大人として性についてのWHAT YOU SAY.
最も大切にしたいのは、子どもの質問から逃げたりはぐらかしたりしない姿勢。子どもの質問自体を否定するような返答は避け、一呼吸置くつもりで、まずは子どもの質問をしっかり受けとめましょう。真摯に向き合ってくれる大人の姿から、子どもはそれが大切な話なのだと感じることができます。
「子ども」と一口に言っても、興味・関心や知識のレベルは年齢や発達段階によってバラバラ。大人が考える答えとその子が知りたい内容はしばしば合致しないこともあります。正確な情報を伝えることはもちろん大切ですが、まずは対話を引き出す声掛けで、質問の背景や子どもの知識レベルを推測しながら、その子に合った内容や伝わりやすい言葉を探っていきましょう。
質問された大人側の知識が不十分なときには、知ったかぶりをしないこと。本やインターネット等の活用はもちろん、思春期の悩みや心配事、知りたいことを相談できる公的な窓口は、意外と身近にあるものです。悩みをもつ本人だけでなく、周りの大人もこうした社会資源を活用して情報を収集し、社会全体で子どもの幸せな性を育んでいきましょう。
【監修】北村 邦夫 先生
(日本家族計画協会会長、日本家族計画協会クリニック所長/産婦人科医)
思春期の体の変化や避妊など、思春期の性(性教育)に関するエキスパート。著書に『ティーンズ・ボディーブック』(中央公論新社)など多数。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.44
「思春期・更年期」より転載(2022年6月15日発行)