家族でロコモ対策! 転部さん一家の転倒予防
みんなで転倒・転落からのケガを防いでロコモ予防!
ロコモの大きなリスクとなる「転倒・転落」。年齢を重ねて骨や筋肉が衰えてくると、よりそのリスクが高まり、骨折などの大事故につながりやすくなります。高齢者の事故は屋内で起こりやすく、事故のきっかけのおよそ半分を転倒・転落が占めるという事実も。危険な場所や要因を家族みんなで確認して、転ばない一家をめざそう!
最も転落が起こりやすい階段に対策を。ホームセンターや介護用品店で扱っている階段用すべり止めマットは、設置簡単で効果的。階段の形に合わせてカットもOK。
せっかく手すりがあっても、その前を物が塞いでいたら役立たず。手すりの前には物を置かない、を家族みんなのルールに!
築年数の経った家屋では、部屋の中央に照明が1つ、という部屋が多いもの。すると照明を背にしたとき、足元にはとたんに濃い影ができ、段差が見分けにくくなって、転倒の要因に。複数照明で影を分散させる工夫をしよう。
電球の交換や高い所の物を取ろうとしたときに起こりやすいのが転落。高い位置の作業は無理せず、若い家族が担当しよう。別居している家族は、訪問時に電球切れのチェックを。
木造の敷居は、経年の日焼けで段差の側面と上面の色が同化し、特に視力の低下する高齢期には立体的に見えにくくなります。テープを貼ったり足元灯を置くなどして、段差を認識しやすくしよう。
部屋の入口や動線上を這う延長コードは転倒の最も危険な要素。特に扇風機などの季節用品は、つい手近なコンセントから電源を取りがち。長めの延長コードを部屋の四隅に回すなど対策を。
すべり止めがついていないラグやマットには、市販のすべり止めネットを下に敷いて、よれやズレを防ごう。
昼間は外光で明るくても、夜になると暗がりになる場所は意外に多いもの。コンセントに差し込むタイプや置型の足元灯を設置して、特に動線にある暗がりを減らそう。
家庭内の転倒・転落、予防のポイント!●転落で多いのは階段、転倒で多いのは居室(普段過ごす部屋)・寝室・廊下。日頃過ごし慣れている場所が盲点になりやすいことに注意!●昼と夜とでは住まいの姿は違うもの。事故は夜間~早朝に多いため、夜の姿を特によく確認!●季節によっても住まいの姿は変わる。夏と冬、少なくとも年2回は家屋内全体をチェック!●明らかな段差や風呂場、トイレといった気になる場所だけでなく、一歩下がって住まい全体を見渡そう。大掛かりな住宅改修の前に、できることがたくさん見えてくるはず!
【監修】橋本 美芽 先生
(首都大学東京 大学院 人間健康科学研究科 准教授)
住環境整備学のエキスパート。一級建築士、福祉用具プランナー、介護支援専門員として、住環境整備の研究や指導を行っている。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.29
「ロコモ」より転載(2018年4月16日発行)