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北陽・虻川さん「40歳過ぎて気になる目の不調」

かすみ目、疲れ目、ゴロゴロ、かゆみなど、さまざまな目の悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。「ここ最近、目が快適だったことがないんです」と話すのは、お笑いコンビ・北陽の虻川美穂子さん。ご自身のYouTubeチャンネルでも、日頃から目や体の健康について発信されています。

今回は、虻川さんに目のお悩みについてお聞きするとともに、ケイシン五反田アイクリニックの内野裕一先生をお招きして、悩みの原因や対処法を教えていただきます。「目がゴロゴロする」「疲れ目がしんどい」そんなお悩みを一緒に解決していきましょう!

虻川 美穂子さん

1974年生まれ、埼玉県出身。スクールJCA4期生。1995年、高校時代の同級生である伊藤さおりさんとお笑いコンビ「北陽」を結成。フジテレビ「はねるのトびら」でレギュラーに抜擢され、テレビのバラエティ番組だけでなく、俳優や声優としても活躍している。2010年に結婚、2014年には第1子を出産。2020年にはYouTube『北陽チャンネル』を開設している。
 
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCqeLKHWp_UBYzAEWYiYiH4A/
Instagram:https://www.instagram.com/hokuyou.abukawa/

内野裕一先生
ケイシン五反田アイクリニック 副院長

慶應義塾大学 医学部 卒業。東京電力病院 眼科科長やハーバード大学医学部などを経て、2022年慶應義塾大学眼科学教室 特任講師、ケイシン五反田アイクリニック 副院長に。
 
ケイシン五反田アイクリニック:https://www.keishin-eye.com/
[監修者] 内野裕一先生:https://www.keishin-eye.com/greeting.php

20代前半でレーシック手術。40歳を過ぎて出てきた違和感

―今回のテーマは、『目の不調』です。いま、虻川さんが感じている目の不調を教えてください。

虻川さん

目は、大事にしたいと思いながらいつも過ごしているんですけど、最近はめっきり調子が悪くて……。ゴロゴロもしょぼしょぼもするし、乾燥も感じるし、疲れ目、アレルギーによるかゆみ、さらには老眼、視力低下。もうできることなら目を閉じていたい! と思うくらいしんどいですね。

不安げな表情をみせる虻川美穂子さん

「もうどうしたらいいんですか〜」と不安げな表情をみせる虻川さん

―それはツラい……。日頃から対策や予防はされていますか?

虻川さん

市販の目薬をさしたり、目を洗ったりするくらいですかね。目の不調は、年齢だし仕方ないとあきらめている部分もあります。私の場合、20代前半にレーシック手術を受けていて、そのことも影響していたりするのかな? と思っています。

―どのようなきっかけでレーシック手術をしたのでしょうか?

虻川さん

学生時代から目が悪くて、メガネやコンタクトレンズをつけてきたんです。視力でいうと0.02くらい。「枕のそばにメガネがないと気が気じゃない」そんな生活を送っていました。
 
芸人になってからもコンタクトレンズを使っていましたが、早朝から深夜までつけっぱなしだからつねに目がゴロゴロする。それにバラエティ番組で水に飛び込むときも、コンタクトレンズを落とさないように目をつぶらなくちゃいけなくて……とにかく目が良くなりたいって気持ちが募っていきましたね。そんなときにレーシック手術を知って、「私もやる〜!」って飛びつきました。

―実際に手術をしてみていかがでしたか?

虻川さん

いやぁ、快適でしたね! 最強の目の状態でバラエティ番組に出演できていました。

目の症状について語る虻川美穂子さん

「無人島に行くときもコンタクトを持たなくていいですし」 芸人ならではのメリットを語る虻川さん

虻川さん

ただ、40歳を過ぎた頃からでしょうか? 年齢なのか、レーシックの寿命なのか、目の不調が気になるようになったんです。

―具体的にどんな不調が出てきたのでしょうか?

