やけどの応急手当 UP to DATE
やけどの手当の基本は、「消毒しない」「乾燥させない」の湿潤療法がベストアンサー。これを踏まえて、やけどの応急手当の流れをチェック!
まずは「痛みがやわらぐまで」を目安に患部を流水で冷やそう。
※衣服の上から高温の液体などがかかった場合には、脱がずに衣服の上から流水で冷やし、衣服も十分に冷えてから着替えよう。顔のやけどなど、流水をかけ続けるのが難しい部位の場合には、水で濡らしたタオルなどを患部にあて、適宜交換しながら冷却を続けよう。
範囲が狭い場合には、「きず」の手当と同様に、湿潤療法に適した素材のばんそうこう(ハイドロコロイドばんそうこうなど)や保護材を貼り、患部を保護しよう。
※湿潤療法用のばんそうこうや保護材がない場合や、範囲が広く覆いきれない場合には、食品用ラップに市販薬の「白色ワセリン」を塗り、患部にあてるのでもOK。
患部を保護しても痛みが続くなら、保護した上から冷却材や保冷剤などでさらに冷やそう。
※痛いほど冷やす必要はなく、冷やしていたほうが気持ちがよければ冷却する、くらいを目安に。
※医療機関を受診する際も、ここまでの手当を済ませておくとgood!
「きず」の手当と同様に、1日1回はやけどの様子を観察しよう。
※やけどに伴って脱水症状が引き起こされることもあるので、水分補給も忘れずに!
◉やけどの範囲が、やけどを負った当人の手のひら1つ分以上におよぶ
◉翌日も痛みが引かない・強くなってきた
◉発熱したり、患部が腫れてきた
◉低温やけどを負った(軽症に見えても皮膚の深部が損傷している可能性あり)
◉直径5cm以上の水ぶくれができた
◉その他、異変を感じたとき
【監修】手島 玲子 先生
(てしまクリニック 形成外科・皮膚科 院長)
きずをきれいに治すエキスパート。子どもを対象とした湿潤療法の講座や、保護者向けの講座を開催するなど、積極的に湿潤療法の普及活動を行っている。
●てしまクリニック:東京都文京区小石川1-3-23-B1F
URL: http://teshima-hifu-keisei.com/
ヘルス・グラフィックマガジンvol.30
「きず・やけど」より転載(2018年7月17日発行)