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足の疲れやむくみを撃退!旅を楽しむストレッチ

観光や移動に夢中になり、気づいたら1万歩以上歩いていた! なんてこともある旅やお出かけ。歩き回ったその日におすすめの足の疲れやむくみをやわらげるストレッチを、理学療法士のオガトレさんに教えていただきました。また、疲れにくい・むくみにくい足に近づくために日ごろから取り入れたい、股関節周りや太ももの筋肉をほぐすストレッチもあわせてご紹介します。

教えてくれるのは…
オガトレさん
理学療法士・ストレッチ系YouTuber

宮城県生まれ。理学療法士として急性期病院にて、脳外科、整形外科、呼吸器、がん、スポーツ外来のリハビリに従事。その傍らトレーナーとしてインターハイや国民体育大会へ同行した。現在はYouTuberとして 「体が硬くて困っている人をゼロにしたい」を信念に動画を配信している。チャンネル登録者数は開始後4年で140万人を突破し、今も日々伸び続けている。
YouTube:https://www.youtube.com/@ogatore

そもそも足の疲れやむくみはなぜ起こる?

オガトレさんによると、「たくさん歩いた日には、“ふくらはぎの疲れ”や“足首や足の甲にむくみ”を感じる人が多い」のだそう。その理由は、大きく分けて以下のように考えられます。

疲労感の原因

① いつもよりも活動量(歩数)が増えることで、単純にふくらはぎへの負担が増えるため
② 股関節周りの筋肉が硬いために、歩幅が狭くなり必要以上に歩数が増えてしまうため
③ 股関節周りの筋肉が硬いために、ふくらはぎと足首だけを使ってつま先で地面を蹴る歩き癖がついているため

むくみの原因

④ 立っている時間が長いと、心臓に血液を戻す力が弱くなるため
⑤ 大きな血管がある内ももの筋肉が硬く、下半身の血流が良くないため

旅行時に感じる疲労と、根本からの改善。どちらにもアプローチを

①・④による疲れ・むくみは、その日のうちにストレッチをすることで軽減が見込めます。

②・③・⑤による疲れ・むくみは、股関節周りや内ももの筋肉の硬さが、足に疲労が溜まりやすい歩き方の原因になっている可能性があります。足が疲れやすい・むくみやすいという自覚がある人は、今回ご紹介する柔軟性を高めるためのストレッチを日ごろから取り入れてみてください。

旅の前からコンディションを整えよう

根本的な原因の改善に! 内ももストレッチ

まずは、足の疲労・むくみの根本的な原因となる内もも(内転筋:ないてんきん)のストレッチからスタート! 疲れにくい足のベースをつくっていきましょう。旅の移動中に実践しても効果的です。

  1. 椅子に座り両膝をできるだけひらく。
  2. 右手を右膝に添えて外側に押し、上半身を左方向にひねって30秒キープ。
  3. 左右を入れ替えて、1⇔2を繰り返す。
オガトレさん

手で押しているほうの内もも(イラストの赤色部分)が、痛気持ちよい程度に伸びているのを感じればOK! 感じない場合には、押している手を膝で押し返すようにしてみましょう。

移動中に座りながらできるエクササイズ

次は座ったまま、むくみ予防・改善のためにできる2つのエクササイズをご紹介! 今日はむくみそうだな……、靴がきつくなってきたな……と感じたらぜひ実践してみましょう。

心臓に血液を戻す! ふくらはぎエクササイズ

  1. 足の指の付け根が、ひざ下にくるようにして椅子に座る。
  2. その状態から、つま先立ちをするようにかかとを上に上げる。30秒繰り返す。
オガトレさん

かかとはできるだけ高く上げるのがポイント!

むくみ解消! 足指じゃんけん

  1. 足の指を思い切り曲げ、「グー」の形をつくる。
  2. 親指を上に反り、それ以外の指は下げて「チョキ」の形をつくる。
  3. すべての足の指を思い切り開き「パー」の形をつくる。これを30秒繰り返す。
オガトレさん

裸足でも、靴下や靴を履いたままでもOK! 足の指を動かすと足の甲のむくみが解消されます。また、足の指がしっかりと使えるようになると、歩行時にふくらはぎにかかる負担も減っていきます。

寝ながらできるストレッチ

寝転びながらでもできる、その日の疲れにダイレクトに効くストレッチです。体温と水分量が高い状態で行うと最も効果が出やすいので、お風呂上がりのリラックスできるタイミングでぜひ取り入れてみてください。

寝転びながらできる! ふくらはぎほぐし

  1. 寝転んだ状態で片方の膝を立て、もう片方のふくらはぎを膝の上に乗せる。ふくらはぎの真ん中(内側と外側の筋肉が交差する場所)を膝に当てるようにするのがポイント!
  2. 足首の力を抜いてリラックスした状態で、乗せた足を前後に30秒動かす。
  3. そのまま乗せた足のすねの外側が膝の外側に当たるようにずらし、上下に30秒動かす。左右をチェンジして1⇔2を繰り返す。

疲労感が強い場合には+αで!

ふくらはぎだけではなく、足裏にも疲れを感じている場合に+αでできる足裏ほぐしもご紹介します。

お風呂のなかでできる! 足裏ほぐし

  1. 椅子に座った状態、あるいは湯船に浸かってあぐらをかいた状態で、足の人差し指の延長線と、内くるぶしの延長線がぶつかる部分を中心に20秒ほどほぐす。気持ちいいと感じる程度の強さでOK!
  2. 足の指の間に手の指を挟み、30秒キープ。つま先方向に軽く引っ張ったり、そのまま手で足首を回すように動かしたりするのもおすすめ。左右をチェンジして1⇔2を繰り返す。

なお、宿泊先で湯船に浸かることができない場合には、足湯やシャワーを当てるだけでも疲労軽減につながるので、試してみてください。

たくさん歩くための「環境」を整えることも大切

「疲れた足をストレッチでいたわってあげることはもちろん、足の疲労やむくみを軽減するための環境を準備してあげることも大切です」とオガトレさん。

なるべくスニーカーで歩こう

たくさん歩くとわかっている日の足元はスニーカーがベスト! かかとが固定されないサンダルは、すねの疲労が溜まりやすくなります。また、アウトソールが3cm以上の厚底の靴も、足が疲れやすいので避けたほうが無難。自分の足に合ったインソールを使用するのもおすすめです。ただし、旅行に向けて新しくおろした靴やインソールは足の疲労が増してしまうこともあるため、どちらも履き慣らしてから出かけましょう。

5本指ソックスを履こう

靴下は少し厚手のほうが足裏の疲労軽減が見込めます。加えて、5本指ソックスなどで足の指がしっかりと動くようになっていると、ふくらはぎの負担を軽減することができます。

こまめな水分補給とお手洗いを心がけよう

血流を良くするためには、水分補給も大切なポイントです。しっかり水分を取りつつ、こまめにお手洗いにも立ち寄り、体に余計な水分を溜め込まないように意識しましょう。

 
日ごろからストレッチを取り入れて体の状態を整えておけば、旅を全力で楽しめます! 持ち物やスケジュールのチェックとあわせて、体のコンディションにも気を配ってみてはいかがでしょうか。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部+ノオト イラスト:seko koseko
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