「グルテンフリー」は、プロスポーツ選手や芸能人が体質改善やダイエットの一環として取り入れていることから、近年注目を浴びている食事法です。しかしその一方で、「グルテンフリーを始めてみたいけれど、本当に効果があるの?」「実践すれば痩せられるの?」と、疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事では、グルテンフリーのメリットや日々の食生活に取り入れやすい食材、ダイエットの効果まで専門家の解説を交えながらご紹介します。グルテンフリーに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 教えてくれるのは…
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- 中村 由美子さん
一般社団法人日本グルテンフリーアドバイザー協会代表理事。料理研究家、ヨガインストラクター。 TV番組「あさチャン」「手軽に健康維持!グルテンフリー」「一茂×かまいたち ゲンバ」ラジオ番組「~今日からできる~キレイのヒント」など多数出演。著書に『「週末グルテンフリー」でスッキリ快便、ぐっすり快眠!』があり、グルテンフリーの普及に尽力している。後進のグルテンフリーアドバイザーを育成する傍ら、企業とタイアップしてレシピ開発も行う。
[監修者]中村 由美子さんHP:https://www.glutenfreeadvisor.jp/concept.html
Instagram:https://www.instagram.com/glutenfree_weekend/
グルテンフリーとは?
グルテンフリーとは、「グルテン」というたんぱく質を含む、小麦やライ麦製品を摂取しない食事のことを指します。
もともとは、小麦アレルギーやグルテン不耐症の方のために生まれた食事法です。現在では治療食としてだけでなく、グルテンの摂取量を減らすことが健康的な食生活に役立つとして話題になっています。
グルテンフリーのメリットとして注目されているのが、腸への負担を軽減できるという点です。グルテンの摂取は腸に負担をかけるとされており、栄養の吸収や老廃物の排出がうまく行われなくなることで、体調不良につながる可能性があります。そのため、グルテンの摂取量を減らすことで腸の負担を軽減し、腸内環境を整えて健康を目指すという考え方が、グルテンフリーの基本にあります。
グルテンフリーで期待できる効果とは?
グルテンフリーを食生活に取り入れることによる主な効果は、以下の2つが挙げられます。
カロリー制限ができる
ピザやラーメン、洋菓子などグルテンを含む食品には脂質も多く含まれていることがあります。一方で、グルテンフリー食品は低カロリーな食品が多いため、結果としてカロリーを制限することにつながります。
また、グルテンを含む食品には糖質を多く含んでいることも多いため、グルテンフリー食品は摂取する糖質量を減らすうえでも効果的です。
肌の調子が整う
グルテンフリーで腸内環境を改善することで、「肌が綺麗になった」「肌の調子がいい」と実感を得られる場合があります。
これは、グルテンに含まれる糖タンパクの一種である「グリアジン」によるものです。グリアジンはパンをこねたときに発生するベトベトとした粘性の成分で、粘性のある食品が腸壁に張りつき、体に負担をかけるとされています。
グルテンの摂取量を抑え、腸に負担をかけない食生活が、腸内環境を整えて内側から美しい肌をつくると考えられます。
グルテンフリーを始める際の注意点
やみくもにグルテンフリーを始めても、ポイントを抑えておかなければ思ったような結果が得られない場合もあります。注意したい点は、主に以下の2つです。
ストイックになり過ぎない
グルテンフリーを始めるにあたり、食事から徹底的にグルテンを排除しようとすると、何を食べてよいかわからなくなったり、食べられないものが増えることによるストレスを感じてしまったり、食事が楽しくなくなってしまったりする可能性があります。
適度にグルテンとつき合う食生活を送ることで、グルテンフリーをやめたときにグルテン食品をたくさん食べてしまう(食のリバウンド)のを避けることにもつながります。
グルテンフリー食品は高額になりやすい
現在は、一般のスーパーでもグルテンフリーのパスタや米粉のパンなど、グルテンフリー食品が簡単に手に入れられます。
しかし、通常のパスタやパンに比べてグルテンフリー食品は高価格帯であることが多く、経済的な負担につながりやすいのが難点です。
まずはお財布にも心にも負担の少ない、取り入れやすいものから試してみるのがおすすめです。無理なく続けられる方法で、グルテンフリーを生活に取り入れていきましょう。
はじめてのグルテンフリーにおすすめの食材とは?
グルテンフリーを始めるにあたって、すべての食材を置き換える必要はありません。まずは、初心者でも取り入れやすい食材から試してみましょう。
ここでは、グルテンフリーを取り入れるのにおすすめの食材を2点ご紹介します。
米粉
米粉は米を粉末にしたものであるためグルテンを含まず、小麦の代替品として扱いやすい代表的なグルテンフリー食材です。
米粉は小麦粉に比べ脂質が低く、腹持ちの良さがメリットです。また、タンパク質の一種であるアミノ酸もバランスよく含んでいるため、優秀なタンパク質源でもあります。
大豆製品
大豆製品もグルテンを含まないため、グルテンフリーにおいて注目される食材のひとつです。
タンパク質を効率よく補える点でも優れており、豆腐や豆乳、きな粉などの定番食材に加え、近年は大豆ミートと呼ばれるひき肉を代替する食品も活用されています。
日本人にとって馴染みのある食材が多いため、日常生活に取り入れやすいのも大きなメリットです。
※醤油や味噌(麦味噌)には、微量ながらグルテンが含まれてる可能性があるという見解もあります。グルテンアレルギーをお持ちの方は、念のため医師へご相談ください。
グルテンフリーを上手に活用しよう
グルテンフリーは、肌の調子を整えたり、体重・体型の維持に対しても効果を感じられたりと、メリットの多い食事法です。自分に合った方法で無理なく続けることが、体質改善への第一歩に繋がります。
毎日の食事の中で栄養バランスを意識しながら、気軽に取り入れられる選択肢として、グルテンフリーを活用してみましょう。