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骨粗しょう症予防!今泉久美さん「骨を育てるレシピ」

骨がもろくなり、骨折のリスクが高まる「骨粗しょう症」。「自分にはまだまだ先のこと」と思っていたら大間違い。年齢を重ねたときにつらい思いをしないためには、若いうちから「骨を育てる」意識を持ち、日々の食事に気をつけることが大切です。

「骨を育てる食事」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのがカルシウム。たしかにとても重要な栄養素ですが、それだけでは丈夫な骨を保つことはできません。ではいったいどのような食事を摂ればいいのでしょうか。骨を育てる食生活を自ら実践している、料理研究家の今泉久美さんに教えていただきました。

教えてくれるのは・・・
今泉久美さん
料理研究家・栄養士

商品開発、レシピ開発、テレビ、雑誌、料理本、全国各地での料理教室、講演会などで活躍。女子栄養大学栄養クリニックの特別講師として、生活習慣病予防・改善のための料理指導も行う。『いくつになっても「骨」は育つ!』(文化出版局)など、著書多数。

INDEX
カルシウムだけじゃない! 骨を育てる食生活とは?
レシピ①:だしいらずで簡単「厚揚げと菜の花のじゃこだしみそ汁」
レシピ②:細切り高野豆腐で食感UP!「牛肉のオイスターソース炒め」
レシピ③:マカロニをじゃがいもにチェンジ。「えびとたけのこのクリームグラタン」
さまざまな食材を摂ることが、骨を育てる近道

カルシウムだけじゃない! 骨を育てる食生活とは?

骨を健やかに保つためには、カルシウム以外にもさまざまな栄養素を摂る必要があります。カルシウムは腸からの吸収率が低く、食べたぶんがすべて骨をつくるために使われるわけではありません。そこで役立つのがビタミンD。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を高め、丈夫な骨づくりをサポートしてくれます

さらに、吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助けるビタミンK、骨の形成を手伝うマグネシウムも、なくてはならない栄養素。骨はタンパク質の一種であるコラーゲンが土台となってできているため、タンパク質が不足しない食事を心がけたうえで、コラーゲンの生成を助けるビタミンCを摂取することも大切です。

これらの栄養素を摂るためには、具体的にどのような食生活を実践すればよいのでしょうか。

「カルシウムを含む食材はもちろん、多種類の食材をバランスよく摂り、塩分を控え、カルシウムの吸収をより高める食べ方を心がけることが大切です。難しく考える必要はありません。まずは1日3食をきちんと摂ることから始めましょう」(今泉さん)。

「自分が食べたもので体はできているので、日々の食事をおろそかにしないで」と今泉さん

今泉さんは、下記のような食事ルールを日々実践しているそう。

・魚介や小魚を1日1回摂る
・タンパク質食材(特に大豆加工品)を積極的に摂る
・野菜(特に青菜)を3食たっぷり摂る
・乳製品を1日1~2回摂る
・乾物を活用する

「私は3食のうち2食はご飯(米)を主食にした献立にして、主菜と副菜、塩分を控えた汁物を組み合わせています。忙しいと単品料理で済ませがちですが、献立にすれば多くの食品を無理なく食べることができます。ぜひ骨を意識した食生活を心がけ、今回ご紹介する3品を食卓に取り入れてみてください」(今泉さん)。

レシピ①:だしいらずで簡単「厚揚げと菜の花のじゃこだしみそ汁」

材料(2人分)

  • 厚揚げ(木綿) 1/2枚(約100g)
  • 菜の花 1/4束(50g)
  • 新玉ねぎ 小1/2個(80g)
  • 水 1と1/2カップ
  • ちりめんじゃこ 大さじ1
  • みそ 大さじ1~1強
  • 粉山椒 お好みで少々
  • 栄養価(1人分)

    エネルギー 116kcal
    カルシウム 190mg
    塩分 1.4g

    ※30~49歳女性のカルシウム推奨量は1日あたり650mg、成人女性の塩分摂取目標量は1日あたり6.5g未満です(参考:日本人の食事摂取基準(2020年版))

    骨を育てる食材のポイント 

    厚揚げタンパク質カルシウムが豊富で、骨づくりを助けるマグネシウムも含む。
    菜の花:骨の土台となるコラーゲンの合成を助けるビタミンCが豊富で、カルシウムビタミンKも含む。
    ちりめんじゃこ:骨の主成分となるカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDが豊富。

今泉さん

みそ汁の具材に、タンパク質やカルシウムを含む大豆加工品や、青菜などの野菜をたっぷり入れると、骨づくりに必要な栄養素を効率よく摂ることができます。つくり方は、分量の水でちりめんじゃこと具材を煮て、みそを溶くだけ。だしいらずで簡単なうえに、素材のおいしさも生かすことができますよ。

