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靴を買いに行くなら午後が最適?「足」のトリビア5選

靴を買うとき、どんなポイントを重視して選んでいますか?デザインや素材、色などはもちろん、サイズもチェックしていると思います。しかし、ちゃんと試着して買った靴でも、靴擦れしたり足が痛くなったりしてつらい経験をしたことがある人も少なくないでしょう。

足の健康を保つためには、用途に合った靴選びや日々のケアが大切です。今回は、知っていると靴選びにも活かせる足のトリビアを、足のクリニック表参道 院長の桑原靖先生に教えていただきました。

教えてくれるのは・・・
桑原 靖先生
足のクリニック表参道 院長

日本で初めて、足と爪の痛みや変形に特化した「足専門クリニック」を開設。年間およそ6,000人の足を診療している足病診療のエキスパート。日本フットケア・足病医学会評議員。著書に『「足が痛い」本当の原因はコレだ! ーいつまでも元気に歩くために専門医が教える新常識』(時事通信出版局)などがある。

公式サイト:https://ashi-clinic.jp/


INDEX
トリビアその1「靴を買いに行くなら午後が最適」
トリビアその2「リモートワークが続くと足が老化する」
トリビアその3「足年齢の曲がり角は40歳を過ぎた頃から」
トリビアその4「外反母趾の原因はきつい靴やハイヒールではない」
トリビアその5「意外と知らない靴のTPO」

トリビアその1「靴を買いに行くなら午後が最適」

靴を買うのに適した時間帯があることを知っていますか?

人の足は、朝と夕方にむくみやすいという特徴があります。特に、日中立っていることが多い人の足はむくみやすいので、靴を買うときは足のサイズが一番大きくなる午後から夕方の時間帯がおすすめ。午前中に履いてぴったりの靴だと、夕方にはきつくなってしまう可能性があるからです。

きつい靴を無理に履いていると、靴擦れなどのトラブルにもつながります。試着をするだけでなく、試着をする時間帯にも気をつけてみてください。

試着をしても靴擦れしてしまう……という人は、靴の素材やデザインにも着目してみましょう。エナメル素材は伸縮性が悪く足に合いづらいため、レザーやメッシュなどある程度伸縮性のあるものを選ぶのも一つの手です。また、足首・足の甲をしっかりホールドするタイプであれば、靴のなかで起こる足の前後の動きを減らすことができます。

【足にやさしい靴を選ぶときのチェックポイント】

  • かかとを包む部分(ヒールカップ)が自分のかかとにフィットしてい
  • 足の甲がしっかり覆われていて、靴ひもやベルトで調整できる
  • 履いたとき、つま先に5mmから10mm程度の余裕がある

トリビアその2「リモートワークが続くと足が老化する」

コロナ禍がきっかけで、自宅でのリモートワークが中心になった人は要注意。それほど長い距離を歩いていないのに足がすごく疲れたり、足の痛みを感じたりしたことはありませんか? これは、運動になっていた通勤がなくなり足の筋力が衰え、痛みが出るボーダーライン(活動限界値)が下がったことで起こります。

一度下がった活動限界値を上げるために、急に激しい運動をすると怪我につながりかねません。日頃から意識して多めに歩いたり、運動をする習慣をつけたりして日々の活動量を増やしましょう。

また運動不足解消のために、動画をお手本にして自宅でトレーニングをする人も増えています。トレーニング自体は大いにメリットがありますが、注意も必要です。

動画上でマットを敷いたり靴を履いたりして行っている運動は、必ず自分もマットや靴を使って行うこと。床の上で裸足のままトレーニングをすると、足を保護するものがなく、負担が一気に足にかかって痛みにつながります。運動に適した靴を履いて、ぜひ取り組んでみてください。

トリビアその3「足年齢の曲がり角は40歳を過ぎた頃から」

「足年齢」といってもピンとこないかもしれませんが、足も、体のほかの部位と同様に歳をとります。特に出産した女性の場合、子育てに忙しい時期は足への関心が低くなってしまいがち。子どもが成長して、自分の時間ができ始めてから、足のトラブルに気づくケースが多くあります。

