偉人たちの悲うん。
下痢・便秘に悩むのは現代人だけではありません。あらゆる分野で歴史に名を残した偉人たちも実は下痢や便秘と戦っていたのです。
豊臣秀吉に仕えた武将。秀吉の死後、徳川家康率いる東軍と、三成を中心とした西軍が争った関ヶ原の戦いは天下分け目の戦いともよばれますが、三成はこの戦の前からストレス性の下痢と腹痛に苦しみ、十分に指揮がとれなかったという説が。三成の下痢がなければ違う歴史があったのかもしれません。
中華人民共和国の政治家で、中国共産党の最高指導者を務めた人物。彼はひどい便秘に悩まされており、4、5日お通じがないと怒りっぽくなるため、本人の体調面だけでなく政治面においても便秘の解消が重要性をもっていたといわれています。また彼はしばしば衛兵たちに摘便をさせていたという話もあるそうです。
かつて紙幣の肖像にも採用されていた文豪。彼の門下生である内田百閒は、著書の中で漱石の下痢にまつわる逸話を記しています。その著書によると、漱石は大学からの帰り道で、どうにも我慢できずに下痢を漏らしてしまったそう。帰宅したときには靴の中にまで…という状態で、さすがに閉口したと話していたようです。
宗教改革の中心となった神学者。彼は、生涯多くの病や症状に悩んでいたそう。その1つが便秘であり、便秘により胃が圧迫されることで胃の内容物が食道に逆流する、胃食道逆流症を引き起こしていたといわれています。さらにそれが胸痛を招くなど、彼を苦しめたさまざまな症状の多くは便秘が原因だったと考えられています。
難聴を抱えながらも数々の名曲を世に残した作曲家。鉛中毒になり激しい腹痛や下痢に悩んでいたという説が。彼は無類のワイン好きでしたが、当時のワインは苦味を減らすために鉛を添加することが多かったため、それが原因になったといわれています。彼の遺髪からは通常の40倍以上もの鉛が検出されたそう。
キング・オブ・ロックンロールの異名をもつアーティスト。直接的な死因は不整脈などといわれていますが、そこには便秘が関係していたという説も。その説によると便秘によってトイレで過度にいきんだことが引き金となったといわれているのです。たかが便秘とあなどらず、適切な対処をすることが重要になりそうですね。
ヘルス・グラフィックマガジンvol.35
「下痢・便秘」より転載(2019年9月17日発行)