虻川さん

スタジオ収録のときに、モニターやカンペの文字が見えにくくなってしまって。オンエアをみたら眉間にシワを寄せて、目を細めている私が映っていて……「こりゃマズイな」とメガネをつけるようになりました。

―他に目のお困りごとはありますか?

虻川さん

YouTubeの編集や更新作業も自分でやっているので、疲れ目なのかな? 昔からのクセで化粧を落としたあとに目をこすりすぎちゃうのもあります。これは、ハウスダストやダニのアレルギー症状が出ているのかな? もうかゆくなっちゃうんですよね。あとは老眼も気になりますし、近視(※)の進行も気になります。

(※)近くははっきり見えるが、遠くがぼやける症状
 
―目の不調がオンパレードじゃないですか!

虻川さん

本当にそうなんです……。レーシック手術をした当時の快適度を10とするなら、いまは0.5くらい。もう目って良くならないんですかね?

ドライアイに疲れ目、かゆみ……自力でなんとかできるもの?

―さまざまな目の不調を感じられている虻川さんですが、ここからは目の専門家である眼科医の内野裕一先生にも参加いただきましょう!

ケイシン五反田アイクリニック 副院長 内野裕一先生

ケイシン五反田アイクリニック 副院長 内野裕一先生

内野先生

よろしくお願いします。これまでのお話を聞く限り、虻川さんはもう立派な患者さんです。遠慮しないで眼科へお越しください。

虻川さん

そうなんですか? 「これくらいなら我慢できる」って思ってしまうことが多くて……遠慮していました。

内野先生

ちゃんと虻川さんの目を診ないと診断はできませんが、まず、ドライアイの可能性があります。レーシック手術をした人はドライアイになりやすい傾向にあるんです。また、年齢を重ねていくと涙の量も減っていきます。
 
さらに撮影スタジオのようにエアコンが効いて乾燥しやすい場所にいる人や、つねにパソコンを見ている人はドライアイになりやすいといえます。いまは目薬も進化していて、眼科で相談すれば、涙を出せるドライアイの治療薬など、症状に合わせて処方してもらえますよ。

「症状が出ているときは我慢しないで、眼科医を頼ってくださいね」と内野先生

虻川さん

そういえば、「驚くくらい目が乾燥しています」って眼科で言われたことがあります。でも目薬を常用していると、目が薬に慣れてしまうのでは? 目薬を使い続けることに問題はないのでしょうか?

内野先生

問題はないですよ。ドライアイは疲れ目とも密接に関わってきます。目が疲れることは、身体にとってもストレス。まずは目の表面を潤し、「ラクになった感覚」を実感いただきたいですね。お薬は人によって合う・合わないがありますので、医師と相談しながら自分に合う目薬を見つけていきましょう。

―虻川さんはアレルギーもあるとお話されていましたが、目薬でアレルギー症状を緩和することは可能なのでしょうか?

内野先生

抗アレルギー薬といって、アレルギーの原因であるアレルゲンとの反応をコントロールできる目薬があります。アレルギーは目をこすることで炎症が悪化します。日頃から抗アレルギー薬を使えば、目をかきむしることはなくなりますよ。
 
患者さんによってはステロイド入りの目薬を使って治療することもあります。ステロイドはかゆみの根本を治療するのに使うので、長く使い続けるものではありませんから安心してください。

虻川さん

え、目薬をつかうだけで長年やってきた「目のかきむしり」もやらずに済むってことですか?

内野先生

医師の言いつけを守っていただければ(笑)。先ほど、いまの目の快適度は10段階のうち0.5くらいだとお話しされていましたが、ドライアイとアレルギーが解消されれば7〜8くらいには回復できると思いますよ。いろんな治療法がありますので試してみてください。

老眼は誰もがなるもの。アラフィフ世代が気をつけたいこと

虻川さん

ちなみに視力の低下が気になっているのですが、食い止めることや視力を回復させることって可能なのでしょうか?

内野先生

近視が解消されることは、残念ながらありません。虻川さんのように強度近視でレーシック手術をされた人のなかには、術後10〜15年で近視が出てくる「戻り」の症状が現れることがあるんです。また、40歳を過ぎると老眼が必ず出てきます。虻川さんの場合、近視が出ているため老眼はあまり気になっていないのではないでしょうか?