足のトラブルのほとんどは、足の骨によるアーチ構造が、正しい形から崩れてくることが原因。アーチ構造は、足が地面に着いたときの衝撃をやわらげるクッションのような役割を果たしていますが、加齢によって筋力や骨密度が低下すると、このアーチ構造が崩れてきてしまうのです。

アーチ構造の崩れによるトラブルを防ぐためには、日々のセルフケアがカギ。筋力を高める運動やストレッチをする、足のアーチをサポートしてくれるインソールを使うなど、アーチ構造を保つためのケアが大切です。立つ・歩くといった動作の土台となる足をしっかり安定させておくことで、体全体の健康維持にもつながります。

どんなインソールを使えばいいか分からないときは、スポーツ用品店で店員さんに相談してみましょう。まずは数千円程度で購入できるものを使ってみてください。

トリビアその4「外反母趾の原因はきつい靴やハイヒールではない」

「ハイヒールやきつい靴を履くことが多いと外反母趾(がいはんぼし)になる」と思っている人もいるかもしれません。しかし、外反母趾の原因はズバリ、遺伝。

足の形と機能は、両親のどちらか一方、もしくは近親者の誰かの形をそのまま引き継ぐ傾向にあります。そのため、親が外反母趾になりやすい骨の構造をしていると、子どもにも遺伝して外反母趾になりやすいのです。

そもそも外反母趾とは、足の親指(母趾)のつけ根が飛び出し、親指が小指のほうへ曲がってしまう症状のこと。トリビアその3で解説した、足のアーチ構造が崩れることによって起こります。

男性の場合は関節があまり柔らかくないので、親指が変形する外反母趾ではなく、親指のつけ根が痛くなる強剛母趾(きょうごうぼし)という状態になりやすい傾向があります。どちらもアーチ構造をサポートするインソールを使うことで対策できますが、症状が進行した場合には手術が必要です。

また、ハイヒールは外反母趾の原因にはなりませんが、体の健康にとっては考えもの。ヒールのない、いわゆる「ぺたんこ靴」よりもヒールを履いているほうが楽、という人は要注意です。

ハイヒールを履いたときの足の形は、アキレス腱が縮んだ状態です。この状態が続くと、足の柔軟性が失われ、歩くときに股関節へ余計な負担がかかってしまうのです。また、ハイヒールを脱いで平面に立ったときに体の重心が後ろ側(かかと重心)に偏りやすくなるため、猫背や肩こりを引き起こしやすくもなります。

女性だけでなく、かかとに高さのある革靴を履いている男性でも同様の症状になり得ますので、男女問わずケアが必要です。

アキレス腱の柔軟性を維持するためには、ストレッチがおすすめ。市販されている「ストレッチボード」を使うと、より手軽にアキレス腱を伸ばすことができます。

トリビアその5「意外と知らない靴のTPO」

靴のTPOといってもマナーの話ではありません。足に負荷をかけないために、用途に合わせた靴を選びましょう。

例えば、ランニングとウォーキングでは着地のときの衝撃や体にかかる負荷が異なるため、専用の靴もそれぞれに適した構造になっています。

スポーツシューズでいえば、スケートボード用の靴はボードに乗りやすいよう靴底が真っ平になっていますし、テニスシューズは横方向に動きやすいようなつくりになっています。このように、そのスポーツでよく行われる動きに合わせた靴がつくられているのです。用途に応じて専用の靴を履いたほうが、ケガなどのリスクが低くなります。

スポーツに限らず、運転に適したドライビングシューズや、ウエイトトレーニング用のシューズなどもあります。ハイヒールや革靴は、通勤に適している靴とはいえないので、通勤時はウォーキングシューズなどのスニーカータイプの靴を履いて足への負荷を軽減しましょう。


いつまでも、自分の足で好きな場所に行けることは、生活の質・人生の質(Quality of Life:QOL)を保つうえでも重要な要素になります。正しいケアで足の健康をキープし、人生をエンジョイしましょう!

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:ニッパシヨシミツ

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