片頭痛では大人と比べて痛みが弱く、継続時間も短い一方で、吐き気や嘔吐などの症状を伴うことが多いのが特徴です。緊張型頭痛の場合も子どものほうが痛みが軽い傾向があり、大人と同様に片頭痛と緊張型頭痛の両方をもっていることも少なくありません。頭痛が起こる前には、光、音、気象条件などのきっかけのほか、生あくび、肩こり、吐き気や嘔吐、腹痛、目の痛みなどを訴えることがあります。

疲労や睡眠不足が頭痛の誘因になることも。決まった時間に食事を摂り、睡眠時間を一定に整え、適度な運動をすることが予防にも対策にもなります。

重いランドセルや長時間のゲームで首や肩が凝ると、緊張型頭痛の原因になることも。この場合は運動や入浴で痛みが楽になることが多いです。

保護者・きょうだいとの関係や成育環境などでストレスを抱えていると、頭痛が起こることがあります。カウンセリングなどでストレスを言語化することが対策になり得ます。

頭痛もちの体質は、子どもに受け継がれやすい傾向があります。ただし、家族と同じ対処が子どもにも適しているとは限らないので、一度小児科を受診し、アドバイスを受けるとよいでしょう。

友人や先生との関係や、成績、部活動などがストレスになると、頭痛の原因になり得ます。子どもが頭痛もちであることを学校に伝えた上で、下記のような配慮について相談してみましょう。

●痛いときは授業中でも薬を飲めるようにしてもらう
●動くとつらい場合は早退ではなく、痛みが軽くなるまで保健室で休めるようにしてもらう
●頭痛が起こると光に敏感になるため、教室の席を予め廊下側にしてもらう

頭痛は未就学児にも起こり得ます。幼いほど自分の不調をうまく訴えられないため、周囲に症状が伝わりづらいだけでなく、「さぼり」や「怠け」と軽視されることも。一方で「頭が痛くなるから」と、好きなことを制限されると子どもにとってはかえってストレスに。夢中になれることを勧めるのも大切なサポートです。子どもの声に耳を傾け、頭痛に気づいたら、他の病気が隠れていないかどうかを調べるためにもまずは一度小児科を受診することをおすすめします。