けっこうしらない！？血圧のふしぎ

そもそも「血圧」って？高いとなぜまずいの？ここを読めば、ひとまずさくっとわかります。

60兆ともいわれる人体の細胞のすみずみにまで酸素や栄養を届けるのが血液の役割ですが、血圧は、その血液を全身に循環させるために必要な圧力。ポンプの役割を果たす心臓から送り出された血液によって生じる、大動脈をはじめとした太い動脈にかかる圧力のことを「血圧」と呼んでいます。

心臓が収縮して一気に血液を送り出したときに動脈にかかる最も高い圧力のことを最高血圧（収縮期血圧）＝「上の血圧」、心臓が拡張して再び収縮が始まる直前、最も低くなった圧力のことを最低血圧（拡張期血圧）＝「下の血圧」と呼んでいます。

高血圧とは、上下の血圧のどちらか一方または両方が140/90mmHg以上である場合のこと。高い圧がかかり続けることで血管のしなやかさが失われて動脈硬化が進み、値が高くなればなるほど、将来、心不全や脳卒中などの重い脳心血管病を発症したり、これらの病気で亡くなるリスクが高まることが明らかにされています。

健診や受診の際に医療機関で測る血圧を「診察室血圧」、家庭で自分で測る血圧のことを「家庭血圧」と呼びます^＊。家庭血圧の信頼性は高く、診断にも用いられます。血圧が上がり始める年齢（男性は40歳代、女性は50歳前後）になったら、ぜひ家庭での血圧測定を習慣に。自分の血圧を知って早めに生活改善に取り組むことで、高血圧の発症率は半分以下になります。

＊家庭で測る血圧（家庭血圧）は、医療機関で測る血圧（診察室血圧）よりも概ね－5mmHg程度になることから、家庭血圧の基準値はすべて診察室血圧－5mmHgです（たとえば正常血圧は「115/75mmHg未満」となる）。

高血圧ではなくても、上が120～139mmHgかつ・または下が80～89mmHgならば「血圧高め」（正常高値血圧～高値血圧）に該当。高血圧の人ほどではないものの、正常血圧の人に比べると、やはり脳心血管病の発症リスクが高く、かつ高血圧に移行しやすい“高血圧予備軍” です。特に上の血圧が130（家庭血圧125）mmHg以上の人は要注意！