい込んでいたり、体調不良などで急に病院へ行ったりするときには、ついついおくすり手帳を忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。
おくすり手帳は、処方薬の情報が書かれたシールを薬局の薬剤師が貼るためのもの、というイメージがあるかもしれませんが、おくすり手帳の役割はそれだけではありません。患者さんと医師、薬剤師、看護師や、ときには救急隊員などともつなぐ重要な役割を担っています。
“知っているようで知らない”薬に関する基礎知識や、薬との上手な付き合い方についてお伝えする、本シリーズ。第5回目は、おくすり手帳を使うメリットと活用法についてわかりやすく解説します。
- 教えてくれるのは・・・
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- 笠原 志乃さん
- 株式会社アイセイ薬局 薬剤師 アイセイ薬局東十条店
研修認定薬剤師/スポーツファーマシスト
患者さんのお話を親身になってお聞きすること、患者さんとの信頼関係を築くことを大切にしている。
また、おくすり手帳に市販薬や健康食品の使用状況をメモしておくことも、活用のポイントです。
おくすり手帳は、病院を受診するときだけではなく、外出時もつねに持ち歩くと、旅先で急に体調を崩して受診するときなどに役立ちます。
知っておきたい、おくすり手帳の上手な活用法
おくすり手帳は薬の記録に加えて、どのように活用するとよいのでしょうか。
子どもの場合は、体重によって処方する薬の量が変わります。病院や薬局で体重を聞かれたときにすぐ答えられるよう、おくすり手帳にこまめに記録しておきましょう。
紙と電子、それぞれのおくすり手帳のいいところは?
最近では、紙のおくすり手帳と同様に、スマートフォンでの電子おくすり手帳の活用も広がってきました。紙と電子、それぞれどんなところが利点なのでしょうか。
電子おくすり手帳はスマートフォン内で、処方薬の情報を記録していきます。スマートフォンはつねに携帯して外出することが多いため、自宅に忘れてしまう心配は少ないでしょう。また、紙のおくすり手帳のようにかさばることはありません。このほか、電子おくすり手帳にはどんな特徴があるのでしょうか。
もらったその場で使える紙のおくすり手帳とは違い、電子おくすり手帳は、使い始めるときに登録手続きが必要となるため、面倒に感じることもあるかもしれません。活用する方は増えていますが、電子おくすり手帳に対応していない薬局もあるので注意しましょう。
紙と電子のどちらが便利かについては、生活パターンや好みなど、人によって異なります。それぞれの特徴を理解したうえで選ぶとよいでしょう。
おくすり手帳を上手に活用すれば、適切に薬を処方できるだけではなく、健康管理にも役立ちます。
おくすり手帳については、下記のページでも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
- おしえて薬剤師さん!第2回「おくすり手帳」
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この番組は、身近にあるけどいまいちよく分からない薬局の機能やサービスについて、お笑い芸人三拍子の二人が実際の薬剤師さんにアレコレ聞いて教えてもらう、おもしろくってタメになるHELiCOオリジナルの番組です。第2回のテーマは「おくすり手帳」。https://helico.life/feature/pharmacist-tellme02/