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ぐっすり眠りたい!寝る前5分の腹式呼吸&ストレッチ

なかなか寝つけない、眠りが浅い気がするなど、睡眠に悩んでいる人は多いもの。ぐっすり眠りたいときには、就寝前の腹式呼吸とストレッチがおすすめです。

筋肉のこわばりをほどき、心身をじんわり癒す、基本の腹式呼吸法とストレッチ4種類を、プロボディデザイナーの松尾伊津香さんに教えていただきました。

教えてくれるのは…
松尾伊津香さん

プロボディデザイナー・疲労回復専用ジムZERO GYMプログラムディレクター。一般社団法人ライフメディテーション協会代表理事。ストレッチとマインドフルネスを掛け合わせた疲労回復プログラムを開発し、日本初の疲労回復専用ジムZEROGYMを立ち上げる。現在は知識と実践の両面から心身の健康のための指導やセミナーを行う。
 
[監修者]松尾伊津香さん:https://matsuoitsuka.com/#profile

腹式呼吸&ストレッチをするとぐっすり眠れるのはなぜ?

ぐっすり眠るためには筋肉の力を抜いて、体を脱力させることが大切です。しかし、運動不足や長時間のデスクワークによって筋肉が固まっていると、うまく力を抜けなくなってしまうことも。そんなときに効果的なのが、腹式呼吸とストレッチです。

松尾さん

腹式呼吸をすると副交感神経が優位になってリラックスできるので、ぜひストレッチの前に取り入れてみてください。そしてストレッチ中も、引き続き腹式呼吸を意識してみましょう。筋肉のこわばりがほぐれて力が抜けやすくなり、リラックス効果が高まります。

「ストレッチはテレビやスマホを見ながらではなく、静かな環境で集中して行うほうがリラックス効果を得られます」と松尾さん

ストレッチをより効果的にするポイントは2つ。

1ストレッチをする2時間前には食事を済ませておく

ポーズによってはお腹を圧迫するため、食後すぐのストレッチは避けましょう。

2ストレッチをする1時間前にお風呂に入っておく

人間の体は、深部体温(体の内部の温度)が下がると眠気が起こるとされています。お風呂で体を温めると、その後に体温が下がりやすくなるため、入眠しやすくなります。なお、お湯の温度はぬるめにするのがポイント。副交感神経が優位になり、リラックスすることができます。

ストレッチ前に行う「腹式呼吸」

まずは、ストレッチの前に行う腹式呼吸をご紹介します。

「あぐらのポーズ」「仰向けのポーズ」の2種類から、自分がやりやすい方を選んでください。腹式呼吸が苦手な方には、お腹が膨らんだりへこんだりするのを実感しやすい「仰向けのポーズ」がおすすめです。

あぐらのポーズ(腹式呼吸)

あぐらを組むのが難しい方は、椅子に座る、もしくは座椅子やクッションをお尻の下に敷くのがおすすめ

仰向けのポーズ(腹式呼吸)

手順

  1. 口からゆっくりと息を吐いて、すべて吐き切ったら、鼻からゆっくりと息を吸う。
  2. 吸い切ったら、またゆっくりと口から息を吐く。
  3. これを10回程度繰り返し、最後、息を吐き切ったら楽な呼吸に戻す。
松尾さん

腹式呼吸の基本は、「鼻から吸って、口から吐く」こと。動きながら呼吸を行う際には「体を伸ばすときに吸う」「ゆるめるときに吐く」というように、動きと呼吸を連動させるのがポイントです。呼吸のたびにお腹が膨らんだり縮んだりすることに意識を向けてみてください。
 
息を吐くときは、お腹がゆるんでいることを手のひらで観察しましょう。奥歯の噛み締めをほどき、口周りをリラックスさせて。
 
息を吸うときは、鼻の奥や喉、お腹の下のほうまで空気を入れていきましょう。風船を膨らませるように、お腹の前側だけでなく、横や後ろ、腰回りなど、全方位に空気を入れるような感覚です。このとき、背中が丸まらないように気をつけてくださいね。

ぐっすり眠るための4つのストレッチ

松尾さん

今回紹介するストレッチは、どのポーズも股関節にアプローチをかけています。股関節は体の中心に位置するため股関節を動かすことで上半身と下半身の両方にアプローチをかけられるからです。また、体のなかで最も大きな関節のため、刺激することで血流も促されます。最後に紹介するワニのポーズは、マットの上で行うほうが効果的ですが、そのほかのポーズは布団の上でできますよ。

いずれのストレッチも、回数はお好みでOK(1〜5回程度)。「全部行う」「ポーズが一番とりやすいものを1つだけ」「毎日違うものを順番に」「そのときどきの気分に合わせて」など、好みやコンディションに合わせて、自由にアレンジしてみてください。

