太るだけじゃないの?食べすぎの危険性
食べすぎると体重が増えますが、なぜ増えすぎないように気をつけなければいけないのでしょうか。
食べすぎで起こりうる代表的な健康リスクをご紹介します。
肥満では「TNF-α」というホルモンの分泌量が増え、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが有効に使われなくなることで糖尿病のリスクが上がる。放置すると細い血管がダメージを受け、網膜や腎臓、足先などに重い合併症を引き起こすことも。
動脈硬化によって、心臓を取り巻く冠動脈が詰まったり細くなったりすると冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)、脳の血管が詰まると脳梗塞となる。発症すると命にかかわることもあり、治療後に後遺症が残ることがある。
まったくあるいはほとんど飲酒しなくても中性脂肪が肝臓に蓄積する状態(脂肪肝)のこと。食べすぎによる肥満が原因で起こることが多い。心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がるだけでなく、肝硬変・肝臓がんに進行する場合も。
血液中の脂質の値が基準値から外れた状態で、肉の脂や乳脂肪に含まれる飽和脂肪酸、油脂、糖質のとりすぎなどが原因で起こることが多い。動脈硬化を促進し、心臓や脳の血管が詰まるリスクも上がる。
心臓から送り出された血液が運ばれる際に血管(動脈)にかかる圧力が高い状態。肥満者に多くみられ、動脈硬化の要因になる。減量に加え、減塩が予防にも対策にもなる。
血液中に「尿酸」という物質が増えて足や膝などの関節で炎症を起こす病気。尿酸の原料となる「プリン体」は内臓類、肉類、一部の魚介類などに多く含まれており、これらを食べすぎると痛風を引き起こしやすくなる。
肥満によってリスクが上がる病気には他にも、睡眠時無呼吸症候群(睡眠中のいびきや無呼吸)、変形性膝関節症(体重を支える膝の軟骨がすり減る)、慢性腎臓病(腎臓の機能が低下し、放置すると透析や移植が必要になる)、月経異常などがある。
いずれの健康リスクも、肥満を改善することで回避できることが多いですが、内臓脂肪がたまりすぎると普通体重の範囲内でも注意が必要です。気になることがあれば、かかりつけ医などを受診するようにしてください。
【監修】宮崎 滋 先生
(結核予防会 総合健診推進センター 所長)
肥満症治療のエキスパート。生活習慣病の治療や、予防のためのアドバイスを行っている。日本肥満学会指導医・専門医、日本糖尿病学会指導医・専門医。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.53
「食べすぎ」より転載(2024年9月17日発行)