皆さんは最近、どんなときに薬を使いましたか? 日常的に特定の薬を服用している、虫に刺されてかゆみ止めの薬を塗った、腰痛で湿布薬を貼ったなど、人それぞれ異なるでしょう。
薬は、健康な生活を維持するうえで心強い存在ですが、「薬さえ飲んでいれば大丈夫」と頼りすぎるのはよくありません。一方で、「副作用が怖いから薬は使いたくない」と必要以上に避けるのも、症状を長引かせる原因となります。
私たちにとって身近な存在である薬について、じつはよく知らないことも多いもの。このシリーズでは、“知っているようで知らない”薬に関する基礎知識や、薬との上手な付き合い方についてわかりやすく解説します。第1回目は、「薬って何?」という根本的な疑問を出発点に、薬が効くメカニズムに迫ります。
- 教えてくれるのは・・・
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- 中間 葉子さん
- 株式会社アイセイ薬局 薬剤師 アイセイ薬局千歳台店 店長
研修認定薬剤師/スポーツファーマシスト
地域の方々が気軽に相談に来ることができるような薬局を目指し、日々のホスピタリティを大切にしている。
- INDEX
- そもそも、薬の役割とは?
- 薬は体のなかをどのように巡っていくの?
- 薬を服用する回数や量はどうやって決まるの?
- これはNG! 薬の使い方に関する注意点
- 信頼できる「かかりつけ薬局/かかりつけ薬剤師」を見つけよう
そもそも、薬の役割とは?
薬にはさまざまな種類がありますが、一般的に、病院で処方される「医療用医薬品」と、薬局で入手できる「市販薬」とに大きく分けられます。どちらも、主に次のような目的でつくられています。
① 症状の原因を治す
② 症状を緩和する
③ 症状を予防する
④ 病気の有無や体の状況を知る
薬は、錠剤や粉薬、塗り薬、貼り薬、点眼薬、注射薬などがあり、使い方や形状はさまざまです。それぞれに特徴があり、たとえば粉薬であれば錠剤やカプセルよりも、量を細かく調整できるといったメリットがあります。
そうした特徴を生かしつつ、使いやすさなどにも配慮して一つひとつの薬はつくられています。

薬は体のなかをどのように巡っていくの?
そもそも、薬はどのように体のなかを巡り、効果を発揮するのでしょうか。ここでは飲み薬の場合について教えていただきました。

役目を終えた薬の成分は、その多くが「腎臓」から尿中に出され、やがて体外に排出されます。
薬の副作用はなぜ起こるの?
かぜ薬を服用したときに、眠くなった経験はありませんか? 鼻水や熱などのかぜ特有の症状を抑えるのが、かぜ薬のメインの目的(主作用)である一方、眠気のような「副作用」が生じる場合もあります。
副作用といっても、その原因はさまざまです。薬が体内を巡るときに患部ではない部位に作用してしまったり、アレルギーなどの体質が影響したりするケースもあります。とはいえ、自己判断で薬の服用を中止してしまうと、治療が長引く可能性もあるので、注意したいところです。

薬局で薬剤師からいろいろ質問をされると、「ちょっと面倒だな」と思うときもあるかもしれません。しかし、薬剤師は薬の専門家として、そうした聞き取りを通して処方された内容に問題がないかをチェックし、患者さんの安全を守っています。

薬を服用する回数や量はどうやって決まるの?

1日1回の服用でOKだったり、毎食後に飲む必要があったりと、薬の種類によって服用する回数は異なります。それはなぜなのでしょうか。

薬をしっかり効かせるためには、血液中に溶けた薬の濃度を適切に保つ必要があります。ちょうどよい濃度を保つために、1日3回などの服用方法が決められているのです。
そのため、早く効かせたいからと、指定の量よりも多く服用するのはもちろんNG。単純に薬の量が増えればよく効くわけではなく、予期せぬ副作用を引き起こす可能性もあります。

これはNG! 薬の使い方に関する注意点
薬の効果は、正しく使用してこそ発揮されます。ここでは薬の服用に関して、ついしてしまいがちなことを中心に、気になる疑問にお答えします。
朝食後、薬を飲み忘れてしまった。昼食後に2回分飲んでも大丈夫?

カプセルを飲み込むのが苦手なので、なかの薬を取り出して飲んでもいい?

処方された薬がまだ残っていても、症状がおさまったら飲むのをやめてもいい?

小さな錠剤なので、水なしで飲んでも大丈夫?

信頼できる「かかりつけ薬局/かかりつけ薬剤師」を見つけよう

病気やケガを治療するうえで、薬は欠かせない存在です。けれど、間違った使い方をすると、かえって症状が長引いたり悪化したりする可能性もあります。薬を効果的に活用するためにも、かかりつけ薬局や薬剤師を見つけておくと安心です。
かかりつけ薬剤師とは、薬はもちろん、健康・介護全般について豊富な知識を持つ特別な薬剤師です。お薬手帳や聞き取りをもとに、処方される薬をすべて把握・管理します。薬の使い方に限らず、日常の健康相談にも24時間対応しています。

薬に関して、診察時医師に聞き逃したことがあれば、薬剤師を通して医師に確認することもできるので、そうした場合も、普段から行き慣れている薬局なら相談しやすいのがいいところです。

かかりつけ薬剤師については、下記のページでも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
- おしえて薬剤師さん!第1回「かかりつけ薬剤師」
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この番組は、身近にあるけどいまいちよく分からない薬局の機能やサービスについて、お笑い芸人三拍子の二人が実際の薬剤師さんにアレコレ聞いて教えてもらう、おもしろくってタメになるHELiCOオリジナルの番組です。第1回のテーマは「かかりつけ薬剤師」。https://helico.life/feature/pharmacist-tellme01/
「薬剤師が教えます!お薬のキホン」第2回は、「薬と食べ物の組み合わせ」について解説します!