長寿時代だからこそ知っておきたいフレイルとは?



年をとることに伴って、心身が少しずつ弱くなってきた状態のこと。多くの人は、なにかこれといった病気がなくても、年をとるにつれて徐々に心身に衰えが生じますが、フレイルやその前段階で小さな衰えに気づき、早めに適切な対策をとることで、より簡単に元気な状態に戻れたり、健康で自立した生活を長く保っていくことができます。

フレイルの対象となるのは主に高齢者(特に後期高齢者)ですが、身体的な衰えはより若いうちから徐々に始まっているもの。40歳でも50歳でも、下の「フレイルセルフチェック」に当てはまるものがある人は、フレイル対策を始めるのがお勧めです。



フレイルやプレフレイルかも…と気づけたら、それは健康寿命を延ばすチャンス! フレイル予防・フレイル対策は生活の中のちょっとした工夫で可能です。

元気な高齢者の多い日本では、大きな病気のために要介護状態になる人よりも、元気な状態からだんだんと弱って(フレイルを経て)要介護状態になる人が多くいます。フレイル対策が大切なのは、フレイルやその前段階で対策することが、要介護状態になってから対策を打つよりもはるかに元気な状態を取り戻しやすいから。フレイル対策は、長寿時代に欠かせない健康維持のキーワードなのです。

【監修】葛谷 雅文 先生
名鉄病院 病院長/名古屋大学名誉教授
老年医学、フレイル研究・診療のエキスパート。「フレイル予防啓発に関する有識者委員会」委員長。フレイルの一般啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

ヘルス・グラフィックマガジンvol.55
「フレイル」より転載(2025年3月17日発行)