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筋肉体操の谷本先生に教わるストレッチ・ながら運動

新型コロナウイルス感染症の影響で外出の機会が減り、運動不足になっている人や、「運動が大事なのはわかっているけど、なかなかやる気が出ない」という人が、激増しているとか! じつは、運動量が減って体が凝り固まると、体を動かしたくなくなり、それによって体がより凝り固まる……という悪循環が起こるのです。だからこそ、運動が苦手、時間がないという人は、いかに普段の生活のなかに無理なく運動を取り入れるかが重要。今回は巷で話題の番組『みんなで筋肉体操』で筋肉指導をする谷本道哉先生が登場。「ながら・ついで」なのに効果は絶大のストレッチ&筋トレで、毎日を快適に過ごしましょう!

教えてくれるのは・・・
谷本 道哉先生
近畿大学 生物理工学部 人間環境デザイン工学科 准教授

筋活動レベル、酸素摂取量などの運動における生理応答(運動生理学)、およびスポーツ動作、日常動作の動作分析・動力学作分析(バイオメカニクス)などを専門とする。NHK『みんなで筋肉体操』や『毎日4分で超快適! 超ラジオ体操』(扶桑社)などで著名な筋肉の専門家。


INDEX
体と心の不調には、日々の運動が効く!?
外を歩くだけでも「運動している」といえる
朝にオススメ。1日を快適に過ごすためのストレッチ
生活のなかに「ながら・ついで運動」を取り入れる
筋トレは「1秒後」から、「できなくなるまで」やる
「ながら・ついで運動」こんなことに注意!

体と心の不調には、日々の運動が効く!?

適度な運動を長期的な目で見ると、全身の血液の循環をよくすることで心臓血管系の病気(狭心症や心筋梗塞など)のリスクを減らしたり、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドローム(運動器症候群)の改善に効果があったりすることは、多くの人が知っているとおり。

一方、短期的な面で考えると、運動で得られる爽快感(気持ちのリフレッシュ)によって自律神経によい影響を及ぼし、不安やうつ症状を改善したり、デスクワークによって凝り固まった体や関節をほぐして体の痛みや不快感を取り除いたりする効果が期待できます。

こうしたことから、秋バテのような自律神経の乱れから生じる体調不良(不定愁訴)は、運動をすることで改善する可能性があるといえます。

外を歩くだけでも「運動している」といえる

2020年、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って「ステイホーム」という言葉が強調されるようになると、多くの人は通勤や通学をはじめとする外出の機会が激減し、必然的に活動量が低下してしまいました。

家のなかでいかに活動量をアップするかということも大切ではあるものの、活動量を増やすための一番の近道は、「外に出ること」。ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用など、感染対策を万全にしたうえで、近所を散歩したり、徒歩で買い物に行ったりと、まずは外に出る機会を増やすことを意識しましょう。

朝にオススメ。1日を快適に過ごすためのストレッチ

活動量を増やすためには、「動きやすい体」をつくることが大切です。運動不足で体が凝り固まった状態では、余計に体を動かすことが億劫になってしまいます。そこでまず試してほしいのが、朝のストレッチ。朝のうちに体をほぐして体を動かしやすい状態にしておけば、おのずと1日の活動量が増えることが期待できます。朝にオススメの3つのストレッチと姿勢のリセット方法をご紹介。

仕事や家事を始める前に。ガチガチの肩甲骨まわりや背中をより効果的に伸ばす

ストレッチ1:手を前に組んで、前屈をする

手を組むことで肩甲骨が外に開く(外転する)ため、より肩甲骨まわりが伸びやすくなります。たったこれだけなのに、その効果を実感できます。

ストレッチ2:腰の後ろに手を当てて後屈をする

肩が後ろにグッと引っぱられて肩甲骨が寄り、背中が反らせやすくなります。

ストレッチ3:上に伸びをしてから側屈をする

上に伸びをしてから、体を横に倒して側屈をします。さらに下になる手で反対の手を(組んだまま)引っ張る。伸びをすると肩甲骨が挙上・上方回旋した状態となり、背中がよく反ります。その状態から側方に曲げていきます。

