加齢に伴う体の変化の1つとして、顔のしわやたるみを気にする方もいるでしょう。「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめずに試してほしいのが「表情筋」のトレーニングです。毎日少しずつでも継続することで、見た目年齢を若返らせる効果が期待できます。表情がつくりやすくなるため、気づかぬうちに難しい顔になり「怒っている?」と聞かれてしまう方にもオススメです。ぜひスキンケアのタイミングで取り入れてみてください。
- 教えてくれるのは…
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- 間々田 佳子さん
- 表情筋研究家
表情筋研究家として【コアフェイストレーニング(顔の筋トレ)】の普及に尽力中。業界・業態・年齢層を超えて、あらゆる方々に「顔の筋トレ」から表情を豊かに、コミュニケーションを円滑にする講座を実践し好評を得ている。『伝わる顔の動かし方 コミュニケーションは見た目が9割』(光文社)、『1週間後には「マイナス7歳」見ちがえる!間々田佳子のかんたん顔筋トレ』(KADOKAWA)など、著書は18冊累計56万部を突破。
HP:https://www.mamadayoshiko.com/
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見た目年齢にも影響する「表情筋」とは
私たちは日ごろから、表情を変化させることで感情を表しています。その表情に使われる筋肉が、「表情筋」です。表情筋は、頭皮や目、鼻、口の周り、頬、耳などにあり、皮膚のすぐ下についています。
私たちの体を支え、動かす骨格筋は、関節を動かすことで収縮するため、ある程度体を動かしていれば一定の筋力を保つことができます。一方、顔には顎関節しかないため、関節を動かして鍛えることができる筋肉はごくわずか。また、日本語はあまり口を動かさなくても話せる言語ということもあり、表情筋はきちんと使おうと意識しなければ、どんどん衰えてしまうのです。
肌の張りが減ってくる30代後半になると、顔がのっぺりしてきた……と感じやすくなるのも、表情筋の衰えが原因かもしれません。自分ではそんなつもりはないのに「怒っている?」と聞かれてしまう場合も、表情筋の衰えによって口角が下がることで不機嫌な表情に見えてしまっている可能性があります。
表情の豊かさは、見た目年齢やコミュニケーションにも影響するといわれており、ぜひ意識したいところ。表情筋トレーニングは、以下のような人に特におすすめです。
- しわやたるみが気になっている方
- 怒っていると勘違いされてしまう方
- 自分の笑顔に自信がない方
- 顔のむくみが気になる方
表情筋はきちんと鍛えれば、何歳からでも効果がみられます。決して、年齢を気にしてあきらめる必要はありません。
「表情筋トレーニング」を毎日のスキンケアついでに取り入れよう
表情筋トレーニングは、どんな表情になりたいのか、そのためにはどの筋肉を動かすとよいのか、具体的な目標と意識を持って続けると、より効果が期待できます。そして、きちんと継続することが大切です。そこで、スキンケア時に取り入れやすい3つの表情筋トレーニングをご紹介します。ぜひ毎日の習慣として取り入れてみてください。
なお、各トレーニングの回数は、心地よい疲れを感じる程度の無理のない範囲で実施してください。痛みや違和感が生じた場合には中止しましょう。
表情筋トレーニング その1:フェイスウォーミングアップ
まずは、顔全体を大きく動かすトレーニングから始めましょう。人は寝ている間は顔を動かさないため、朝に取り入れるのが特におすすめです。表情がつくりやすくなるほか、むくみの改善効果も期待できます。
「フェイスウォーミングアップ」のやり方
- 鼻から息を吸ってから、「しゅー」と言いながら唇を突き出す
- そのまま「おー」と言いながら、ほうれい線を伸ばすようなイメージで顔全体を縦に伸ばす
- 「わぁ」と言いながら頬を持ち上げて、上の歯を見せる。目を大きく開き、口を逆三角形にすると◎
- 1~3を、なめらかな一連の流れを意識して、何度か繰り返す(目安は3~5回)
表情筋トレーニング その2:目力アップトレーニング
額にしわが入りやすい人におすすめです。目を開くときに使うまぶたの「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」を意識してみましょう。まぶたが重いと感じたときや、目が疲れているときのリフレッシュにも取り入れてみて。
「目力アップトレーニング」のやり方
- 額に両手をあて、軽く下&横方向に引っ張り、額や眉の筋肉が動かないように押さえる
- 額や目の周りにしわを入れずに、上眼瞼挙筋だけで目を開くように意識する
- 顎を軽く引き、お腹を引き上げて猫背にならないように注意して、5秒ほどキープしてから力を抜く
- 1~3を何度か繰り返す(目安は3~5回)
表情筋トレーニング その3:口角アップトレーニング
口角の下がりが気になる人におすすめです。口角を引き上げるときに使われる「⼝⾓挙筋(こうかくきょきん)」を意識してみましょう。顎に力を入れてしまって口角を使わない笑い方のクセを改善していきましょう。
「口角アップトレーニング」やり方
- 口角の少し横に人差し指を当て、指先で口角を真上に押し上げて5秒キープ。上の歯8本だけを見せる
- 顎の力を抜いてから人差し指を離して、5秒キープ。顎の力で口を引っ張らないように注意する
- 1~2を何度か繰り返す(目安は3~5回)
表情は「心」や「体」の状態を映す鏡
表情は、筋肉を使えているかどうかの「顔」の状態が現れるだけでなく、楽しんでいる、緊張している、落ち込んでいる、疲れている、体調が悪いなど、そのときの「心」や「体」の状態を映す鏡でもあります。心や体の状態と顔(表情)のバランスがとれていれば、表情もすんなりとつくることができますが、たとえば体調が悪いときに無理に笑おうとするのは、なかなかつらいもの。
表情に意識が向いていれば、「上手く表情をつくれない」ということがあったとき、早い段階で自分自身の体調や心の変化に気づくことができ、きちんと自分の心や体のバランスを整えるきっかけにすることもできます。
表情筋を鍛えて、生き生きとした表情を手に入れよう!
表情筋を鍛えると表情が豊かになり、若々しい印象を与えることができて、コミュニケーションにも良い影響をもたらすでしょう。特に、自信を持った笑顔には、自分自身も周囲の人も明るい気持ちにさせるという不思議なパワーがあります。今日からさっそく、表情筋トレーニングを取り入れてみましょう!