デジタル認知症って何!?
スマートフォンやパソコンは、もはや生活必需品。特にパッと手に取れるスマホは、手放せないアイテムです。しかし、何でもスマホ任せでいる生活は便利な反面、脳にとってはあまりよいこととは言えません。スマホとの付き合い方、確認してみませんか?
スマホやパソコンなどのデジタル機器に頼りすぎる生活を続けることによって、もの忘れが増えたり、情報の整理ができなくなったりと、認知症に似た症状が起こることを指す言葉。正式な病名ではなく、ほかにスマホ認知症、脳過労、オーバーフロー脳などとも呼ばれています。
セルフチェックで「夜、布団に入ってからもスマホを見ている」にチェックがついた人は特に要注意。スマホの強い光を寝る直前まで見ていると、体内時計が「寝る時間だ」と認識しづらくなり、寝付きが悪くなったり睡眠の質を低下させたりする原因になります。
そして、睡眠の質が悪い人は、良質な睡眠がとれている人よりもアルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβというタンパク質が脳内にたまりやすいという研究結果が出ています。睡眠の質を向上するためにも、認知症予防という意味でも、寝室や布団の中でスマホを見るのは避けるようにしましょう。
【監修】浦上 克哉 先生
(鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座教授)
日本認知症予防学会理事長も務める、認知症診断・予防のエキスパート。著書に『科学的に正しい認知症予防講義』(翔泳社)など。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.43
「もの忘れ」より転載(2022年3月15日発行)