姿勢のリセット:肩を前に出した状態から腕を水平に開く

腕を前に出した状態から、肘を支点にするイメージで腕を外(水平)にぐーっと開く。肩が前に出ている悪い姿勢から、肩甲骨が内に寄って背すじがピンと伸びる。姿勢の崩れに気が付いたらそのたびにこれでリセットを。

生活のなかに「ながら・ついで運動」を取り入れる

「ストレッチだけでは物足りない」「もう少し運動したい」という声にお応えして、簡単な筋トレを2つご紹介します。なかなか運動のための時間がとれなかったり、運動や筋トレに苦手意識があったりする人でも大丈夫。短い時間で、家事の合間にも行える、簡単な動作です。「ながら・ついで運動」を、日常生活のなかに組み込んでしまいましょう。

お料理のスキマ時間に。シンクを使って胸や肩まわりのトレーニング

筋トレ1:限られたスペースでもOKのテーブル腕立て伏せ

腕立て伏せは、腕はもちろん、胸や肩など上半身全体を鍛える運動。体をまっすぐにした状態でシンク(またはテーブル)に手をつき(左)、胸がつくまで体をおろしてから戻します(腕が伸び切るまで)。滑ると危ないので、台のフチに親指をかけるようにしてください! 料理中のレンジ調理や煮込み時間などにキッチンでさくっとできる運動です。
低負荷(左)と高負荷(右)のフォーム。片足を少し前に出すと負荷が下がり、大きく出すほどより楽になります。シンクから足を遠ざけると高負荷となります。フォームを変えることで負荷の調整が可能なので、自分の体力と空間の広さに合わせて調整を!

ロボット掃除機は封印? 掃除中も足トレーニングのチャンスタイム

筋トレ2:下半身を鍛える「ランジ」は同じ足を続けてやる

掃除機をかけるときも、絶好の筋トレチャンス。大きく前に足を踏み込めば、下半身全体が鍛えられます。右足を大きく踏み込んで戻る、ランジを数回連続で行ったら、左足にチェンジ。同じ足を連続して行うほうが、より効率よく効果が得られます。「ながら」だと掃除がおろそかになってしまうという人は、掃除が終わったあとにランジをする「ついで筋トレ」にチェンジ!

筋トレは「1秒後」から、「できなくなるまで」やる

体を動かすことが楽しくなってきた人は、ぜひスクワットや腕立て、腹筋、背筋などにチャレンジを。わざわざ器具を使わなくても、自分の体重で行う筋トレ(自重筋トレ)でも十分に体を鍛えることができます。何よりも、筋トレはやると決めた1秒後にはできます! 短時間でもしっかりと体に効かせることができるので、思い立ったらすぐに始めましょう。

筋トレを始めた最初のうちは、体を慣らすために無理せずに少し余裕が残る程度の回数を行えばOKです。慣れてきたら「回数を決めて行う」のではなく「できなくなるところまでやる」。すると、さらに筋トレ後の爽快感アップにつながるのでオススメです。

ちなみに、「筋肉がつきすぎたらどうしよう……」と心配する人もいるかもしれませんが、いわゆる「マッチョ」や「ムキムキ」になる前に、引き締まったメリハリのある体を通過します。メリハリボディを手に入れてから、その先の心配をしてください。

「ながら・ついで運動」こんなことに注意!

運動や筋トレを始めたばかりの時期は、スピードを上げて動作を行うとケガのリスクが高くなります。1つ1つの動きをややゆっくりと、丁寧に行うようにしましょう。また、より効果を上げるには、動作はできるだけ大きく。浅いスクワットは浅はかなスクワットですよ。

今回教えてくれた谷本先生のモットーは「やるか、すぐやるか!」 まさにどれかひとつでも「やってみよう」「これならできそう」と思うストレッチ・筋トレがあったら、ぜひ気分転換のためにも日々の生活に取り入れてみてください。一度にたくさんやろうとせず、最初はできる範囲で少しずつ。それが継続のコツです。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部 イラスト:大川久志

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