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体の硬さは改善できる?オガトレさんストレッチ体験レポ

こんにちは。ライターの井口エリです。物心ついたころから体が硬かった筆者。過去に何度もストレッチやエクササイズを始めてみるものの、毎回いつのまにかやらなくなっていました。そんな筆者がストレッチ系Youtuberのオガトレさんに、体が硬い人でもできるストレッチを伝授していただき、HELiCO編集部のメンバーとともに1か月間実践してみました。

実際に1か月続けたうえで感じたストレッチを行うメリットをはじめ、気軽にできるストレッチの方法、実践結果まで詳しくお伝えします。

教えてくれるのは・・・
オガトレさん
理学療法士・ストレッチ系YouTuber

宮城県生まれ。理学療法士として急性期病院にて、脳外科、整形外科、呼吸器、がん、スポーツ外来のリハビリに従事。その傍らトレーナーとしてインターハイや国民体育大会へ同行した。現在はYouTuberとして 「体が硬くて困っている人をゼロにしたい」を信念に動画を配信している。チャンネル登録者数は開始後2年で60万人を突破し、今も日々伸び続けている。
YouTube:https://www.youtube.com/@ogatore

INDEX
そもそも「体が硬い」とは? どんな不調につながる?
オガトレさん直伝! 今日から始められるストレッチ
1か月間、ストレッチを実践してみました
どれくらい体は柔らかくなった? ストレッチ実践の結果は?
「体が硬い」は改善できる!

そもそも「体が硬い」とは? どんな不調につながる?

ストレッチが体によいことを頭ではわかっていても、実際に毎日続けるのは簡単ではありませんよね。本記事の筆者である自分自身、忙しいことを言い訳にしたり、モチベーションを保てなかったりで、継続することができませんでした。

体が硬いのは昔からだから、もうしょうがないのでは……? そうあきらめていたのですが、今回の企画では、ストレッチ系YouTuberとして活動するオガトレさんにストレッチを教えてもらえることに。これは運動習慣を定着させる、またとないチャンス……!? ということでまずはオガトレさんに、そもそも体が硬いとは? なぜストレッチがよいの? というところからお話を伺いました。

ライター井口

今日はよろしくお願いします! まず、「体が硬い」とはどのような状態をさすのか、改めて教えてください!

オガトレ

「体が硬い」というのは、「関節の動きが悪い」ということです。関節の動きが悪くなる原因は、脂肪やむくみ、変形などさまざまですが、多くの場合、「筋肉の硬さ」が関わっています。

とくに「股関節」「肩甲骨」「足関節」は、体のなかでも非常によく動く関節で、筋肉がたくさん集まり、複雑な構造をしています。その部分の筋肉が硬くなると、関節も動きにくくなり、「体が硬い」と感じるようになるのです。

井口

体が硬い状態だと、生活をするうえでどんな弊害があるのでしょうか?

オガトレ

まず、姿勢が悪くなってしまいますね。それが原因で腰痛や肩こり、ケガが起こりやすくなったり、パフォーマンスが落ちてしまうこともあります。さらに、可動域(体を動かせる範囲)が狭まることで、活動代謝(仕事や運動といった日常生活で消費されるエネルギー)も下がりやすくなってしまいます。

でも、逆に言えば、体が柔らかくなれば、いま挙げたようなことは起こりにくくなるんです。また、階段を上る、歩くなどの日常動作をするときにも筋肉を大きく動かせるようになるので、活動代謝も増えます。

井口

いいことずくめですね……!

オガトレ

健康は誰かに守ってもらうものではなく、自分で守るもの。セルフケアとして最も行いやすいのが、場所をさほど選ばず、特別な道具も必要ない「ストレッチ」なんです。

なお、筋肉の硬さが体が硬い原因ではないケースも稀にあるので、ストレッチを続けるうちに体の異常を感じたときには、病院を受診してください。

オガトレさん直伝! 今日から始められるストレッチ

ストレッチの重要性を学んだところで、さっそくおすすめの方法をオガトレさんに教えていただきました。

教わるメンバーは下記のとおり。HELiCO編集部のメンバーも一緒に体験します。

ストレッチ実践前での前屈の様子。オガトレさんいわく、「床に手のひらがつくと合格!」とのことですが、頑張っても指先をつけるのが精いっぱい。HELiCO編集部・T(一番右)にいたっては、指先もつかない状態です。

参加した4名すべてが、「体が硬い」と感じているうえに、ストレッチを継続的に行った経験もなし。そこで、下記の条件にあったものをセレクトしていただきました。

  • 体が硬い人が入門として始めるのに適している
  • 毎日、短い時間でも実践できる
  • 日中座っている時間が長い、デスクワーカーにおすすめ

オガトレさんがおっしゃっていたように、「股関節」「肩甲骨」「足関節」は特によく動く関節なので、柔軟性をキープすることが大切。今回はなかでも股関節を中心にストレッチできるものをまとめていただきました。ストレッチは全部で6種類。順番どおりに行うことで、より高い効果を期待できるといいます。

