ニオイもつかれも“Footbath”!
足裏には汗を分泌する腺が背中の5~10倍ほどもあり、汗をかきやすい部位です。しかし、実は汗自体がにおうわけではなく、その原因は、足裏にすむ常在菌が、汗の成分や古い角質などを分解してつくりだす、「イソ吉草酸」などのニオイ物質。汗を多くかいてムレた状態が続くと、菌がより繁殖しやすくなり、ニオイも強くなるのです。
◎最も大切なことは、足全体を足指の間まで毎日しっかり石鹸で洗うこと。菌の餌となる古い角質や汗をきれいに洗い流しましょう。
◎同様に、リムーバーなどで不要な角質を去したり、市販のデオドラント製品を活用するのも手です。
◎毎日同じ靴を履かない、帰宅後には靴内に乾燥剤を入れたり風通しのよい場所に置くなど、靴のケアも忘れずに。
+αのホームケアとしてお勧めしたいのが、身近な材料をつかってできる「消臭足湯」。スーパーやドラッグストアで手軽に手に入る「重曹」や「焼ミョウバン」をつかって、気になるニオイをケアしましょう。
重曹は弱アルカリ性の物質で、常在菌の餌となる足の古い角質を除去するのに役立ちます。特に足裏が硬くなっている人は、週に2〜3回を目安にまずはこちらを。
①両足が入るサイズの洗面器などに湯をはり、2L当たり小さじ1~2杯の重曹を溶かす。
②15分ほど足を浸す。
ミョウバンには殺菌・制汗作用があり、気になる足のニオイを抑えるのに役立ちます。こちらも週に2〜3回を目安に。
①両足が入るサイズの洗面器などに湯をはり、2L当たりのミョウバン液(水に対して焼ミョウバンを溶かし混ぜ、一晩置いたもの)を加えて混ぜる。
②15分ほど足を浸す。
◎重曹と焼ミョウバンは、安全性の面からいずれも「食品用」を使用してください。
◎両方を同時に湯に入れるのはNG。
◎熱すぎる湯は控え、ぬるま湯でのんびりと。
◎足が汚れている場合は洗ってから行いましょう。
◎足にひび割れや傷があったり、湯がしみるときには実施を控えてください。
◎足湯後はクリームなどでの保湿ケアも忘れずに。
【監修】八百坂 遵 先生
(さくら皮フ科クリニック 院長)
皮膚科診療のエキスパート。地域に密着した診療を旨とし、日々の診療に取り組む。
さくら皮フ科クリニック: 東京都板橋区成増2-14-5 EH第二ビル2F
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ヘルス・グラフィックマガジンvol.52
「足の悩み」より転載(2020年6月17日発行)