まずはやめたいその、お手入れ NG SKINCARE
自己流になりがちな顔のスキンケアや保湿ケア。誤った認識でケアを続けると、時に逆効果になることも。あなたの思い込み、皮膚科学の観点からジャッジします。
クレンジングや洗顔の目的は、メイクやほこり、皮脂汚れなどを落とすこと。必要以上に時間をかけると、潤いを保つ皮膚の成分(天然保湿因子NMFや細胞間脂質)まで流してしまいかねません。くまなく、かつテキパキ行いましょう。
洗顔後、やさしくタオルドライしたら、あまり時間をおかずにスキンケアを行うのがベーシック。肌が乾燥したほうが浸透がよくなるとは、必ずしも言えません。むしろ、洗顔で失われたお肌の保湿成分を早めに補ってあげたいものです。
そんなことはありません。とても意味があります。化粧水には水分以外にも様々な保湿成分が含まれており、水分を肌にとどまらせたり、次に使う乳液やクリームなどのなじみをよくするといった働きがあります。最も基本的なスキンケアアイテムです。
化粧品はその使い方までを考慮して設計されているため、製品ごとに「使用方法」を確認するのがベスト。コットンの使用を勧める製品もあれば、手にとってなじませる方法を勧める製品もあるはずです。化粧水にかぎらず、アイテムを変えたらその都度確認を。
顔のスキンケアの基本アイテムは、洗顔料・化粧水・乳液。クリームや美容液はオプションで、乾燥などの悩みに応じて加えます。また、どのメーカーもシリーズでの使用を前提に製品を設計しているため、同一ブランドでそろえて使うほうがより効果的です。
高価な製品には相応の成分や工夫が盛り込まれていますが、肌を甘やかすことには直結しません。一方で、安かろう=悪かろうかというと、それも違います。日本のスキンケア製品はレベルが高く優れたものが多いので、色々試して自分の肌に合ったもの、ある程度継続して使えるものを選ぶのがベストです。
もちろん男性にもスキンケアは必要です。男性特有の肌事情に、毎日の「ひげ剃り」があります。肌にとっては大きな負担であり、皮膚のバリア機能は低下しがち。アフターシェーブローションや、女性と同様の基本ケア(化粧水・乳液など)で、しっかり潤いを補うことを勧めます。
絶対NG!植物成分の中には、光アレルギーや光毒性といって、太陽光などに当たるとアレルギー物質や毒性物質に変化する成分が含まれていることがあり、皮膚の炎症を引き起こすおそれが。未精製の天然物でのお手入れには、こうしたリスクがつきものと心得て。
【監修】平尾 哲二 先生
(千葉科学大学薬学部生命薬科学科 化粧品科学研究室 教授)
皮膚科学・化粧品科学のエキスパート。著書に『医師・医療スタッフのための化粧品ハンドブック』など。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.28
「乾燥肌」より転載(2018年1月15日発行)