乾燥肌

まずはやめたいその、お手入れ NG SKINCARE

自己流になりがちな顔のスキンケアや保湿ケア。誤った認識でケアを続けると、時に逆効果になることも。あなたの思い込み、皮膚科学の観点からジャッジします。

クレンジングや洗顔はできるだけ時間をかけて念入りに行う?

クレンジングや洗顔の目的は、メイクやほこり、皮脂汚れなどを落とすこと。必要以上に時間をかけると、潤いを保つ皮膚の成分(天然保湿因子NMFや細胞間脂質)まで流してしまいかねません。くまなく、かつテキパキ行いましょう。

スキンケア成分は洗顔後しばらくのち肌が乾燥してからのほうが浸透する?

洗顔後、やさしくタオルドライしたら、あまり時間をおかずにスキンケアを行うのがベーシック。肌が乾燥したほうが浸透がよくなるとは、必ずしも言えません。むしろ、洗顔で失われたお肌の保湿成分を早めに補ってあげたいものです。

化粧水は成分がほとんど水なので、つけてもあまり意味はない?

そんなことはありません。とても意味があります。化粧水には水分以外にも様々な保湿成分が含まれており、水分を肌にとどまらせたり、次に使う乳液やクリームなどのなじみをよくするといった働きがあります。最も基本的なスキンケアアイテムです。

化粧水は必ずコットンにつけて使うべき?

化粧品はその使い方までを考慮して設計されているため、製品ごとに「使用方法」を確認するのがベスト。コットンの使用を勧める製品もあれば、手にとってなじませる方法を勧める製品もあるはずです。化粧水にかぎらず、アイテムを変えたらその都度確認を。

乳液・クリーム・美容液はいずれか1つだけ使えばよい?

顔のスキンケアの基本アイテムは、洗顔料・化粧水・乳液。クリームや美容液はオプションで、乾燥などの悩みに応じて加えます。また、どのメーカーもシリーズでの使用を前提に製品を設計しているため、同一ブランドでそろえて使うほうがより効果的です。

高価なスキンケア製品は肌を甘やかすので使わないほうがよい?

高価な製品には相応の成分や工夫が盛り込まれていますが、肌を甘やかすことには直結しません。一方で、安かろう=悪かろうかというと、それも違います。日本のスキンケア製品はレベルが高く優れたものが多いので、色々試して自分の肌に合ったもの、ある程度継続して使えるものを選ぶのがベストです。

男性にスキンケアはいらない?

もちろん男性にもスキンケアは必要です。男性特有の肌事情に、毎日の「ひげ剃り」があります。肌にとっては大きな負担であり、皮膚のバリア機能は低下しがち。アフターシェーブローションや、女性と同様の基本ケア(化粧水・乳液など)で、しっかり潤いを補うことを勧めます。

レモンパックやキュウリパックは究極の保湿ケアになる?

絶対NG!植物成分の中には、光アレルギーや光毒性といって、太陽光などに当たるとアレルギー物質や毒性物質に変化する成分が含まれていることがあり、皮膚の炎症を引き起こすおそれが。未精製の天然物でのお手入れには、こうしたリスクがつきものと心得て。

平尾哲二 先生

【監修】平尾 哲二 先生

(千葉科学大学薬学部生命薬科学科 化粧品科学研究室 教授)

皮膚科学・化粧品科学のエキスパート。著書に『医師・医療スタッフのための化粧品ハンドブック』など。

ヘルス・グラフィックマガジンvol.28「乾燥肌」

ヘルス・グラフィックマガジンvol.28
「乾燥肌」より転載(2018年1月15日発行)

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