つくり方

1.厚揚げはざるにのせ、熱湯を回しかけて油抜きをし、縦半分に切ってから1㎝の厚さに切る。菜の花は根元をしばらく水につけてシャキッとさせ、2~3㎝幅に切る。新玉ねぎは1㎝幅のくし形切りにする。

菜の花の茎が太い場合は、縦半分に切る
今泉さん

具材は、その時期に手に入りやすいものを組み合わせて。菜の花の代わりに、小松菜やチンゲン菜(青梗菜)などの青菜を使ってもおいしくできますよ。

2.小鍋に水とちりめんじゃこ、厚揚げ、新玉ねぎを入れて中火にかけ、煮立ったらアクを取り除く。

ちりめんじゃこから出るアクを取ると、すっきりした味わいに

3.菜の花を加え、蓋をして菜の花がしんなりとなるまで2分ほど煮る。みそを溶き入れ、再び煮立ってきたら火を止めて器に盛り、好みで粉山椒をふる。

今泉さん

塩分の摂りすぎはカルシウムの吸収を阻害するので、みその分量は控えめに。仕上げに粉山椒をふると、さわやかな香りがふわっと広がって、薄味でもおいしくいただけますよ

レシピ②:細切り高野豆腐で食感UP!「牛肉のオイスターソース炒め」

材料(2人分)

  • 高野豆腐(乾燥)1枚
  • 片栗粉 小さじ1
  • きくらげ(戻したもの)大4枚(30g)
  • グリーンアスパラガス 4本
  • 赤パプリカ 1/4個
  • ねぎ 1/2本
  • 牛肉(赤身/焼き肉用) 100g
  • サラダ油 大さじ1強
  • にんにくのみじん切り 少々

<A>

  • しょうゆ・酒・片栗粉 各小さじ1/2

<B>※混ぜ合わせておく

  • オイスターソース・酒・水 各大さじ1
  • 酢 小さじ1/2
  • 粗びき黒こしょう・塩・砂糖 各ごく少々

栄養価(1人分)

エネルギー 242kcal
カルシウム 82mg
塩分 1.6g

骨を育てる食材のポイント

高野豆腐:豆腐の栄養が凝縮されている。骨のもととなるカルシウムタンパク質が豊富。
牛肉:赤身肉は脂質が少ないため、骨づくりに欠かせないタンパク質を効率よく摂れる。
きくらげ:カルシウムの吸収力を高めるビタミンDを多く含む。
赤パプリカ:コラーゲンの生成をサポートするビタミンCが豊富。

今泉さん

タンパク質が多く含まれる高野豆腐や牛肉と一緒に、季節の野菜を炒めれば、骨を育てるのに役立つ栄養素を無理なく摂ることができます。高野豆腐は丈夫な骨づくりのために取り入れたい食材のひとつ煮物にすることが多いかもしれませんが、チンジャオロースーのような中華の炒め物に加えるのもおすすめです。乾物なので、ストックできるのも魅力ですね。

つくり方

1.高野豆腐は60℃の湯につけて戻す。水けを絞り、厚みを半分に切ってから5㎜幅の棒状に切り、片栗粉をまぶす。

片栗粉をまぶすと、表面がカリッとした食感になり、調味料がよくからむ

2.きくらげは太めの細切りにする。アスパラガスは根元の硬い部分を3㎝ほど切り、ピーラーで下から1/3程度皮をむき、1㎝幅の斜め切りにする。パプリカは斜め薄切りにする。ねぎは縦半分に切ってから斜め薄切りにする。牛肉は5㎜幅の棒状に切り、A(しょうゆ・酒・片栗粉)を順にからめる。

今泉さん

具材は、それぞれ大きさがそろうように切るのがポイント。調味料がまんべんなくなじみ、食べやすさがアップしますよ。野菜は冷蔵庫に残っているものでOK。高野豆腐は厚揚げに、きくらげをまいたけに、パプリカをゴーヤーに代えたりするなど、お好みでアレンジしてみてください。

3.フライパンにサラダ油を中火で熱し、1を広げて入れて返しながら焼く。表面がカリッとしたら片側に寄せ、空いたところに2の牛肉を加えてほぐしながら炒める。

高野豆腐はくっつきやすいので、つねにほぐしながら炒める

4.肉にほぼ火が通ったら、にんにく、ねぎを加えて炒め合わせる。アスパラガス、パプリカ、きくらげを加えてさっと炒め、蓋をして1分30秒ほど蒸し焼きにする。

蓋をして蒸し焼きにすると、野菜に早く火が通り、牛肉が固くならない

5.アスパラガスに火が通ったら、混ぜ合わせたBを加える。強めの中火で水けがなくなるまで炒め、器に盛る。

レシピ③:マカロニをじゃがいもにチェンジ。「えびとたけのこのクリームグラタン」

材料(2人分)