また、入眠前のストレッチはあくまでリラックスすることが大切。無理をせず、体が痛くならない範囲で行ってください。

合蹠(がっせき)のポーズ

ストレッチ部位:お尻、腰、内もも

  1. 両足の裏同士をつけて、膝を床に近づける。足の裏がつかない場合は、かかとと体の距離をできるだけ離す。背中は丸まっていてもOK。

股関節が開きにくい場合は、膝と床の間にクッションなどを置いて調節を

  1. 両手で自分の足先を持ち、息を吸いながら背筋を伸ばし、吐く息でゆっくりと上体を前に倒す。この体勢のまま、深呼吸を5回ほど繰り返す。

前屈ができない場合は、無理に体を倒さず、できるところでキープ

松尾さん

肘は宙ぶらりんでもいいし、ふくらはぎに置いても大丈夫。できる方は両肘を床につけてみてください。体勢がしっくりきたら、息を吐くたびに肩の力が抜けて上体が床に近づき、股関節に体重がじんわりと乗っていくのを感じながら、深呼吸を繰り返します。

  1. ゆっくりと背中を丸めながら、頭が最後になるようにゆっくりと起き上がる。正面を向いたら、肩の力を抜く。

チャイルドポーズ

ストレッチ部位:腰、お尻、下半身

  1. 正座し、お腹が太ももにピタッとつくようなイメージで上体を前に倒す。両手を顔の前で重ねて、おでこを乗せる。この体勢のまま、深呼吸を5回ほど繰り返す。

両手を伸ばせる方は、両手を伸ばして額を床につけてもOK

松尾さん

鼻からゆっくりと息を吸って、お腹の膨らみを感じましょう。口からゆっくりと息を吐き、吐くたびに下半身に体重がかかっていくイメージです。正座をすると上半身の重さが下半身にかかるので、血液やリンパの循環が促されてむくみ解消効果も期待できます。

  1. 両手を胸の横で床につけて、背中を丸めながら、頭が最後になるようにゆっくりと起き上がる。

あおむけのポーズ

  1. あおむけで両足を揃えた状態から、右膝を曲げ、両手で抱える。鼻からゆっくりと息を吸ってお腹を膨らませ、息を吐きながら膝を胸のほうに引き寄せる。そのまま深呼吸を5回ほど繰り返す。右足を戻したあと、左足も同様に行う。

頭はだらんと床に置いたまま、力を抜いた状態でOK

松尾さん

吐くときは太ももでお腹をつぶすイメージです。体の重さを感じながら行うとリラックス効果が高まります。

  1. 鼻からゆっくり息を吸ってお腹を膨らませ、吐く息で両膝を胸のほうに引き寄せる。そのあと、両足を伸ばし、息を吸いながらゆっくりと起き上がる。(ベットで行う場合はそのまま寝てもOK!)

ワニのポーズ

ストレッチ部位:内もも、お尻

  1. マットの上にうつ伏せになる。顔を少しだけ上げ、両手を胸の横に置く。右のお尻を少し持ち上げて右膝を外側に向ける。
  1. 左足のつま先を床につけて、左足のかかとを後ろに押し出すようにして、足を付け根からしっかり伸ばす。そのあと左足の甲は寝かせる。右膝を90度に曲げ、浮いた右の股関節をできるだけ床に近づける。両手を重ねて右を向き、深呼吸を5回ほど繰り返す。
松尾さん

うつ伏せでお腹が圧迫されていますが、できる範囲で吸う息でお腹を膨らませてみましょう。そうすることで息を吐くときに体の重さがじんわりと感じられてリラックス効果が高まります。

  1. 息を吸いながら頭を持ち上げ、両手を胸の横につける。右のお尻をぐっと持ち上げて、股関節に気をつけながら右足をゆっくり後ろに引き、両足を揃える。そのあと反対側も同様に行う。最後はゆっくり起き上がる。

※股関節に痛みを感じる方はこのポーズは様子を見ながら行いましょう。
※膝が床に当たって痛い方は膝の下にタオルなどを引いてもOK!
※股関節に左右差がある場合は無理をせずに、それぞれの状態に合わせて行いましょう。

続けることがポイント。1日5分のストレッチで心地よい眠りを味わおう

現代人は忙しさやストレスから緊張状態が続き、布団に入ってもなかなか脱力できない人が多いのだといいます。「リラックスできない」「もっとぐっすり眠りたい」「眠気がなかなか訪れない」といったときには、この記事で紹介した腹式呼吸とストレッチを試してみてください。毎日少しずつでも続けることがポイントなので、ぜひ寝る前の習慣にしましょう。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部+ノオト 写真:藤原葉子
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