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子どもの頭痛の原因は?家庭でできる対策法を伝授

子どもが頭痛を訴えたときに、まず風邪を疑うという方も多いのではないでしょうか。もちろん発熱に伴う頭痛の場合もありますが、じつは子どもでも片頭痛や緊張型頭痛が起こることはあります。本記事では、子どもの頭痛の特徴とその原因をはじめ、適切な対処法や家庭でできることを解説していきます。

子どもにも起こる「片頭痛」や「緊張型頭痛」

子どもの訴える頭痛には、どのようなものが考えられるのでしょうか。その症状や特徴、大人の頭痛との違いをみていきましょう。

頭痛もちは子どもに遺伝する?

「頭痛もちの頭痛」ともいわれる一次性頭痛には、大きく分けて「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つがあります。このうち、片頭痛には遺伝が関係していることがわかっており、片頭痛もちの人の子どもは片頭痛になる可能性が高いといえます。

子どもが頭痛を訴えた場合、まず熱を測ることも多いと思いますが、発熱もなく定期的に頭痛が生じている場合には、片頭痛や緊張型頭痛を疑いましょう。

一次性頭痛の3種類について詳しく知りたい方は「その頭痛、あきらめないで!タイプ別頭痛の対処法」で詳しく解説していますのでそちらもご覧ください。

思春期を迎えるタイミングで増加。環境の変化に伴う頭痛も

片頭痛と緊張型頭痛が起こる割合は、年齢とともに増加します。それぞれの年代において発症する割合は以下の通りです。

「頭痛の診療ガイドライン2021」より

特に思春期を迎える中・高校生は、片頭痛や緊張型頭痛の発症が増加する傾向にあります。割合としては緊張型頭痛のほうが多いですが、症状の程度は片頭痛のほうが強く、頭痛で寝込んでしまうようなケースも。特に女児の場合には、初潮を迎えたタイミングから片頭痛が起きるようになることもあります。

また、片頭痛や緊張型頭痛は、環境の変化などを含む精神的なストレス(緊張)で引き起こされることもあるため、新学期や受験期・試験前などのタイミングで頭痛の頻度が高くなるという子どももいます。

子どもの頭痛は吐き気を伴いやすい

子どもの片頭痛は、大人と比較して吐き気(あるいは実際に嘔吐してしまう)などの症状が強く出やすい点や、大人の頭痛の持続時間が4~72時間なのに対し、子どもは2~72時間程度と多少短いことなどが特徴です。

また、大人の片頭痛では頭の片側だけが痛むケースが多いですが、子どもは頭の両側が痛むケースが多くなります。それが、思春期の終わりから成人期の初めにかけて、大人と同様に片側が痛むように変化していきます。

子どもの頭痛の原因とは?

頭痛を引き起こす原因は、肉体的・精神的ストレスや、光、においなどさまざまなものが考えられます。具体的に子どもの頭痛を引き起こしやすい要因には、どのようなものがあるのでしょうか。

就寝前のスマホいじりには要注意!

子どもの頭痛のなかでも特に片頭痛の原因として多いのは、睡眠リズムの乱れや、スマホやゲームなどデジタル機器の使いすぎによる「光曝露(ひかりばくろ)」が挙げられます。そのため、子どもが定期的に頭痛を訴えるような場合には、以下を意識しましょう。

  • 寝る前のスマホいじりを防ぐために枕元に置かせない(スマホを寝室に持ち込ませない)
  • ゲームやテレビ・動画視聴の時間を制限する

これらの対応で、頭痛の程度が軽くなったり、症状が出る回数が減ったりすることが期待できます。

睡眠の質も大きく影響する

また、大人もやりがちな「週末の寝だめ」や「長時間の昼寝」なども、片頭痛を引き起こす要因に。平日と休日で大きく睡眠時間は変えず、できる限り毎日適切な睡眠時間を確保することが大切です。このほか、月経の周期や気圧の変化に伴って頭痛が起こることもあります。

片頭痛は、太陽光や白色LEDなどのまぶしい光によって症状が悪化することもあるので、頭痛を訴えて部屋を暗くして寝込む、普段と異なりテレビを見たがらない・ゲームをしたがらない、このような場合には片頭痛の可能性があるといえます。

週2回以上頭痛を訴える場合には、医療機関の受診を

月に数回程度の頭痛であれば、年齢に応じて市販の頭痛薬などを活用するといった対処法で問題ありませんが、頭痛を訴える回数が週2回(月8回)ほどある場合は、医療機関の受診を検討しましょう。その際は、頭痛専門医の資格をもった医師のいる小児科や、脳神経内科・脳神経外科(あるいは頭痛外来)などを受診してください。なお、頭痛専門医は頭痛学会のホームページで検索できます。
一般社団法人日本頭痛学会 認定頭痛専門医一覧

また、受診前に痛み方(ズキンズキンとした痛みか、締めつけられるような痛みかなど)や頻度、頭痛が起きたときの状況などを記録しておくと、スムーズに診療が進められます。子どもが頭痛を訴えたときには、その日の天気(気圧)や睡眠時間をチェックし、暗い部屋と明るい部屋のどちらで休みたいか、頭痛の前にギザギザしたものが見えたか、女児の場合には月経期間であるかどうかなど、原因を探るための会話をしておくことも有効です。

一方、発熱を伴う頭痛があり、食欲がない、吐き気がある、または実際に嘔吐するなどの場合には、髄膜炎(ずいまくえん/脳と脊髄を包む髄膜に何らかの原因で炎症が起きてしまう病気)の可能性もあるため、早めに小児科や脳神経内科を受診しましょう。

普段は元気な子どもが体調を崩すと、それだけで心配になりますよね。子どもが頭痛を訴えてきた場合には「たかが頭痛」と思わずに、まず子どもの話にしっかりと耳を傾ける・原因を探る会話をするだけでも、子どもは安心します。頭痛が起きた状況を記録したり、頻度が高い場合には医療機関の受診を検討したりするなど、早いうちから「頭痛のコントロール」を身につけさせることを目指すのも、1つの方法かもしれません。

教えてくれたのは・・・
辰元 宗人先生
獨協医科大学病院 頭痛センター・医療安全推進センター 教授

医学博士、総合内科専門医、神経内科専門医、頭痛専門医。大学病院に勤務する傍ら、住環境(光・音・におい)と片頭痛との関係を研究。片頭痛患者に対し、住環境改善のアドバイスをするなど、薬を処方するだけにとどまらない診療も行っている。「片頭痛にやさしい環境」を実現させるための研究に取り組む。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:momodesign
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