虻川さん

たしかにメガネを外せば、手元は裸眼で見えます。

内野先生

それは、近視が出ているおかげなんです。老眼は、目のピント調節機能の低下によって手元が見えにくくなります。虻川さんのように近視の人は、もともと遠くよりも手元のほうがピントを合わせやすいので、老眼の症状を感じにくいんです。近視は決して悪いことばかりじゃないんですよ。

虻川さん

目のプロからそう言われるとちょっと嬉しいですね。

虻川さんの私物メガネ

虻川さんの私物メガネ。手元以外を見るときは、遠近両用レンズ、近視矯正レンズなどを使い分けているそう

内野先生

老眼にもいろいろな対処方法がありますよ。老眼鏡を使いたくないという方は、遠近両用のコンタクトレンズや、モノビジョンという左右の視力に差をつける矯正法もあるので、悲観せずに眼科に相談してもらいたいですね。

虻川さん

同世代の人でも見た目の面で「老眼鏡を使いたくない」という人もいるので、若さをあきらめなくていいのは嬉しいですよね。ほかに、アラフィフ世代が気をつけておきたい目の不調はありますか?

内野先生

40歳を過ぎたら、緑内障の検査を受けていただきたいですね。緑内障は強度近視の人に多く、視神経が痛むことで視界が欠けて狭くなっていき、最終的には失明してしまう病気です。

虻川さん

失明ですか!?

焦りの表情を浮かべる虻川美穂子さん

「いますぐ検査したいです」と焦りの表情を浮かべる虻川さん

内野先生

緑内障は、40歳以上の日本人の20人に1人と推測されており、「見えにくいな」「視界が欠けているな」と気づいたときには失明する直前だったというほど、気づかないうちに進んでしまうものです。進行が緩やかな分、早期発見によって進行予防は可能なので早めに検査をしてほしいですね。検査は機械で確認するだけなので、痛みもありませんよ。

虻川さん

知りませんでした。あと、最近は眼内コンタクトレンズ(ICL)にも興味があるのですが、私のようにレーシックの経験者で、近視や老眼など目の不調がある人がやっても良いのでしょうか?

内野先生

患者さんから聞かれることも多いのですが、虻川さんのケースだとおすすめしませんね。ICLは遠くを見やすくする手術になるので、近くがぼやけてしまい、かえって老眼が進んでいるように感じてしまうと思います。ICLは眼内レンズを外せば元通りになるので試す分にはいいと思いますが、手術費用も高額なので、いまの状態でできる対策をするほうが快適度は高くなるのではないでしょうか?

まずは眼科へ。前向きに目の健康を守っていきたい

―内野先生との対談を経て、虻川さんの中で心境の変化はありましたか?

虻川さん

このあとすぐに眼科へ行きます。多少の目の不快感は仕方ないものとあきらめていたのですが、先生から「立派な患者」とお墨付きをいただきましたので。緑内障の検査とともに、治療を進めていこうと思いました。

―虻川さんのように「仕方ない」とあきらめている人も多いと思います。

虻川さん

そうだと思います。「どうしよう、いつかなんとかなる」って思いながら過ごしている人は、一緒に眼科に行きましょう。私自身、強度近視だったので、目が良い人への憧れがすごくあったのですが、近視があることで老眼を感じにくくなっていて嬉しいこともあるんだな、というのはいい発見でした。前向きに目の健康を守っていきたいと思います。

内野先生

虻川さんからそう言ってもらえて、私も嬉しいですよ。我慢せず、お気軽に眼科へお越しください。もし治療する必要がない人だったとしても、私たち眼科医は「なんで来たの?」なんて言いませんから(笑)。目の状態を診断してもらうだけでもいいですし、虻川さんのように「目がゴロゴロする」という具体的な症状があれば、まずは眼科へ。一緒に目の健康を守っていきましょう。

CREDIT
取材・文:つるたちかこ 写真:小野奈那子 編集:HELiCO編集部+ノオト
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