正しく知って、やさしくケア。起立性調節障害 起きれネーゼは、ぐうたらじゃない
昼間や夜は元気なのに、朝になると起きられない――。一見ただのぐうたらのようですが、実はそれ、思春期に特有の病気かもしれません。
横になった状態から起き上がる際に、血圧を調整する役割をもつ自律神経が十分に働かず、上半身や脳に血液が行き渡らないために、吐き気や頭痛、めまい、立ちくらみなどの症状が現れ、立ち上がって行動することが困難になる自律神経の病気。思春期に起こりやすく、症状は朝に強く、昼頃から軽くなるため、周囲には「怠惰」や「仮病」のように見えることがあります。
上記のような症状があり、朝の決められた時間に登校ができない状態が続く場合は、かかりつけの小児科の先生に相談を。適切な生活指導や治療を受けることによって、症状の改善が見込めます。
【監修】吉田誠司 先生
(大阪医科薬科大学医学部小児科学教室 助教)
子どもの心身症、自律神経疾患診療のエキスパート。日本小児心身医学会監修のYouTube動画「起立性調節障害 〜クラスメートに知ってほしいこと〜」の作成を担当するなど、疾患の啓発活動にも力を入れている。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.44
「思春期・更年期」より転載(2022年6月15日発行)