東洋医学では、季節ごとに「体に悪い影響を与えるもの=邪気(じゃき)」が存在するという考えがあります。冬の邪気は『寒邪(かんじゃ)』といい、冷えを感じやすいこの時期に保温や防寒が足りないと、心身に不調が生じるとされています。また、冬は尿や汗といった体内の水分の動きに影響を与える『腎(じん)』が弱るとも。
元気に冬を乗り切るためには、腎の働きを補う食材を上手に摂ることが大切です。スーパーで手に入る身近な食材を使った、「おうち薬膳」レシピを料理家・齋藤菜々子さんに教えていただきました。
- 教えてくれるのは・・・
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- 齋藤菜々子さん
- 料理家・国際中医薬膳師
「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材のみを使ったつくりやすいレシピにこだわり、家庭で毎日実践できる薬膳を提案している。著書に、『体にいい食材帳』『基本調味料で作る体にいいスープ』(以上、主婦と生活社)などがある。
材料(2人分)
- 鶏もも肉 小1枚(250g)
- ニラ 1/2束 (50g)
- 長ねぎ 1/3本
- もやし 1/2袋
- にんじん 1/3本
- 長ねぎの青い部分 1本分
- しょうが(薄切り) 3枚
- 酒 50ml
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- 白いりごま 大さじ1
- しょうが(すりおろし) 小さじ1
- しょうゆ 大さじ1
- 酢 大さじ1と1/2
- 砂糖 大さじ1
- ごま油 大さじ1/2
つくり方
1.ニラは3mm幅、長ねぎはみじん切り、もやしはひげ根があればのぞき、にんじんは長さ5cmの細切りにする。ボウルにAを合わせ、ニラ、長ねぎを混ぜて「ニラだれ」をつくる。
2.鶏肉は、肉からはみ出た皮や表面についた余分な脂身を取りのぞく。厚い部分に浅く切り込みを入れて、厚さを均一にする。さらに、肉の繊維を断つように、数か所に浅く切り込みを入れる。
3.フライパンに、もやしとにんじんを広げ、鶏肉の皮面を上にしてのせる。
4.長ねぎの青い部分、薄切りのしょうがをのせ、酒を振る。強火にかけ、煮立ったら蓋をして弱めの中火で8分加熱する。
5.もやしとにんじんの水気を切って、器にのせる。その上に食べやすい大きさに切り分けた鶏肉を盛り、ニラだれをかけて完成。
レシピ②:豚肉とキャベツのカレー煮込み
薬膳食材&減塩でおいしく味付けるコツ
■豚肉:体にうるおいを与え、肌やのどの乾燥をやわらげる。滋養強壮に優れ、スタミナアップにも。
■味付け:食材を焼き付けることで香りが増し、食べごたえアップ。カレー粉のスパイスで味にパンチを!
材料(2人分)
- 豚バラ薄切り肉 150g
- キャベツ 1/4個(250g)
- まいたけ 大1株(120g)
- にんにく 1かけ
- サラダ油 大さじ1/2
- 粗びき黒こしょう 適量
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- だし汁 150ml
- しょうゆ 大さじ1
- カレー粉 小さじ2
- 酢 小さじ1
つくり方
1.キャベツはざく切りにする。まいたけは食べやすい大きさにほぐす。にんにくはみじん切りにする。豚肉は長さ4cm程度に切る。
2.フライパンに、サラダ油、にんにくを入れて中火で熱し、豚肉を加えて炒める。
3.肉の色が8割ほど変わったら、キャベツ、まいたけを加えて炒め合わせる。全体をフライパンに広げて強火にし、あまり触らずに焼き付ける。
4.ところどころに焼き色がついたら、Aを加えてさっと混ぜ、煮立ったら蓋をして弱火で10分煮る。器に盛りつける際に、粗びき黒こしょうを振って完成。
レシピ③:ごぼうとにんじんのくるみみそ和え
薬膳食材&減塩でおいしく味付けるコツ
■くるみ:耳鳴りや膝の痛み、腰痛、髪のパサつき、肌の老化などに働きかける。
■味付け:くるみの食感と香りで食べごたえアップ!
材料(つくりやすい分量)
- ごぼう 1/2本(100g)
- にんじん 1/2本(80g)
- くるみ(素焼き、食塩無添加) 50g
- ごま油 大さじ1
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- 本みりん 大さじ2
- みそ 大さじ1
つくり方
1.ごぼう、にんじんは長さ5cm程度の細切りにする。くるみは食感が残る程度に小さく刻む。
2.フライパンにくるみを入れて弱めの中火にかけ、乾煎りする。
3.香りが出てきたらAを加えて中火にし、みりんのアルコールが飛ぶ程度にさっと煮立てる。
4.別のフライパンにごま油を中火で熱し、ごぼう、にんじんを加えて炒める。
5.しんなりしたら、火を止めて3を加え、さっと和えれば完成。
おいしい「腎」ケアメニューで、ポカポカ&うるうるの毎日を過ごそう
今回の3品に用いた補腎の食材(豚肉・鶏肉・ニラ・くるみ)は、いずれもスーパーで手に入るものばかり。これらを食べることで、体がうるおい、温まり、巡りも良くなって、さらには美容にまで働きかけてくれるとあれば、冬だけでなく、一年を通じて上手に取り入れていきたいもの。
尿トラブルや腎臓のケアを意識した“減塩”アイデアも満載の薬膳レシピで、今日からおいしい「腎」ケアを始めませんか。