  • えび(無頭殻つき) 小12尾(正味120g)
  • 片栗粉 少量
  • 玉ねぎ 1/4個
  • じゃがいも 1個
  • 新たけのこ(ゆでたもの) 100g
  • ブロッコリー 80g
  • オリーブ油・小麦粉 各大さじ1と1/2
  • 牛乳 1と1/2カップ
  • コンソメスープの素(チキン/固形) 1/2個
  • ローリエ 1枚
  • ピザ用チーズ 40g

<A>

  • 塩・酒(あれば白ワイン)・こしょう 各少々

<B>

  • 塩・こしょう 各少々
  • あれば白ワイン 大さじ2

栄養価(1人分)

エネルギー 412kcal
カルシウム 390mg
塩分 1.9g

骨を育てる食材のポイント 

牛乳タンパク質カルシウムが豊富で、カルシウムを含むほかの食品に比べて、体への吸収率が高い。
チーズタンパク質カルシウムが豊富だが、脂質と塩分が多いので摂りすぎないようにする。
じゃがいも:コラーゲンの合成を助けるビタミンCが豊富で、加熱しても壊れにくい。
ブロッコリービタミンKビタミンCマグネシウムなどが骨づくりをサポート。

今泉さん

カルシウムを効率よく吸収できる牛乳を使ったグラタンは、骨を育てる食事にぴったり。ホワイトソースをつくらないグラタンなので、そのぶん手軽なのもポイント。マカロニの代わりにじゃがいもを入れると、ボリュームが出るだけでなく、ビタミンCも摂れます

つくり方

1.えびは殻をむいて尾を取り、切り込みを入れて背わたを取る。片栗粉をまぶしてもんでから、水で洗って水けを拭き、A(塩・酒・こしょう)をからめる。

2.玉ねぎは縦薄切りにする。じゃがいもは皮をむいて細切りにする。たけのこは根元の部分は薄い半月切りに、穂先の部分は縦半分に切ってから縦に薄切りにする。ブロッコリーは小房に切り分け、熱湯で固めにゆでる。

今泉さん

えびの代わりに、たらや鮭などの切り身魚やボイルほたて、鶏肉を使ってもおいしいですよ。野菜は旬のものを使って、その時期ならではのおいしさを楽しみましょう。新たけのこが手に入らなければ、きのこで代用してみてください。

3.フライパンにオリーブ油を中火で熱し、玉ねぎ、じゃがいもを順に加えて炒める。じゃがいもが透き通ってきたら、たけのこを加えて炒め、油が回ったらエビを加えてさらに炒める。エビの色が変わったら小麦粉をふり入れて炒める。

小麦粉をふり入れたら、粉っぽさがなくなるまで炒める

4.粉がなじんだら牛乳を注ぐ。スープの素を指でくずし入れ、ローリエを加えて木べらで混ぜながら煮る。煮立ったら弱火にし、じゃがいもに火が通るまで2分ほど煮てB(塩・こしょう・あれば白ワイン)を加える。

ダマにならないように、ゆっくりと混ぜながら煮てとろみをつける

5.グラタン皿に、ローリエを除いて4を入れてブロッコリーをのせ、チーズをふる。オーブントースターで表面に焼き色がつくまで5~7分ほど焼く。

ピザ用チーズは1人20gを目安にのせ、脂質と塩分を控えめに。カロリー、塩分を控える場合は、1人15gにしてもよい

さまざまな食材を摂ることが、骨を育てる近道

今回ご紹介した3品は、素材の持ち味を生かしたやさしい味わいで、まさに体が喜ぶレシピ。さまざまな食材を使っていますが、どれもスーパーで手に入れることができます。また、冷蔵庫に残っている野菜でも自在にアレンジが可能です。

丈夫な骨づくりのためには食事以外にも、「運動で骨に負荷をかける」「日光を浴びて体内でビタミンDをつくる」といった習慣も大切。未来の骨を育てるのは自分次第。コツコツ続けて丈夫な骨をつくりましょう。

「骨粗しょう症」については下記ページで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

すべての女性が気をつけたい「骨粗しょう症」
「骨粗しょう症」という病名は聞いたことがあるけれど、高齢者の病気だろうし自分にはまだ関係ない。そう思っている人は多いのではないでしょうか。重篤な病気ではないととらえている人もいるかもしれませんが、骨粗しょう症による骨折が引き金となって寝たきりになったり、骨折を繰り返したりすることもあり、健康への影響はかなりのもの。また、骨量や骨密度は女性ホルモンの影響を大きく受けるため、とくに40代以降の女性は気をつけたい病気です。

骨粗しょう症予防は、症状が出る前からの対策がなによりも重要です。正しい知識を身につけて、生涯自分の足で歩ける丈夫な体づくりを目指しましょう。
https://helico.life/monthly/230304bonemuscle-osteoporosis/
CREDIT
取材・文:川端浩湖 写真:藤原葉子 編集:HELiCO編集部+ノオト
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