花粉ショーグンの、自己流対策。
さまざまな花粉症対策の情報が飛び交う昨今。
花粉ショーグンのような自己流対策に心当たりはありませんか?
よかれと思ってやっていたことが徒労に終わる…なんてことがないよう、正しい知識で花粉症対策をしましょう。

薬は飲みつつ花粉回避は怠らない!
「薬を飲んでいるから大丈夫」と安心し、花粉の回避が手薄になっている人、意外と多いそう。アレルギー治療の第一歩は抗原の回避です。マスク着用はもちろん、掃除やグッズの活用など基本の対策も忘れずに。

鼻や目の洗浄は生理食塩水か人工涙液で!
鼻や目に付着した花粉は洗い流すのが◎。ただし洗顔ついでに水道水で行うのはNG。塩素を含む水道水は鼻の粘膜や目の表面を傷つけてしまいます。また、浸透圧の違いで鼻が痛くなることも。鼻は体液に近い生理食塩水や市販の洗浄液、目は市販の人工涙液で洗いましょう。

薬が合わない場合は医師に相談しよう!
花粉症の薬物療法で用いられる抗ヒスタミン薬は、現在では眠気などの副作用が少ないものが主流となっています。ただし、副作用や効果の現れ方には個人差があります。薬が合わない場合は自己判断で中断せず、医師に相談のうえ別の薬にトライしてみてください。

症状のコントロールは薬でしっかりと!
ヨーグルトなどの乳酸菌食品や甜茶、バナナなど、花粉症の症状を緩和するといわれる食品はさまざまありますが、その多くは有効性が十分に確認されておらず、いずれも薬物療法に代わるものではありません。食品頼みでの症状コントロールは難しいものと心得たうえで、上手に日々の食事に取り入れてみるのがよいですね。

せっかく置くなら花粉が浮遊しやすい場所に!
花粉対策としての空気清浄機は、花粉が浮遊しやすい場所に置いてこそ真価を発揮。部屋の真ん中や寝室よりも、人の出入りが多いリビングの出入り口や、花粉の侵入口となる玄関に置くと、室内の花粉除去に効果的です。


【監修】川島 佳代子 先生
(大阪はびきの医療センター 耳鼻咽喉・頭頸部外科 主任部長)
アレルギー性鼻炎診療のエキスパート。一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が推進するプロジェクト「花粉症重症化ゼロ作戦」にてアレルギー性鼻炎の重症化予防の啓発活動なども行う。

ヘルス・グラフィックマガジンvol.54
「花粉症」より転載(2024年12月16日発行)