耳を傾けよう!耳のSOS
耳の不調=きこえない、だけではありません。
日頃から、ちょっと気になるこんな症状はありませんか?
もしかすると、それは耳からのSOSかも。
お悩みの主な原因や予防・対処法をまとめました。
耳掃除など耳への物理的な刺激による外耳炎や、乾燥、アレルギーによる湿疹などが多い。また、近年使用者が増えているイヤホンも耳への刺激の一因に。
耳を触りすぎない。耳掃除を控えめに。
痛みがズキズキと続く場合、急性中耳炎であることが多い。鼻水・鼻づまりなどをきっかけに子どもが発症しやすい。たまにズキッと痛む場合、多くは外耳炎が原因。また、のどの炎症や顎関節症が原因で耳に痛みを感じることもある。
鼻水はしっかりかむ(すすらない)。耳への刺激を減らす(耳掃除を控えめに)。
透明な液体の場合は外耳炎や外耳道湿疹など皮膚の炎症によるものが多い。黄色い液体の場合はウイルスや細菌感染による中耳炎であることが多い。
止まらない・痛みなど他の症状を伴う場合は耳鼻咽喉科を受診。
自分の声がひびく場合は、耳管が開いたままになる耳管開放症が多い。やせ型の女性に多く、自分の声の音量がわからなくなり苦痛を感じることも。周囲の音がひびいたり過度に大きくきこえる場合、内耳や中耳の異常による難聴や聴覚過敏の疑いあり。
一時的であれば様子を見て、続くようなら耳鼻咽喉科を受診。
キーンやピーのような音は、難聴に付随して起こる耳鳴りであることが多い。カチカチやドクドクのような音は、筋肉の収縮や心臓の拍動といった自身の体内の音で、他人にもきこえるのが特徴。しないはずの話し声や音がきこえる場合は幻聴の可能性も。
一時の耳鳴りは誰にでも起こりうる。気になる耳鳴りは耳鼻咽喉科、幻聴は心の不調の可能性があるため、心療内科や精神科の受診を検討。
耳のこもり・つまった感じ(耳閉感)は聴力と密接に関係している。
気圧の変化などによる一時的な耳閉感はあまり心配ないが、続く場合や繰り返し起こる場合は耳の病気である可能性もあるため、一度は耳鼻咽喉科を受診。
耳垢がつまって耳栓状態になっているか、難聴を発症している可能性あり。
特に急に症状が現れた場合、他の病気の合併症の可能性や、早急な治療が必要なことがあるため、ためらわず早めに耳鼻咽喉科へ。なお、つまりすぎた耳垢の除去も耳鼻咽喉科に任せてOK。
※症状に対し頻度の高い原因を掲載しています。ここにあげた主な原因以外にも、さまざまな原因で症状が現れることがあります。
【監修】小森 学 先生
(聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室 主任教授)
「耳」診療のエキスパート。耳科手術を多く手掛けるほか、小児の耳鼻咽喉疾患も専門とする。補聴器適合判定医・補聴器相談医。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.52
「耳の不調」より転載(2024年6月17日発行)