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梅雨の頭痛を解消。スキマ時間におすすめのツボ5選

梅雨の時期はジメジメして、なんだか気持ちもどんより。気圧の変化により、「頭が痛い」「頭がずーんと重い」といった症状に悩まされている人も少なくないでしょう。今回は、そんな症状がつらいとき、改善が期待できるツボをご紹介します。薬を持ち合わせていないときでも、手軽にできるツボ押しで、頭痛が和らいだらうれしいですよね。

梅雨の頭痛に効果的なツボの刺激方法を、注意点とともに詳しく解説します。

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天気の変化が体調に影響する「気象病」とは?

天気の変化が体調に現れやすい人は、梅雨の時期に頭痛を発症しがち。このような、気象の変化に悪影響を受ける病気のことを「気象病」と呼び、その症状は、慢性痛・喘息・めまい・脳卒中・認知症など多岐にわたります。

気象病のなかでも、気温や気圧の変化に特に敏感なのが、慢性痛の諸症状。慢性痛と一口にいっても、関節リウマチ、片頭痛、頚椎症、腰痛や古傷など、痛む場所は人それぞれ。共通していえるのは、低気圧の接近などがストレスとなって、交感神経が過敏になった結果、慢性痛の症状が梅雨の時期に現れているということです。

水が体にたまる「水毒」はどんな症状?

では、東洋医学において、梅雨の頭痛はどのように考えればよいのでしょうか。

東洋医学では、生命活動を営むエネルギーである「気」、全身に栄養を与える血液を指す「血(けつ)」、リンパ液や汗などの血液以外の成分「水(すい)」が、体のなかをよどみなく巡っている状態を「健康」であると考えます。

「水」が全身を巡って排泄される過程において、どの部分で問題が起こっても水分代謝のバランスは崩れてしまいます。特に、水分がうまく発散されずに体内に滞ってしまうことを「水毒」といいます。水毒は、いわば「体内に水分が余っている状態」。余分な水分が足のほうに偏れば「むくみ」となり、頭のほうに偏れば「頭痛」となります。梅雨の頭痛は、典型的な水毒による症状のひとつといえるでしょう。

そのため、水毒に対してアプローチができるツボを刺激すると、頭痛の症状が楽になるはず。具体的な刺激の方法と、ツボの場所について、解説します。

ツボ刺激のやり方は?

ツボ刺激は、「ツボを軽く押して、離す」という刺激を5回程度、繰り返します。1回の刺激につき、3~5秒程度が目安です。

注意点は、押すときに指の腹を用いること。皮膚を傷つけてしまうので、爪を立てないようにしましょう。また、あまり強く押しすぎたり、ツボ押しの回数が多くなりすぎたりすると、かえって症状が悪化してしまうかもしれません。気持ちがよい範囲にとどめることも大切です。

ツボ押しはいつでも、どこでも行うことができます。「頭がちょっと重いな……」と思ったときに、実践してみてください。

梅雨時の頭痛に効くツボ5選

梅雨の頭痛に対して効果を発揮する5つのツボを解説します。イラストでポイントを確認しながら、「押すと痛いけれど、気持ちよい」場所を探してみましょう。

ツボ①:体のなかの水を処理する「水分」

「水分(すいぶん)」はへその下にあるツボです。身体の真ん中をとおる「正中線」上で、へそから親指幅1本分ほど上に位置します。

「水を分ける」の文字どおり、胃腸から水はけを改善し、体のなかの水を処理してくれるツボです。下痢にも有効とされています。

ツボ②:胃腸機能を高める「陰陵泉」

「陰陵泉(いんりょうせん)」は、膝のあたりにあるツボです。ふくらはぎの内側から膝のほうへ上がっていくと、膝関節の下あたりにへこんだ部分があるので、探してみてください。

陰陵泉は「脾経(ひけい)」という経絡に属しており、胃腸の機能を高める役割が。水の巡りを良くするので、むくみのある方にもおすすめのツボです。

ツボ③:体の濁った水分を取り除く「豊隆」

すねのあたりにあるのが、「豊隆(ほうりゅう)」。すねの少し外側で、膝と足首のちょうど真ん中あたりに位置しています。

豊隆は、体に溜まっている濁った水分を取り除くことができることでもよく知られているツボです。

ツボ④:めまいや吐き気が伴う頭痛には「内関」

「内関(ないかん)」は、手首の内側にあるツボで、手首のしわの中央から指3本分、ひじに向かったところに位置しています。

頭痛がひどくなって、めまいや吐き気を伴ったときにも、内関のツボを押すと効果的です。代謝を良くしてくれるので、乗り物酔いなどにも即効性があるツボとして、セルフケアでは重宝されています。

ツボ⑤:頭痛全般に効く「太陽」

こめかみの部分にあるのが、「太陽(たいよう)」というツボです。眉毛と目じりの間から、親指幅1本分うしろにいった場所に位置します。ややくぼんでいるところを探してみてください。

太陽は、水毒が原因の頭痛に限らず、頭痛全般に効果的。頭が重いときに、指を回すようにアプローチしてみましょう。眼精疲労にもおすすめのツボです。ただし、強い片頭痛があるときは、やりすぎないように注意してください。

梅雨の頭痛におすすめの養生法

水毒は、「体内の水分が過剰になっている状態」。そんなときは、「水分を摂って出す」ことが大切です。しっかり水分補給をしたあと、汗や尿などで排出しましょう。

おすすめは、入浴や軽い運動。ウォーキングやストレッチをして汗をかき、過剰な水分を体外に出すことで、水毒の症状改善が期待できます。

また、効果的なセルフケアとして、お灸もおすすめ。「今日の天気は、体調を崩しそうな予感がするな」と思ったときは、予防的にツボを刺激したり、市販のセルフ灸でツボにアプローチしたりしてみてください。

体がすっきりすれば、憂鬱な梅雨も快適に過ごせそうです。「あれ?」と思ったら、なるべく早めに、ご紹介した5つのツボ刺激を試してみてくださいね。

教えてくれたのは…
髙田 久実子先生
こどもと女性のためのめぐり鍼灸院 院長

鍼灸師、全日本鍼灸学会認定鍼灸師、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。25年以上東京女子医科大学東洋医学研究所鍼灸臨床施設に勤務(現在は非常勤)、2019年に千葉県松戸市で「こどもと女性のためのめぐり鍼灸院」開院。現代医学と東洋医学の観点から患者さんに適した施術を行う。痛みやコリだけでなく女性のライフステージに合わせた施術や小児はり、顔面神経麻痺の鍼治療にも力をいれている。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:Akira Ayumi
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