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その方法間違ってるかも!? 皮膚科医が教えるスキンケア

「お肌のギモンはあれこれあるけど、わざわざ皮膚科に行って聞くまでのことではないし。でもやっぱり気になるなあ」という方は多いかもしれません。そこで、HELiCO編集部が肌にまつわるさまざまなギモンを皮膚科専門医の関東裕美先生にお聞きしてきました。お肌の曲がり角となる年齢や、肌荒れ時の化粧のことなど、意外と知らなかったことがあったり、もしかしたら間違ったスキンケアをしたりしているかも。

INDEX

Q1. お肌の曲がり角は何歳から?
Q2. 荒れた肌に化粧は厳禁?
Q3. 自分に合ったスキンケア用品を見つけるコツは?
Q4. 洗顔方法で気をつけることは?
Q5. 肌のターンオーバーってどのくらいのペースで起きているの?
Q6. 肌荒れ予防・改善にサプリメントは効果的?
Q7. 皮膚科を受診した方がいいタイミングは?

Q1. お肌の曲がり角は何歳から?

A. 肌は、さまざまな要因によって状態が変化します。その要因の1つがホルモンバランス。女性においては、女性ホルモンの分泌量が低下する更年期(45歳から55歳頃)はお肌の曲がり角といえます。

また、「曲がり角」とは少し異なりますが、ホルモンバランスの変化という意味では思春期や月経前、妊娠・出産時もホルモンバランスが大きく変化しますので、肌荒れが起こりやすくなったり、反対に非常に肌の調子がよくなったりすることも。

お肌の曲がり角

Q2. 荒れた肌に化粧は厳禁?

A. 肌荒れ時は肌への負担を減らすために化粧をまったくしないという方もいらっしゃいます。たしかに過度な化粧は肌への負担になりますが、肌が弱っているときこそ「肌を守る化粧」が重要。化粧は紫外線や花粉などの刺激から肌を守る、保湿をするという効果が期待できます。肌が荒れているときには、下地やファンデーションなど最低限のメイクをして、肌への負担を抑えながらしっかりと保護することを心がけましょう。

また、近年は自然由来の成分を中心としたオーガニックのスキンケア用品・化粧品が肌にやさしいといわれることもありますが、自然由来であるがゆえに配合成分によってはアレルギー反応を起こす方も。大切なのは、「自分自身の肌に合うもの」を使用することです。

Q3. 自分に合ったスキンケア用品を見つけるコツは?

A. 肌に合う・合わないというのは、個人的な感覚によるものです。ですが、洗顔料によって「つっぱる」感覚が生じるものは、肌の保護などに必要な油分まで落としてしまっている可能性があるので気をつけましょう。気温や湿度によっても肌の状態は変わるので、季節ごとにスキンケア用品を使い分けるのもオススメ。

肌荒れをしていないにも関わらず、特定のスキンケア用品や化粧品を使用した際に肌に痛み(しみる、ヒリヒリするなど)が生じた場合は、刺激性のかぶれ、それが続いてしまうとアレルギー性のかぶれに進展してくる可能性があります。しみるものはいったん中止して肌を守る製品のみを使用しましょう。肌状態が改善したら再度試してみて問題なければ使用できます。

Q4. 洗顔方法で気をつけることは?

A. お肌の油分が多いと感じたときには、ジェルやスクラブ入りなどの洗浄力が強めの洗顔料を使って顔を洗ったり、クレンジングと洗顔料を使って「ダブル洗顔」をしたりすることで肌のトラブルを防げる場合があります。特に、男性や月経前の女性は、油分が多くなりやすいので油性肌に適した洗顔料を選ぶのが良いでしょう。

また、性別を問わず、年齢を重ねていくにつれて肌の状態は変わっていきます。30代半ば以降は、乾燥しやすい肌の傾向になってきます。汗、油分が多くなりやすい夏以外は、肌への刺激が強いダブル洗顔を避けたり、刺激の少ない泡洗顔をしたりするなど、ご自身の肌の状態に合った洗顔をしてみましょう。

Q5. 肌のターンオーバーってどのくらいのペースで起きているの?

A. 肌の細胞が一定の周期で生まれ変わることを「ターンオーバー」といいます。ターンオーバーは大体1か月に1回の周期で起きていますが、加齢とともに代謝が鈍って少しずつその周期が乱れていきます。すると、古い角質が剝がれにくくなり、くすみの原因となります。ただし、こすり取ることは肌への刺激になるのでNG。ターンオーバーの促進には、質の良い睡眠、保湿、バランスの良い食事が大きな影響を与えます。生活習慣を見直し、いかに肌への負担を少なくしながら、ターンオーバーを促進できるかという点が重要になります。

肌のターンオーバー

Q6. 肌荒れ予防・改善にサプリメントは効果的?

A. 肌の状態をよくするためには、内側からのケアも重要です。通常の食事などから必要な栄養素をきちんと摂取できていれば問題はありませんが、偏りや不足などがある場合にはぜひサプリメントの活用を。ビタミン群を摂取できるサプリメントや女性ホルモンのバランスを整える漢方などさまざまなものがあるので、薬局で薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。

Q7. 皮膚科を受診した方がいいタイミングは?

A. 肌荒れは、重症化する前に対処することがとても重要です。少しでも気になることがあれば遠慮せずにぜひ皮膚科の受診を! 軽症であれば薬を使用しなくても改善できるケースも多々あります。また、皮膚科では日常生活におけるスキンケアについて指導を受けることができます。

アレルギー体質でありながら、何に対するアレルギー反応なのかがわからないという方に対しては、アレルギー検査をすることがあります。血液検査で、花粉やハウスダスト、動物、食べ物に対するアレルギーの有無がわかります。アレルギー体質かもしれないと感じた場合も、お早めに皮膚科へ。

皆さんが気になっていたお肌のギモンは解決できましたか? 自分の肌と上手につき合っていくためにも、正しい知識をもって肌と向き合いましょう。

教えてくれたのは・・・
関東 裕美先生

東邦医療センター大森病院 スキンヘルスセンター長、皮膚科学臨床教授を経て退官。
現在、東邦大学医学部皮膚科学講座客員教授として診療にあたる。
皮膚科専門医。1980年 東邦大学医学部医学科卒業。日本皮膚科学会代議員、日本皮膚免疫アレルギー学会学術教育委員会委員、日本接触皮膚炎研究班班長、日本美容皮膚科学会理事、日本香粧品学会評議員、日本エステティック研究財団理事長、 日本毛髪科学協会副理事長、厚生労働省家庭用品などに係る健康被害病院モニター委員、厚生労働省家庭用品専門家会議委員、厚生労働省薬事・食品衛生審議会臨時委員、消費者庁消費者安全調査委員会専門委員、国民生活センター商品テスト分析・評価委員会委員。専門は皮膚アレルギー、特殊外来でアトピー性皮膚炎と接触性皮膚炎診療を担当する。「化粧品は皮膚を守るもの」をモットーに、肌荒れをしていても化粧をやめない、乾燥を予防するスキンケアを推奨しており、子どもから大人まで幅広い年代の女性患者が受診している。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:umao
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