思春期・更年期

周囲に理解してほしい!更年期にズシっとくる余計な一言!

更年期の不調を上手に乗り越えるためには、本人はもちろん周囲の人が、この時期に起こりうる体の変化や症状を理解し、支えていく視点が大切です。とはいえ、更年期症状は多様で、他人にはわかりにくいもの。つい心ないこんな一言を発していませんか?

更年期には、怒りっぽくなったり、反対にうつっぽくなったりする「メンタルの不調」が多くみられます。自分ではコントロールが難しい不調を茶化されるのはつらいもの。「私にできることがあったら言ってくださいね」の一言で、お互い気持ちよく過ごしたいですね。

ホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)や発汗、動悸、めまい、手足の冷えといった症状は自律神経症状と呼ばれ、代表的な更年期症状として一般的にも知られていますが、病気でなくても本人にとってはつらい症状。ぜひ休息や受診の機会をもてるような思いやりの一言を。

更年期には「疲れやすくなった」「気力がわかず前向きになれない」といった感覚をもつ人が少なくありません。やりたいと思ってもできないことに本人もストレスを抱えているため、「調子が悪そうに見えるよ、手伝えることある?」とさり気ないサポートを。

不調に悩む女性がいる一方で、更年期を迎えてもさしたる不調を感じない女性も約4割います。こうした女性は「更年期に症状がなかった」という意味で「自分には更年期なんてなかった」と相手を比べがち。けれど、自分とは違う経験をしている人がいることへの配慮もぜひ忘れずに。

自分の知らないつらさを感じている人がいることを思いやればみんながHAPPYに!

高尾美穂 先生

【監修】高尾美穂 先生

(女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長/産婦人科医)

「すべての女性によりよい未来を」をモットーに更年期障害等の啓発活動に積極的に取り組む。著書に『いちばん親切な更年期の教科書』(世界文化社)等。

ヘルス・グラフィックマガジンvol.44

ヘルス・グラフィックマガジンvol.44
「思春期・更年期」より転載(2022年6月15日発行)

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