内臓脂肪

食心理学研究室

実は私たちの生活のあらゆるシーンに応用されている心理学。日々の食事にも心理学を取り入れることで無意識のうちに食べる量を減らすことができるのか?! まだまだ食べ盛りも多い編集部メンバーが体当たりで検証しました。

健康診断の結果が気になりだすお年頃(30〜50代)の編集部員が、検証!
編集部のメンバー10人に食事をしてもらい 食事の前後で体重の増加量を測定。 1回目は食事量が減りやすい条件、2回目は 増えやすい条件のもと、3日間あけて実施した。

なお、両日ともメンバーには「食事に関する実験」ということのみを伝え、大皿で料理を10品準備した。
バイキング形式でおのおのの取り皿に料理を取って食事をしてもらった。食べ物・飲み物ともにおかわりは自由。メニューは2回とも同じものを提供。

食べる量が減りやすい条件と食べる量が増えやすい条件

結果

編集部員A

何度もおかわりに行くのが面倒だったから2回目の食事では、一度にたくさんの種類をお皿に盛っちゃったよ。こんなに量が増えるなんて。

編集部員B

ばっかり食べは、少し味に飽きちゃった。2回目は自由に食べることができたので、飽きがこなくてずーっと食べ続けられそうでした。

編集部員C

1回目も2回目も、いつも通り腹八分目を意識して食べていました。私にはあまり効果がなかったみたいですね。

編集部員D

飲み物は「1本」という単位で認識していたので、おかわりはしませんでしたが、500mlだと無意識にたくさん飲んでしまったみたい。

総評

監修 坂井信 部之先生より

今回の実験では2回目の条件下での食事において、食事量が有意に増加しました。これらの条件はアメリカで行われた心理学実験に基づいて設定したものでしたが、日本でも同じような結果が確認されたことは興味深いです。また、この実験は効果を知っていても無意識に食事量を変化させることが知られています。ポイントは自分で食べた量をきちんと把握するという単純なことですから、ぜひ毎日の食事にご活用ください。手始めに、お茶碗を一回り小さいものにしてみてはいかがでしょうか?

*結果は一例です。極端な食事制限は体を壊す可能性もあるので、無理のない範囲で取り入れましょう。

坂井 信之先生

東北大学 文学研究科心理学研究室 教授

食行動の心理学のエキスパート。著書に『香りや見た目で脳を勘違いさせる 毎日が楽しくなる応用心理学』など。

ヘルス・グラフィックマガジンvol.31「内臓脂肪」

ヘルス・グラフィックマガジンvol.31
「内臓脂肪」より転載(2018年10月15日発行)

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