①大臀筋(おしりの筋肉)が伸びるストレッチ
②ハムストリングスの遠位(膝裏寄りの筋肉)が伸びるストレッチ
③ハムストリングスの近位(お尻寄りの筋肉)が伸びるストレッチ
④ハムストリングスの遠位(膝寄りの筋肉)が伸びるストレッチ
⑤大内転筋(ももの内側)が伸びるストレッチ
⑥これまで伸ばした筋肉を、すべて伸ばすストレッチ
オガトレ

なぜ順番をつけているかというと、筋肉は層になっていて、外側から順にほぐしていくことが大切だからです。キャベツの葉をめくるように、外側にある大きな筋肉を伸ばしてから、奥にある小さな筋肉を伸ばしていくと、ストレッチの効果を得やすくなるんですよ!

今回ご紹介するストレッチも、まずはおしりの大きな筋肉(大臀筋)から始めて、徐々に内側の筋肉に働きかけていきます。さあ、始めましょう!

①大臀筋(おしりの筋肉)が伸びるストレッチ

  1. 体育座りをする
  2. 片方の足の膝を立て反対の足(足首あたり)を乗せる
  3. 膝を立てている足を、おしりにできるところまで寄せる
  4. 胸を張って、そのまま30秒キープ(★写真の状態)
  5. 反対の足も同様に行う
オガトレ

膝の上に足を乗せられない場合は、膝の角度をゆるやかにして、乗せられるように調整してください。ストレッチは、「痛気持ちいい」くらいがベストです。頑張って伸ばしすぎると、筋肉を痛めてしまう可能性があるので、無理のない程度に、あくまでも気持ちのよい範囲にとどめておきましょう。

ストレッチは、オンラインで教えていただきました

②ハムストリングスの遠位(膝裏寄りの筋肉)が伸びるストレッチ

オガトレ

ハムストリングスとは、太ももの裏側にある、膝を曲げるときや股関節を後ろに反らすときに働く筋肉のこと。お尻に近い部分を「近位」、膝裏寄りを「遠位」と呼びます。遠位は、猫背で腰が丸まっている方や、ガニ股の方は特に硬くなっている場合が多いです。

  1. 仰向けに寝る
  2. 両足を伸ばしたあと、右足を上げる
  3. 太ももの裏側を両手でつかみ、その状態で右足をさらに天井に向けて伸ばす
  4. そのまま30秒キープ(★写真の状態)
  5. 反対の足も同様に行う

③ハムストリングスの近位(お尻寄りの筋肉)が伸びるストレッチ

  1. 左膝をついて右足をまっすぐ前に出し、かかとを床につける
  2. 両手を太ももに置いて胸を張る。ピンと膝を伸ばしたまま、体を前に倒していく
  3. そのまま30秒キープ(★写真の状態)
  4. 反対側も同様に行う


④ハムストリングスの遠位(膝寄りの筋肉)が伸びるストレッチ

  1. 左膝をつく。右足を前に出して、かかとを床につける
  2. 体を丸めながら胸と太ももを近づけて、手を床につける。きつい場合は膝を曲げてもOK
  3. そのまま30秒キープ(★写真の状態)
  4. 反対側も同様に行う
オガトレ

手のひらが床にぺたっとつかない場合は無理をしないでくださいね。指先だけでも床につけばOKです。

⑤大内転筋(ももの内側)が伸びるストレッチ

  1. よつんばいになり、手をついたまま両膝を左右に少しずつ離していく
  2. 両膝をできるだけ離し、腰を反り気味にする
  3. そのまま30秒キープ(★写真の状態)

※もっとできそうな人は下記の方法を!

  1. よつんばいになり、ひじをついてお尻を後ろに突き出す
  2. 両膝を左右にできるだけ離す。腰は反り気味にする
  3. そのまま30秒キープ(★写真の状態)


⑥これまで伸ばした筋肉を、すべて伸ばすストレッチ

  1. 足を肩幅の倍くらいに開く
  2. 両ひじを太ももの上に置く
  3. その状態で頭を下げて、おしりを天井に突き上げるようにする
  4. そのまま30秒キープ(★写真の状態)


★オガトレさんのストレッチはこちらの動画でも確認できます。今回教えていただいた内容と一部同じ内容のストレッチが紹介されています。

【最新版】 もも裏が『超』硬い人向け!体がどんどん柔らかくなる7分ストレッチ!【座り姿勢改善+腰痛やひざ痛解消にも◎】

オガトレ

ちなみにストレッチをするのにいちばん適しているのは、筋肉がほぐれやすいお風呂上がりです。逆にいちばんおすすめできないのは、朝、起きてすぐ。寝ている間に水分が失われて、筋肉がこわばっているので、慎重にストレッチをする必要があるんです。

毎日続けるためには「無理をしないこと」が大事

井口

じっくり教えてくださってありがとうございました! さっそく明日から始めてみようと思うのですが……。やっぱり毎日①〜⑥の工程を全部やらないとダメなのでしょうか……?

