スマホ老眼ってマジ!?
スマートフォンの使い過ぎによって、10代や20代でも老眼のように手元が見づらい状態になってしまうことがあり、「スマホ老眼」と呼ばれています。セルフチェックと目のストレッチで、スマホ老眼対策を!

スマホのようにピントの距離が変わらない画面を長時間見続けることによって、目の中で毛様体筋(もうようたいきん)というピント調節を行う筋肉が凝り固まってうまくピントが合わせられなくなったり、目が疲れたりすること。スマホだけでなく、パソコン作業や読書、手芸など、近くを長時間見る作業で同様の症状が起きやすくなりますが、スマホの場合特に目と画面の距離が近く、さらに画面を動かすため視線が一定距離のまま動かずピントの距離が変わらないので、注意が必要です。

スマホ老眼の場合は近い距離でピントが長時間固定されて、毛様体筋が凝り固まることが原因ですが、老眼は加齢によって水晶体の弾力性がなくなることで、毛様体筋が縮んでも水晶体の厚みが変わらず、ピントが合いにくくなることが原因。
スマホ老眼と違って、加齢による老眼は進行を抑制したり老眼にならないように予防したりすることはできず、老眼の症状は40歳前後くらいから起こり始めます。40歳前後以降の年齢で手元が見えづらい、近くから遠く/遠くから近くに視線を変えたときにピントが合いづらいといった症状を自覚したら、我慢せずに眼科を受診し、眼鏡などで見え方を調整するようにしてください。



井上 賢治 先生
井上眼科病院グループ理事長
140年の歴史をもつ眼科専門病院で理事長を務める、眼科診療のエキスパート。著書に『視力0.1でも豊かな生活を送る目の健康を守る本』(幻冬舎)など。

ヘルス・グラフィックマガジンvol.41
「目の不調」より転載(2021年9月15日発行)