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今すぐできる!疲れ目を癒すエクササイズ&ツボ押し

日常的にパソコンやスマートフォンを使用するなかで、目の疲れを感じたことのある方は多いのではないでしょうか。目の疲れが蓄積すると、頭痛や肩こりなどの全身症状にもつながるため、その日の目の疲れはその日のうちにとってあげることが大切です。

本記事では、ちょっとしたスキマ時間で実践できる、目のエクササイズやツボ押しをご紹介します。

教えてくれるのは…
有田 玲子先生
伊藤医院眼科 副院長

京都府立医科大学卒業、京都府立医科大学大学院博士課程修了。その後、慶應義塾大学眼科助手を経て伊藤医院眼科副院長に。書籍『眼精疲労がとれて、よく見える!目のすっきりストレッチ』(成美堂出版)の監修も務める。一般の方にわかりやすく疲れ目やドライアイについて解説するYouTubeも大好評。

目はなぜ疲れるの?

人はものを見るとき、カメラのオートフォーカス機能のように、自動的に見たいものにピントを合わせています。そのときに使われる「毛様体筋(もうようたいきん)」という目の筋肉は、私たちが起きている間、働き続けています。

また、ピントを合わせるうえでもうひとつ欠かせないのが「目の表面の涙」。長時間パソコンやスマホに集中してまばたきの回数が減ると、涙が渇き、ピントが合いづらくなり、余計に毛様体筋に負担がかかってしまいます。

歩き続ければ足が疲れてくるのと同様に、起床から時間が経てば経つほど目は疲労していきます。これが「疲れ目」の状態です。疲れ目の症状は、休憩や睡眠で目を休めることで緩和や改善が見込めます。

しかし、睡眠をとっても目が疲れている、まぶたがピクピクと痙攣している、頭痛・肩こりなどの症状を伴っている状態を、「眼精疲労」といいます。
 
日々の生活のなかで、ある程度目が疲労してしまうのは仕方ありません。大切なのは、目の疲れをいかに翌日に持ち越さないようにするか、疲れを溜め込まないようにするか、ということなのです。

出社前にできる! 目をいたわるエクササイズ

疲れ目や眼精疲労の予防・改善のために、すぐに実践できるエクササイズやトレーニングをご紹介します。ぜひ実践してみてください。

1目にもよい影響をおよぼす「ラジオ体操」

筋肉が働くためには、血流に乗って酸素や栄養が全身にきちんと送られる必要があり、目のピントを調節する毛様体筋も例外ではありません。また、首や肩が凝ると、目の周辺に送られる血流も滞ってしまいます。

そこでおすすめなのが、おなじみの「ラジオ体操」。ラジオ体操はとてもよく考えられた動きで構成されているので、起き抜けに実施すると全身の血行促進に役立ち、結果的に目にもよい影響をおよぼします。忙しくて時間が取れないときは、覚えている動きを数個行うだけでもOKです。

2電車通勤しながらできる「ピントトレーニング」

近くと遠くを交互に見ることは、ピントを合わせる毛様体筋をトレーニングするのにとても役立ちます。通勤電車などでスマホを数分見たあとは、窓の外を積極的に見るようにしてみましょう。遠くの看板の文字などに意識的にピントを合わせるとなおよいです。

電車以外でも、近くと遠くを交互に見ることは有用なため、仕事中や趣味の合間などにぜひ試してみてください。

3スキマ時間で気軽にできる「まばたき運動」

まばたきは、目の表面に涙のバリアを張るのに欠かせません。しかし、私たちは、集中しているときにはまばたきが減るだけでなく、まばたきをしているつもりでも、上下のまぶたがきちんと閉じられていないことがあります。

しっかりまばたきをするためには、まばたき運動をして、まぶたの筋肉を鍛えることが大切。仕事中などでも、気づいたときに積極的に試してみてください。

まばたき運動の手順

  1. 2回、軽く目を閉じる
  2. 少し強めに目を閉じる
    このとき、眉間にシワが寄るのはNG! 上まぶたに力を入れるイメージで行いましょう
  3. 目を開けて、まぶしいときに目を細めるようなイメージで下まぶたを持ち上げる
  4. 眉毛と目じりの間を指でおさえて上に引きあげ、上まぶたを固定して目を閉じる

 
※1~4までを1セットとして、5セット行う。

時間がないときは、1と2だけでもOK。上まぶたと下まぶたを意識してくっつけるようにしましょう。

仕事の合間にできる! 簡単ツボ押し

仕事中に目の疲れを感じたとき、その場ですぐに押せるツボを3つご紹介します。

ツボ押しのポイント

  • 自分が気持ちよいと思う強さで押す
  • 呼吸は止めずに、息を吐きながら5秒押し、息を吸いながら指を離して5秒ほど間を開ける
  • 眼球は押さないよう注意する

瞳子髎(どうしりょう)

眼精疲労や充血を和らげるツボ

攅竹(さんちく)

眼精疲労や涙目を和らげるツボ

天柱(てんちゅう)

眼精疲労や首・肩の凝りを和らげるツボ

目のために取り入れたい生活習慣

1日の終わりは、湯船でゆったり温まろう

湯船に浸かることは、目にもいい影響があります。まず、体が温まることで血流がよくなるため、毛様体筋や首・肩の筋肉をほぐすことにつながります。また、副交感神経が優位になり、体が「リラックスモード」になるため、涙や涙の蒸発を防ぐ油分が出やすくなり、ドライアイにも効果的です。

さらに、合わせて腹式呼吸を取り入れると、よりリラックス効果が高まるのでおすすめです。きちんとリラックスをすることで、その後の睡眠の質が高まり、寝ている間の体の回復力も高まります。腹式呼吸は、入浴中だけでなく就寝前に取り入れることも有用です。

栄養素でも目をいたわろう

目のために摂取する栄養素として有用なのが、鯖などの青魚や亜麻仁油に含まれているオメガ3系脂肪酸です。疲れ目・眼精疲労に悩んでいる方は、日々の食事に積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

目薬に頼りすぎない

目の疲れや乾燥を感じたとき、市販の目薬を使用している方は多いはず。もちろん補助的な使い方をする場合には、疲れ目やドライアイの改善が期待できます。

しかし、涙にはさまざまな栄養などが含まれており、それに勝る目薬はありません。用法用量を守らずに頻繁に目薬をさしてしまうと、大切な涙まで洗い流してしまうことになるため、使い方には注意が必要です。

その日の疲れはその日のうちに!

私たちは、毎日知らずしらずのうちに目を酷使しています。体のほかの部位と同じように、目にも徐々に疲労が蓄積していってしまうため、できる限り目に疲れを溜めない、疲労を取り除いてあげることを心がけてみてください。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部+ノオト イラスト:サンノ
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