すでに疲労困ぱい気味の一同
オガトレ

毎日すべて行うのが理想ですが、一定期間続けるためには無理をしないことが大切です。まずは、いちばん効くと感じたものを1種類だけ、毎日30秒ずつ行い、続けられそうなら種類を増やしていきましょう! もちろん1種類だけでも長期的に行うことで効果が望めます。

井口

それなら気負わずに続けられそうです! ちなみに始めてからどれくらいで効果を感じられますか?

オガトレ

始めてから2週間程度で変化が出てきて、6週目以降により大きな変化を感じられることが多いですね。

井口

やっぱり1か月くらい続けてみるのが大事なんですね。頑張ります!

1か月間、ストレッチを実践してみました

ストレッチを1か月間実践する一番のハードルは、「毎日続けること」。ストレッチの習慣がない4人が続けていくために、チャットツールを利用して、お互いに報告し、励ましあうことにしました。結果、誰ひとり脱落することなく1か月終了! なお、風邪を引いたり、ちょっと調子が悪いと感じたりしたときには、無理をせず休むようにしました。



各々の実施状況。行いやすいと感じるストレッチが異なっていたほか、全部行うのが難しいときの対処方法にも個性が出た

どれくらい体は柔らかくなった? ストレッチ実践の結果は?

指先を床につけるのが精一杯だった1か月前。日々の積み重ねでこれだけの変化が……!

井口

全員しっかり変化している……! 一番体が硬かった編集部・Tさんに、ストレッチの効果が顕著に表れていますね。つまり体が硬いというのは、伸びしろがあるということなのかも! ちなみに普段の生活上でなにか変わったことってありますか?

編集部・T

足腰の動きが機敏になって、階段の上り降りや長時間歩くのがずいぶんラクになりました。「私の体ってこんなにちゃんと動かすことができたんだ!」って驚いています。


 

編集部・I

僕が効果を一番実感したのは、ランニングですね。走っているときの股関節周りの調子が格段に良くなりました! 以前は走り始めから本調子になるまでに少し時間がかかっていたんですが、ストレッチをやるようになってからは最初から調子がいいんです。気持ちも前向きになりました!


 

編集部・Y

私も週1回、ランニングをしていて、最初のころは走ると股関節が痛くなっていたのですが、ストレッチを始めてからは、痛みを感じなくなりました。あと、自分の体とちゃんと向き合うようになった気がしています。


 

井口

それぞれ、変化が起きていますね! じつは私も、慢性的な腰痛が改善しました。これまでは2週間ごとに体がマッサージを求めていたんですが、この1か月間、マッサージに行かずに済んでいるんです。

編集部・I

それはすごい!

井口

私もびっくりしました。ただ、ストレッチ実践中は、そこまで体が柔らかくなっている実感はなかったんですよね。なかなか効果を実感できないときは、写真を撮って確認してみるといいかもしれません。

この写真を見て、自分自身が「こんなにも変化していたんだ!」と驚きました
編集部・Y

今回すごく実感したのは、報告することの大切さですね。自分だけでやろうとすると甘えが出てくるので、今回のようにグループなり家族なり、報告し合うことが大事なのかも。

編集部・T

ですね! 周りを巻き込んでチャレンジすると、達成率がぐっと上がると思いました。あと私、スマートフォンのアラームを毎日決まった時間に鳴らすようにしてみたら、その瞬間まで忘れていても、「あ!そろそろストレッチをやらなくちゃ」と思い出すことができていました。デバイスやアプリに頼るのもおすすめです。

編集部・I

SNSや手帳を活用して、記録をつけておくのもよい気がします。僕は手帳にも記録をしていて、ときどき見返しては「こんなに続けられている!」って悦に浸ってました(笑)。 

「体が硬い」は改善できる!

物心ついたときからずっと体が硬いし、もう仕方がない。そうあきらめていましたが、意外と簡単に体質が変えられることに驚きました。この機会がなかったら、このまま「仕方がない」で終わっていたかもしれません。今回、ストレッチの習慣がついたことは大きな収穫。今後は、この習慣を長く維持できるようにしたいです!

CREDIT
取材・文:井口エリ 写真:藤原葉子 編集:HELiCO編集部+ノオト 図版・イラスト:ノオト
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