変形性膝関節症リスクを『観て』チェック! ニーシネマ・7
膝痛の原因の大半を占める病気、変形性膝関節症が起こりやすい人には傾向があります。見たことのあるような映画タイトルですが、これらはすべて変形性膝関節症になりやすい人の特徴。あなたがいくつ当てはまるかチェックして、一つでも思い当たる人は痛くなる前からの予防を心がけましょう。
膝への負担は平地歩行で体重の5倍、階段の上り下りで8倍にもなります。そのため特に短期間で体重が増えると、膝への負担が急に大きくなり、半月板や軟骨へのダメージも増大。減量だけで改善することも多いので、食生活と運動習慣の見直しを。減量のコツ標準体重(※)を目標に、まずは3カ月でマイナス5kgを目指して減量に取り組んでみましょう。いろいろなダイエット方法がありますが、あまり難しく考えずに始めてみることが大切です。体脂肪や筋肉量のことはいったん脇に置き、食べる量を抑えて体重を減らすことに注力しましょう。
食べる量を減らすコツは「空腹の日」を作ること。1週間で一番忙しい日を「空腹の日」に設定して、1日何も食べず、水かお茶、もしくはブラックコーヒーだけを飲んで過ごします。そして翌日は脂っこいものを避けて、よく噛んで唾液を出し、ゆっくり食べることを心がけます。すぐにでも始められますので、一度チャレンジしてみるのはいかがでしょうか。ただし、持病がある人や糖尿病治療中の人は主治医に相談してください。※標準体重kg=身長m×身長m×22で求められます。身長150cm(1.5m)の人の標準体重は49.5kg、160cm(1.6m)では約56kg、170cm(1.7m)では約63.5kgが標準体重です。
O脚やX脚だと、膝にかかる負荷が偏り、変形性膝関節症になりやすいことが知られています。日本では、膝の痛みを訴える人のほとんどがO脚なので、正しい歩き方でO脚改善に取り組んでみましょう。
太ももにある大腿四頭筋は、膝関節をサポートする大切な筋肉です。ここが衰えると膝にかかる負担が増し、痛みが生じやすくなります。筋力維持&UPには、大腿四頭筋を鍛える運動がおすすめ。
男性に比べて膝関節を支える筋力が弱く、脂肪が多い上に、軟骨の健康を保つ女性ホルモンが閉経に伴って減少するため、50歳以上の女性は、同世代の男性の約4倍のリスクがあります。運動習慣をつけることがリスク回避の近道です。
過去に膝の靱帯や半月板がケガによって傷ついたことがあると、治療が終わっていても、その後もトラブルが起こりやすくなります。膝への負担が少ない運動で、ケアを続けることが大切です。
サッカー、バドミントン、バスケットボールなど、膝を大きく曲げ伸ばしたり、急な方向転換をしたりするスポーツは、膝に大きな負荷がかかります。これらのスポーツ経験者は、加齢で膝関節を支える筋肉が衰えるとトラブルが起こりやすくなるので、膝への負荷が少ない運動などで筋力維持を。
膝を大きく曲げ伸ばす/立ちっぱなし/重いものを持ち上げる、といった生活習慣は、膝への負担が大きく、変形性膝関節症のリスクになります。布団からベッドにする、和室で正座の生活から椅子とテーブルの生活にする、といった膝への負担が軽くなる生活アイテムを取り入れてみましょう。
【監修】巽 一郎 先生
(一宮西病院 整形外科部長/人工関節センター長)
膝関節手術のエキスパートでありながら、まずは手術しない保存療法をすすめるポリシーをもつ。著書に『100年足腰』(サンマーク出版)など。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.45
「膝の痛み」より転載(2022年9月15日発行)