教えて!薬剤師さん 市販鎮痛薬のここが知りたい!
頭が痛いとき、薬局やドラッグストアで手軽に購入できる鎮痛薬。でも、店頭にはたくさんの種類があって、どれを買えばいいのか迷ってしまいますよね。そして、市販鎮痛薬には思わぬ危険も潜んでいます。気になることを薬剤師さんに教えてもらいました。
店頭の薬剤師に相談していただければ、おすすめの鎮痛薬をいくつかピックアップすることができます。体質や生活習慣、価格、薬の強さなどについてご希望をお伺いしたうえで、基本的には鎮痛成分のみが入っている鎮痛薬をおすすめすることが多いです。
代表的な鎮痛成分には「アセトアミノフェン」「イブプロフェン」「ロキソプロフェン」の3つがあり、鎮痛成分のみが入っている主な市販鎮痛薬には、● アセトアミノフェン:
・タイレノール®A (ジョンソン・エンド・ジョンソン)● イブプロフェン:
・イブ®(エスエス製薬)
・リングル®アイビー(佐藤製薬)● ロキソプロフェン:
・ロキソニン®S(第一三共ヘルスケア)などがあります。
鎮痛成分のみの鎮痛薬を試してみて、期待した効果を感じられなかった場合、カフェインや鎮静成分も入った配合薬をおすすめすることがあります。
鎮痛成分のイブプロフェンとロキソプロフェンは胃の粘膜を保護する物質の働きを抑える特徴があり、胃痛や吐き気が起こる心配があるため、空腹時を避けて服用する必要があります。アセトアミノフェンは前述の2つに比べて胃への負担が少ないです。
鎮痛作用を高めるため、鎮静成分が配合されている鎮痛薬は眠気を生じることがあるので注意が必要です。心配な場合は、薬剤師に眠くなる成分が入っているかどうかを確認してみてください。
鎮痛薬を飲みすぎると、逆に頭痛の頻度が増える危険があります。「痛くなると困るから」といった理由で痛みがないのに鎮痛薬を飲むと、薬の効果が弱くなり、頭痛が悪化し、また鎮痛薬を飲むという悪循環にも陥りかねません。薬が効かなくなってきたと思ったら、早めに頭痛専門医を受診することをおすすめします。
同じブランド名の鎮痛薬でも、配合されている鎮痛成分が違ったり、商品ごとの区別がつきにくかったりするので、店頭で迷ったらぜひお気軽に薬剤師にご相談ください!
【監修】 新坂 彩 さん
(アイセイ薬局 薬剤師)
ヘルス・グラフィックマガジンvol.47
「頭痛」より転載(2023年3月15日発行)