ぷにぷに習慣まちがいさがし
日々の生活の小さな行動の積み重ねが、内臓脂肪の蓄積につながります。自分の生活を振り返ってみましょう。
なんと喫煙は、皮下脂肪ではなく内臓脂肪をより増やす原因になるそう。その理由はまだ解明されていませんが、喫煙そのものがホルモンなどに影響を与えているという説や、喫煙者に共通した生活習慣によるものだという説があります。いずれにせよ、喫煙は内臓脂肪の大敵です。
人は視覚で食欲が刺激され食事をとり、脳にある満腹中枢が刺激されることで満腹感を得ています。ところが、ながら食べは食事に意識が向かないため食べた量を認識しづらくなります。また、満腹中枢に刺激が伝わるまでにはタイムラグが。つまり、ながら食べ・早食いをすることで、満腹感を得る前に必要以上に食べてしまうのです…。
これらは体内の中性脂肪を増やしやすく、消費されなかった分はそのまま体に蓄えられます。糖質の中でもバナナやぶどう、柿やドライフルーツなどに多く含まれる果糖は中性脂肪に変わりやすい性質があるので、果物だからヘルシー♡という油断は禁物!
エスカレーターではなく階段を使う、歩く速度をあげるなども立派な運動です。以前は20分以上続けて運動をしないと意味がない、といわれていましたが、今では1日1分でも日常生活+αで体を動かすほうがよいといわれています。それなら頑張れる気がしてきませんか?
平均睡眠時間が6時間未満もしくは9時間以上の人は、内臓脂肪が多くなる傾向にあります。さらに最近「時間栄養学」という分野の研究で、21時頃になると脂肪をためやすい遺伝子が活発に活動し始めることがわかってきました。そのため同じ内容の食事でも、夜遅くに食事をするとより脂肪がつきやすいのです。
ストレスを感じたとき、ごはんやお菓子をドカ食いした経験はありませんか? 実は、ストレスが慢性化すると「ストレスホルモン」と呼ばれるものが分泌されます。なんとこのホルモンには、食欲を高めるはたらきがあるのです。ストレス発散は重要ですが食べすぎにはご用心…。
宮崎 滋 先生
公益財団法人結核予防会
総合健診推進センター 所長
日本肥満症予防協会の副理事長も務める肥満症治療のエキスパート。臨床現場にて多くの肥満症患者と向き合い、治療や生活習慣改善のためのアドバイスなどを行っている。●総合健診推進センターURL:https://www.ichiken.org/
ヘルス・グラフィックマガジンvol.31
「内臓脂肪」より転載(2018年10月15日発行)