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思春期・更年期
更年期も病院へいこう
我慢できないほどじゃないし……なんて遠慮する必要はナシ。つらい症状に困ったときには上手に医療を頼りましょ。
女性の更年期障害の治療を専門とするのは、ずばり婦人科。女性外来や更年期外来などの専門の外来を設けている医療機関もあります。地域の医療機関を検索してみましょう。
40歳以降、月経周期の乱れとともに心身の不調が現れてきた場合には受診を考慮してみましょう。症状のせいで日常生活を思うように送れず困ったときには、遠慮なく早めの相談を。
医師による問診や各種検査の結果、不調の原因がほかの病気ではなく、更年期障害であると診断された場合には、本人の意向や希望に応じて主に次のような治療が行われます。
体の中でつくられなくなった女性ホルモン(エストロゲン)を体外から補充して症状の改善を目指す治療法です。たとえば、のぼせ・ほてり、発汗などの自律神経症状であれば、2か月治療を続けることで9割程度の改善が見込めるほか、腟萎縮による性交痛の軽減や、閉経後に増える生活習慣病(動脈硬化や骨粗鬆症など)予防にも効果が期待できます。内服薬のほか、皮膚に貼るタイプや腟内挿入タイプなど、さまざまな補充の方法があります。
イライラや落ち込みなどのメンタル不調、頭痛、倦怠感、不眠のような幅広い症状に、医療機関でも広く漢方薬による治療が行われています。ホルモン補充療法と併用することもできます。
体の状態(がんや血栓症などほかの病気がある等)によっては補充療法を受けられない場合も。必要な診察や検査を受け、医師の判断のもとで慎重に治療が開始されます。
治療の初期に、不正出血や胸の張りなどが現れることがありますが、多くの場合一時的です。副作用として乳がんなどの発症リスクを心配する人もいますが、リスクの上昇はごくわずか。定期的な診察や検診を受けながらであれば、安全に有効な治療を続けることができます。
症状の改善具合に応じて、医師と相談して決めていきます。ホルモン補充療法によって体調が安定し、自分に合っていると感じれば、定期的な診察や検診を受けながら生涯続けていくこともできます。
男性更年期治療の窓口は泌尿器科です(メンズヘルス外来、男性更年期外来など、専門の外来を設けている医療機関もあります)。女性と同様に、男性ホルモン(テストステロン)を体外から補充するホルモン補充療法を中心とした治療を受けることができます。男性も、困ったときはためらわずにぜひ相談を!
【監修】高尾美穂 先生
(女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長/産婦人科医)
「すべての女性によりよい未来を」をモットーに更年期障害等の啓発活動に積極的に取り組む。著書に『いちばん親切な更年期の教科書』(世界文化社)等。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.44
「思春期・更年期」より転載(2022年6月15日発行)